ハイブリッド豊胸の手術時間はどのくらい?吸引・加工・挿入の全ステップ

ハイブリッド豊胸の手術時間はどのくらい?吸引・加工・挿入の全ステップ

ハイブリッド豊胸の手術時間は、一般的に2時間半から4時間程度が目安です。脂肪の吸引、加工(精製)、インプラント挿入、そして脂肪注入という複数の工程を1回の手術で行うため、通常のインプラント豊胸よりもやや時間がかかります。

「思ったより長い?」と不安に感じる方もいるかもしれません。けれども、各工程にはそれぞれ必要な理由があり、丁寧に時間をかけることが仕上がりの自然さや安全性に直結します。

この記事では、ハイブリッド豊胸の手術時間を工程別に解説しながら、時間が延びるケースや短縮できるポイントまで詳しくお伝えします。「何時間くらいかかるのか」という疑問を解消し、安心して手術に臨める情報をお届けしましょう。

目次

ハイブリッド豊胸の手術時間は2時間半〜4時間が一般的な目安

ハイブリッド豊胸にかかる手術時間は、多くのクリニックで2時間半から4時間と案内されています。インプラント挿入のみの手術が1時間〜1時間半程度であるのに対して、脂肪吸引と脂肪注入の工程が加わるぶん、全体の所要時間が長くなります。

インプラント単独の豊胸手術と比べてどれくらい違うのか

シリコンインプラントだけの手術であれば、ポケット(インプラントを収める空間)を作ってインプラントを入れ、縫合するまで1時間〜1時間半が一般的です。一方、ハイブリッド豊胸では脂肪の採取と精製に30分〜1時間、脂肪注入に30分〜1時間ほど追加でかかるため、合計時間はおよそ倍になります。

時間が長くなること自体はデメリットではなく、むしろインプラントと脂肪の「いいとこ取り」をするための手間だと考えてください。インプラントで土台のボリュームを出しつつ、自家脂肪で輪郭をなめらかに整えるからこそ、触った感触も見た目も自然に仕上がります。

麻酔時間やリカバリー時間を含めた総滞在時間

項目所要時間の目安
術前準備・麻酔導入30分〜45分
手術(脂肪吸引〜注入含む)2時間半〜4時間
麻酔からの覚醒・リカバリー30分〜1時間
クリニック総滞在時間4時間〜6時間程度

手術時間だけでなく「術後の安静時間」も計画に入れておく

全身麻酔で行う場合、術後30分〜1時間は院内で安静に過ごす必要があります。帰宅までの総滞在時間を考えると、丸一日の予定を空けておくのが賢明です。仕事帰りや用事の合間にさっと受けられる手術ではないため、スケジュールにはゆとりを持たせましょう。

脂肪吸引にかかる時間と痛みや腫れを左右するポイント

ハイブリッド豊胸の手術時間のうち、脂肪吸引の工程はおよそ30分〜1時間を占めます。吸引する部位や採取量によって所要時間が変わるため、事前のカウンセリングで吸引箇所を医師としっかり相談しておくことが大切です。

おなか・太もも・二の腕…吸引部位によって時間が変わる

脂肪吸引では、おなかや太ももの内側・外側、腰回り、二の腕といった部位から脂肪を採取します。1か所だけの採取であれば20〜30分程度で済みますが、2か所以上から吸引する場合は合計で40分〜1時間ほどかかるでしょう。

採取する脂肪の量は片側のバストあたり80〜150mL程度が多く、左右合計で200〜300mL前後の脂肪を吸引することになります。体型によって採取可能な量は異なるため、BMIが低い方は複数部位からの採取が必要になりやすく、やや時間が延びる傾向があります。

チューメセント液の浸透に必要な待ち時間も見逃せない

脂肪吸引に先立ち、吸引部位にチューメセント液(麻酔薬と血管収縮剤を含んだ生理食塩水)を注入します。この液体が組織に十分浸透するまで10〜15分ほど待つのが一般的です。手術時間の計算に含まれないこともありますが、実際にはこの「待ちの時間」も総時間に影響します。

吸引時の丁寧さが術後のダウンタイムを左右する

短時間で一気に吸引しようとすると、組織へのダメージが大きくなり、術後の腫れや内出血が強く出やすくなります。経験豊富な医師は2.4mm程度の細いカニューレ(吸引管)を用い、丁寧に脂肪を採取するため、むしろ時間をかけたほうがダウンタイムを軽減できます。

吸引部位採取量の目安所要時間の目安
おなか周り150〜250mL20〜30分
太もも内側・外側100〜200mL15〜25分
二の腕50〜100mL10〜15分

採取した脂肪の加工・精製にどれくらい時間がかかるのか

吸引した脂肪は、そのまま注入できるわけではありません。不純物を除去して質の良い脂肪だけを残す「加工・精製」に15〜30分程度かかります。この工程の丁寧さが、注入後の脂肪生着率を大きく左右するため、手を抜いてはいけない大切な時間です。

遠心分離とフィルトレーション、2つの精製方法

脂肪の精製方法は大きく分けて2種類あります。遠心分離法は、吸引した脂肪を遠心機にかけて水分や油分、血液成分を分離させる方法です。3〜5分の遠心操作を経て、健康な脂肪細胞だけを抽出します。

もう1つはフィルトレーション法で、専用のフィルターに通して不純物を取り除きます。Puregraftシステムに代表されるこの方式は、脂肪細胞へのダメージが少ないとされ、短時間で処理できるのが利点です。

精製後の脂肪の質がバストの仕上がりに直結する

  • 油分や血液が残っていると脂肪壊死やしこりの原因になりやすい
  • 高品質な脂肪は生着率が高く、吸収されにくい
  • 精製方法の選択で術後の触感やボリューム維持に差が出る

加工工程が手術時間全体に占める割合は意外に小さい

15〜30分という精製時間は、全体の手術時間に対して10〜15%程度の割合です。しかし、この短い時間の中で脂肪細胞の質が決まるため、使い捨てるべき不純物を確実に除去するかどうかが結果を分けます。「早くて安い」だけの精製方法を選ぶと、生着率の低下という形で後悔しかねません。

インプラントの挿入はどの工程より慎重さが求められる

インプラント挿入にかかる時間は30分〜1時間程度ですが、ハイブリッド豊胸ではポケットの位置や大きさを脂肪注入とのバランスで決めるため、通常のインプラント手術以上に綿密な計画が必要です。

切開の位置で術後の傷跡が大きく変わる

切開部位は乳房下溝(アンダーバスト)、乳輪周囲、腋窩(わきの下)の3か所が代表的です。ハイブリッド豊胸では脂肪注入でインプラントの輪郭をカバーするため、インプラントサイズを小さくできるケースが多く、切開の長さも3〜4cm程度に収まることがあります。

筋膜下・大胸筋下…ポケットの位置で仕上がりが変わる

インプラントを入れるポケットの層にも複数の選択肢があります。筋膜下(サブファッシャル)に配置すると、自家脂肪との組み合わせで自然な輪郭を作りやすいと報告されています。大胸筋の下に入れるデュアルプレーン法もよく用いられますが、筋肉の動きでインプラントが変位するリスクに配慮が必要です。

インプラントのサイズ選定に3Dシミュレーションを使う理由

ハイブリッド豊胸では脂肪でボリュームを補えるぶん、インプラントを1〜2サイズ小さくできます。その配分を正確に決めるために、3Dシミュレーションを取り入れているクリニックも増えています。術前にコンピューター上で仕上がりを予測することで、「思っていたサイズと違った」というミスマッチを防げるのです。

ポケット位置メリット注意点
筋膜下自然な動き、脂肪との相性が良い組織が薄い方はインプラントが触れやすい
大胸筋下カバー力が高い筋肉の動きで変位する場合がある
デュアルプレーン上方のカバー力と下方の自然さを両立術者の技量に依存しやすい

脂肪注入の手技と所要時間を左右する3つの要因

脂肪注入にかかる時間は30分〜1時間で、注入量、注入層の数、そして使用するカニューレの太さが所要時間に影響を与えます。少量ずつ丁寧に注入するほど時間はかかりますが、そのぶん脂肪が均一に広がり、しこりのリスクを下げることにつながります。

1回のストロークで注入する脂肪量は1mLずつが原則

脂肪注入では、細いカニューレを前後に動かしながら1ストローク(1回の往復動作)あたり約1mLずつ脂肪を注入するのが基本です。大量を一度に注入すると脂肪の塊ができ、中心部に血流が届かず壊死してしまうリスクがあります。

片側のバストに80〜150mL注入する場合、単純計算でも80〜150回のストロークが必要です。この丁寧な作業に時間がかかるのは当然であり、仕上がりの美しさと安全性を担保するための必須条件といえます。

どの層に注入するかで仕上がりの質感に差が出る

注入層効果
皮下脂肪層インプラントの輪郭をぼかし、柔らかさを出す
乳腺組織周囲上部ポールのボリュームを自然に補える
大胸筋上(筋膜上)インプラントと皮膚の間のクッションになる

注入時にインプラントを傷つけない専用カニューレの存在

ハイブリッド豊胸では、インプラントのすぐ近くに脂肪を注入します。万が一、カニューレの先端がインプラントに接触しても破損しないように、先端が丸い「バルブチップカニューレ」を使う医師が増えています。通常のカニューレよりも操作にやや時間がかかりますが、安全性の面で大きなメリットがあります。

手術時間が長くなるケースと短くなるケースを知っておくと安心

ハイブリッド豊胸の手術時間は患者さんの体型や希望するバストサイズ、さらには初回手術か修正手術かによっても変動します。あらかじめ「自分の場合はどちらに該当しそうか」を把握しておくと、当日のスケジュールを立てやすくなるでしょう。

BMIが低い方は脂肪吸引に時間がかかりやすい

体脂肪率が低い方は1か所から十分な量の脂肪を採取できないことが多く、複数の部位から少しずつ吸引する必要があります。吸引部位が増えるぶん、体位変換の時間も加わり、全体で20〜30分ほど延びる傾向です。

修正手術(リビジョン)では既存のカプセル処理に時間がかかる

以前にインプラント手術を受けたことがある方の場合、既存のカプセル(被膜)を処理する工程が加わります。カプセル拘縮が強い方ではカプセル切除に30分〜1時間ほど追加される場合があり、総手術時間が4時間を超えることも珍しくありません。

希望するサイズが控えめな場合は脂肪注入量が少なく済む

「ほんの少しだけボリュームを足したい」という希望であれば、脂肪注入量は片側40〜60mL程度で十分なケースもあります。注入量が少なければ吸引量も減り、全体の手術時間は2時間半を切ることもあるでしょう。

  • 手術時間が長くなりやすい条件:BMIが低い、修正手術、大幅なサイズアップ
  • 手術時間が短くなりやすい条件:十分な皮下脂肪がある、控えめなサイズアップ、初回手術

手術時間の長さと安全性の関係を正しく捉えよう

「手術時間が長いほどリスクが高い」と思われがちですが、ハイブリッド豊胸においては手術時間の長さが安全性と仕上がりの両面に好影響を与える場合も多くあります。丁寧な手技には時間がかかるのが当然であり、むしろ短すぎる手術時間のほうが注意を要します。

全身麻酔の安全性は近年飛躍的に向上している

麻酔管理の項目現在の標準的な対策
モニタリング心電図・血圧・酸素飽和度・呼気CO2を常時監視
深部静脈血栓の予防弾性ストッキング・間欠的空気圧迫装置を併用
体温管理加温ブランケットで低体温を防止

2時間以内の手術は「省略」が潜んでいるかもしれない

ハイブリッド豊胸で2時間以内というのは、いずれかの工程が簡略化されている可能性があります。脂肪の精製が不十分だったり、注入が雑だったりすると、生着率の低下やしこりの形成につながりかねません。手術時間の短さだけをアピールするクリニックには、具体的な精製方法と注入手技を確認するようにしましょう。

術後の圧迫固定と帰宅までの流れも事前に確認しておく

手術終了後は、脂肪吸引部位に圧迫ガーメント(着圧下着)を装着し、バストにはソフトブラを着用するのが一般的です。全身麻酔からの覚醒後、30分〜1時間ほどリカバリー室で休んでから帰宅の判断が行われます。日帰り手術であっても、夕方から夜にかけてのんびり帰宅できるよう時間を確保してください。

よくある質問

ハイブリッド豊胸の手術時間は体型によってどれくらい変わりますか?

ハイブリッド豊胸の手術時間は体型によって30分〜1時間ほどの差が生じます。体脂肪率が低い方は脂肪の採取に複数の部位を使う必要があり、吸引と体位変換に追加の時間がかかるためです。

反対に、おなかや太ももに十分な脂肪がある方は1か所からスムーズに採取でき、手術全体がコンパクトに収まりやすい傾向があります。カウンセリングの段階で医師に体型と希望サイズを伝え、おおよその所要時間を確認しておくと安心でしょう。

ハイブリッド豊胸で使用する麻酔の種類は手術時間に影響しますか?

ハイブリッド豊胸では全身麻酔を採用するクリニックが大多数を占めます。麻酔の種類そのものが手術時間を大幅に変えることはありませんが、全身麻酔の導入と覚醒にそれぞれ15〜30分ほど必要なため、クリニックでの総滞在時間には影響します。

局所麻酔と静脈麻酔の併用で行うクリニックもまれにありますが、脂肪吸引の範囲が広い場合は患者さんの負担が大きくなりやすいため、全身麻酔が推奨されるのが一般的です。

ハイブリッド豊胸の脂肪注入は両胸で合計何分くらいかかりますか?

ハイブリッド豊胸における脂肪注入は、両胸合わせて30分〜1時間程度が一般的です。片側に80〜150mLの脂肪を注入する場合、1mLずつ丁寧に入れていくため相応の時間を要します。

注入量が少ない場合は20分程度で完了することもありますが、複数の層に分けて立体的に注入するケースでは1時間近くかかることもあるでしょう。時間がかかるほど均一な仕上がりになりやすいため、焦らず任せることが大切です。

ハイブリッド豊胸で手術当日の食事や入浴はいつから可能ですか?

ハイブリッド豊胸の手術当日は、全身麻酔の影響で吐き気が出る場合があるため、術後すぐの食事は控えたほうが良いでしょう。覚醒から2〜3時間後、気分が落ち着いてから軽めの食事を取るよう指導するクリニックが多いです。

入浴については、手術当日はシャワーも含めて控えるのが基本です。翌日から首から下のシャワーが許可されるケースが一般的ですが、脂肪吸引部位と胸部の傷口を水に濡らさないよう注意が必要です。具体的なタイミングは担当医の指示に従ってください。

ハイブリッド豊胸の手術前に準備しておくべきことはありますか?

ハイブリッド豊胸の手術前には、まず禁煙が強く推奨されます。喫煙は脂肪の生着率を低下させるだけでなく、傷の治りも遅くなるため、少なくとも手術の2〜4週間前から禁煙を始めてください。

また、手術前日は十分な睡眠をとり、当日は指定された時間以降の飲食を控えます。圧迫ガーメントを着用するため、前開きの服を用意しておくと着替えが楽です。帰宅時は自分で車を運転できないため、タクシーや付き添いの方の手配も忘れないようにしましょう。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

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