豊胸の傷跡はどこに残る?脇・乳輪・アンダーバストの術後経過と隠し方

豊胸の傷跡はどこに残る?脇・乳輪・アンダーバストの術後経過と隠し方

豊胸手術を検討するとき、多くの方が気にするのが「傷跡がどこに、どの程度残るのか」という点でしょう。傷跡の目立ちやすさは、切開する場所や術後のケアによって大きく異なります。

脇・乳輪・アンダーバストの3つの切開部位にはそれぞれ長所と短所があり、ご自身の体質やライフスタイルに合った選択が大切です。

この記事では、各切開部位の術後経過と傷跡の残り方、そして目立たなくするための具体的なケア方法まで、20年以上の臨床経験をもとにわかりやすく解説します。

目次

豊胸手術の傷跡は切開場所によって大きく変わる

豊胸手術の傷跡は、どの部位を切開するかで見え方や回復スピードが大きく異なります。一般的に選択される切開部位は、脇(腋窩)、乳輪周囲、アンダーバスト(乳房下溝)の3か所です。

豊胸手術で選べる3つの切開部位

豊胸手術における切開部位は主に3種類あります。脇の下のシワに沿って切る「腋窩切開」、乳輪の境界線に沿って切る「乳輪切開」、バストの下の溝に沿って切る「乳房下溝切開」です。

それぞれの切開部位には固有の特徴があり、傷跡の目立ちやすさだけでなく、手術の精度や対応できるインプラントの種類にも違いが出ます。医師と十分に相談したうえで、ご自身のバストの形やサイズ、生活スタイルに合った方法を選びましょう。

傷跡の見え方は体型やバストの形にも左右される

同じ切開部位を選んでも、体型やバストの形状によって傷跡の目立ち具合は変わります。たとえばバストにボリュームのある方は、アンダーバスト切開の傷跡がバストの陰に完全に隠れやすいでしょう。

逆にバストが小さめの方は、乳輪周囲の切開が傷跡を目立たせにくい場合があります。痩せ型で皮膚が薄い方は脇からのアプローチが適しているケースも多く、一概にどの切開法がよいとは言い切れません。

主な切開部位の特徴比較

切開部位傷跡の長さ目立ちやすさ
脇(腋窩)約3〜5cm腕を下げると見えにくい
乳輪周囲約2〜4cm色の境界に紛れやすい
アンダーバスト約3〜5cmバストの下に隠れる

切開場所ごとの傷跡の長さとサイズ感

傷跡の長さはインプラントの大きさや種類によっても変動します。生理食塩水バッグであれば小さな切開で挿入できますが、シリコンジェルインプラントはやや長めの切開が必要になることが一般的です。

近年はインプラント挿入用のスリーブ(筒状の補助具)を活用し、従来より短い切開で手術を行う方法も普及しています。傷跡の長さを少しでも短くしたい方は、こうした技術に対応しているクリニックを選ぶのも一つの方法です。

自分に合った切開場所を見極めるためのカウンセリング

どの切開部位が自分に合うのかは、実際にバストの形状や皮膚の状態を診察してもらわなければ判断できません。カウンセリングの際には、傷跡の経過写真を見せてもらいながら具体的なイメージを共有すると安心です。

自分のライフスタイル(水着を着る頻度やノースリーブの服装が多いかなど)も伝えておくと、医師はより適切な提案がしやすくなります。

脇(腋窩)切開の豊胸手術なら傷跡はバストに残らない

脇からアプローチする豊胸手術は、バスト本体に傷跡を一切残さない点で人気があります。腕を自然に下ろした状態では傷跡がほぼ見えず、ノースリーブでも気づかれにくいのが大きな利点です。

脇の自然なシワに紛れて傷跡が隠れやすい

腋窩切開ではシワの走行に沿って3〜5cm程度の切開を行います。脇にはもともと細かいシワがあるため、治癒が進むにつれて傷跡がシワの一部のように溶け込んでいきます。

韓国やアジア圏では特にこの術式の人気が高く、臨床報告でも多くの患者が術後1年で傷跡をほとんど意識しなくなったと報告されています。

内視鏡を使った腋窩アプローチの術後経過

現在は多くのクリニックが内視鏡(カメラ)を併用した腋窩アプローチを採用しています。内視鏡を使うことで、手術中の視野が大幅に広がり、出血量を抑えながら正確なポケット形成が可能になります。

術後1週間は脇の下にテープや圧迫ガーゼを当てた状態で過ごす場合が多く、抜糸は約1〜2週間後に行います。腕を大きく上げる動作は2〜3週間ほど控えるよう指示されるのが一般的です。

脇の傷跡が赤みから白くなるまでの期間

脇の傷跡は術後1〜2か月は赤みやピンク色を帯びていますが、3〜6か月にかけて徐々に薄くなります。多くの場合、術後1年を迎えるころには白っぽい線状の跡になり、日常生活でほとんど気にならないレベルまで落ち着くでしょう。

ただし、肌質やケアの仕方によって経過には個人差があるため、焦らずじっくりと回復を見守ることが大切です。

腋窩切開の術後経過タイムライン

時期傷跡の状態注意点
術後1〜2週間赤みと軽い腫れテーピングを維持
術後1〜3か月赤みが徐々に薄まる紫外線を避ける
術後6か月〜1年白い線状に落ち着くシリコンテープ推奨

乳輪切開による豊胸は傷跡がどの程度残るのか?

乳輪切開は、乳輪と周囲の皮膚の色の境界線に沿って切開する方法で、治癒後の傷跡が色素差に溶け込みやすいのが特徴です。正面から見たときに傷跡がもっとも目立ちにくい術式の一つといえます。

乳輪の境界線に沿った切開で傷跡が溶け込む

乳輪の下半分に沿って弧状に切開するのが一般的な手法です。乳輪の色が濃い部分と薄い部分の境界にメスを入れるため、治癒後の傷跡は色の変化に紛れて非常にわかりにくくなります。

時間が経つほど傷跡は薄く平坦になり、至近距離で注意深く見ない限り判別がつかなくなるケースがほとんどです。

乳輪切開ならではの術後の色素変化と回復

術後しばらくは、切開線の周囲に軽い色素変化(やや黒ずんだ色や赤み)が生じることがあります。これは皮膚が修復される過程で起きる一時的な反応で、多くの方は3〜6か月で本来の色味に近づきます。

  • 術後2〜4週間で抜糸し、テーピングに移行
  • 乳輪周囲の軽いしびれは数か月で回復することが多い
  • 入浴は医師の許可が出てから(通常1〜2週間後)

乳輪の大きさによって切開の適否が分かれる

乳輪が小さい方は、十分な長さの切開線を確保できないため、大きなインプラントを挿入しにくい場合があります。一般的な目安として、乳輪の直径が3cm以上あれば多くのインプラントに対応できるとされています。

乳輪が小さい場合やインプラントのサイズが大きい場合には、アンダーバスト切開や脇からの切開のほうが安全に手術を行えるケースもあるため、カウンセリングで確認しておきましょう。

アンダーバスト切開の豊胸手術は傷跡がバストの陰に隠れやすい

アンダーバスト(乳房下溝)に沿って切開する方法は、世界的にもっとも多く採用されている豊胸手術の術式です。バストの下の溝に沿った傷跡は、立った姿勢ではバスト自体が覆い隠してくれるため、正面から見える心配はほとんどありません。

アンダーバストの傷跡はバストの陰に隠れる

乳房下溝切開の傷跡は通常3〜5cm程度ですが、バストの重みで自然に溝の中に収まります。正面からはもちろん、鏡で下から覗き込まない限り確認しにくい位置にあるのが特徴です。

ブラジャーのワイヤー部分にちょうど隠れる場所なので、下着を着けた状態では完全に見えなくなります。水着やビキニでも、アンダーバストのラインに沿った傷跡は布地で自然にカバーされるでしょう。

術後1か月・3か月・6か月の傷跡の経過

アンダーバスト切開の傷跡は、術後1か月時点ではまだ赤みが目立ちます。触れるとやや硬く感じるかもしれませんが、これは正常な治癒反応です。

術後3か月になるとだいぶ赤みが引き、傷跡自体も柔らかくなってきます。6か月を過ぎるころには白っぽい線状の傷跡に変化し、1年経過するとかなり目立たない状態に落ち着くのが標準的な経過です。

アンダーバスト切開を選ぶ人が多い理由

この切開法が世界中で最も多く選ばれている理由は、手術中の視野が広くとれるため、インプラントを正確な位置に配置しやすいからです。医師にとっても操作性が高く、仕上がりの左右差を抑えやすい利点があります。

また、万が一将来的にインプラントの入れ替えや除去が必要になった場合にも、同じ傷跡を使って再手術ができるため、新しい傷跡が増えません。長い目で見たときのメリットも大きい術式です。

アンダーバスト切開の傷跡経過まとめ

経過時期見た目の変化推奨ケア
術後1か月赤み・やや硬いテーピング継続
術後3か月赤みが薄れ柔らかにシリコンジェル使用
術後6か月〜1年白い線状に定着紫外線防御を継続

豊胸の傷跡が目立つ人と目立たない人を分ける体質と要因

まったく同じ術式・同じ医師の手術であっても、傷跡の仕上がりには個人差が生じます。体質や生活習慣が傷跡の目立ちやすさに直結するため、事前のリスク評価がとても大切です。

ケロイド体質や肥厚性瘢痕のリスクを事前に確認しておく

ケロイド体質とは、傷が治る過程でコラーゲンが過剰に産生され、傷跡が赤く盛り上がってしまう体質のことです。肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)も同様に傷跡が隆起しますが、ケロイドと違い元の傷の範囲を超えて広がることはありません。

ご家族にケロイドができやすい方がいる場合は、カウンセリング時に必ず医師へ伝えてください。切開部位の変更や予防的なケアの追加で、リスクを軽減できる場合があります。

喫煙や紫外線が傷跡の回復を妨げる

喫煙は血管を収縮させて皮膚への血流を減少させるため、傷の治りが遅くなり傷跡も残りやすくなります。手術前後の禁煙は傷跡をきれいに治すうえで非常に重要です。

傷跡が目立ちやすくなるリスク要因

要因影響対策
喫煙血流低下で治癒が遅延術前4週間から禁煙
紫外線色素沈着を悪化日焼け止め・遮光
ケロイド体質傷跡が隆起しやすい医師に事前申告
糖尿病創傷治癒の遅れ血糖コントロール

紫外線も傷跡の色素沈着を悪化させる大きな要因です。術後は切開部位を紫外線から守ることを徹底し、屋外に出る際はSPF30以上の日焼け止めを塗るか、衣服でカバーするようにしましょう。

年齢や肌質による傷跡の残りやすさの違い

一般的に、若い方のほうが皮膚の再生力が高く傷の治りが早い傾向にあります。ただし、若い方はコラーゲンの産生が活発なぶん、ケロイドや肥厚性瘢痕のリスクがやや高まることもあるため、年齢だけで一概には判断できません。

肌のきめが細かい方や色白の方は傷跡が薄く目立ちにくい傾向がありますが、赤みが引くまでに時間がかかることもあります。反対に色黒の方は赤みは目立ちにくいものの、色素沈着が生じやすい面があるため、それぞれに合ったケアが必要です。

豊胸の傷跡を早くきれいに治すためのセルフケア術

豊胸手術後のセルフケアを丁寧に続けることで、傷跡の仕上がりは格段によくなります。医師の指示を守りながら、日常的にできるケアを着実に実践していきましょう。

シリコンテープやシリコンジェルの正しい使い方

シリコン製の医療用テープやジェルは、傷跡のケアとしてエビデンスが豊富な方法です。傷口が完全に閉じたあと(通常2〜3週間後)から使い始め、少なくとも3〜6か月は継続して貼り続けることが推奨されます。

シリコンテープは傷跡の保湿と圧迫を同時に行い、コラーゲンの過剰な増殖を抑えてくれます。ジェルタイプは目立つ場所の傷跡や、テープが貼りにくい部位に適しているでしょう。

紫外線対策と保湿で傷跡の色素沈着を防ぐ

傷跡部分は通常の皮膚よりメラニンが集まりやすく、紫外線を浴びると色素沈着が進みやすい状態にあります。術後少なくとも半年間は、傷跡への直射日光を避けることが鉄則です。

保湿も同様に大切で、傷跡の皮膚が乾燥すると硬くなりやすく、柔軟性が失われます。市販の保湿クリームでも構いませんので、こまめに塗布して皮膚を柔らかい状態に保ちましょう。

術後の生活習慣で傷跡の仕上がりに差がつく

たんぱく質やビタミンC、亜鉛などを多く含む食事は、皮膚の修復を助けてくれます。バランスの良い食生活を心がけるだけでも、傷跡の回復に良い影響を与えるでしょう。

十分な睡眠と適度な水分補給も忘れてはいけません。体が休まっている間に組織の修復が活発に進むため、夜更かしを避け、質の良い睡眠をとることが傷跡ケアにも直結します。

傷跡を早くきれいに治すセルフケア一覧

ケア内容開始時期継続期間の目安
シリコンテープ貼付創閉鎖後2〜3週間3〜6か月以上
紫外線防御術直後から最低6か月
保湿ケア抜糸後半年〜1年
栄養バランスの良い食事術前から継続的に

豊胸手術の傷跡が消えないときに頼れる医療的な治療法

セルフケアを続けても傷跡が気になる場合は、医療機関での治療で改善できる可能性があります。傷跡の状態に応じて、レーザー、注射、手術など複数の選択肢から選べます。

レーザー治療で赤みや色素沈着を改善する

レーザー治療は、傷跡の赤みや色素沈着に対してとても有効な方法です。パルスダイレーザーやフラクショナルレーザーなど、傷跡の種類に合わせた機器を用いて皮膚の再生を促します。

  • フラクショナルレーザーは皮膚の入れ替えを促し質感を改善
  • パルスダイレーザーは赤みの強い傷跡に効果的
  • 複数回の施術が必要で、1〜2か月間隔で行うことが多い

ステロイド注射によるケロイド・肥厚性瘢痕の治療

盛り上がった傷跡にはステロイド(トリアムシノロン)を直接注射する方法が広く用いられています。注射により炎症を抑え、コラーゲンの過剰な増殖を鎮めることで傷跡を平坦にしていきます。

通常は4〜6週間おきに数回の注射を繰り返し、経過を見ながら治療を進めます。痛みはわずかで、施術にかかる時間も数分程度と短いため、通院の負担は比較的軽い治療法です。

傷跡修正術(瘢痕形成術)で目立つ傷跡を切り取る

傷跡が大きく広がってしまった場合や、ケロイドが長期間改善しない場合には、傷跡そのものを切除して縫い直す「瘢痕形成術(はんこんけいせいじゅつ)」を検討することもあります。

新しい傷跡は丁寧に細く縫合するため、元の傷跡よりずっと目立たなくなるケースがほとんどです。ただし、ケロイド体質の方は再発リスクもあるため、術後にステロイド注射やシリコンテープを併用した予防策を講じることが重要です。

よくある質問

豊胸手術の傷跡は完全に消えますか?

豊胸手術に限らず、皮膚を切開した傷跡が完全に消失することはありません。ただし、適切なケアを続ければ、術後1年ほどで白く細い線状になり、日常生活ではほとんど気にならないレベルまで目立たなくなります。

シリコンテープや紫外線対策を早い段階から取り入れることで、傷跡の仕上がりをさらに良くすることが期待できます。

豊胸の傷跡がケロイドになるリスクはどのくらいありますか?

ケロイドの発生率は個人の体質や遺伝的要因に大きく左右されます。ご家族にケロイドができやすい方がいる場合はリスクが高まるため、カウンセリングの際に必ず医師へ申告してください。

切開部位の工夫やシリコンテープの予防的使用など、リスクを軽減するための対策を事前に講じることができます。

豊胸手術後の傷跡ケアはいつから始めればよいですか?

傷口が完全に閉じたあと、通常は術後2〜3週間からシリコンテープやシリコンジェルによるケアを始められます。それまでの期間は医師の指示に従い、テーピングや消毒で清潔を保つことに専念してください。

紫外線対策については術直後から意識するのが望ましく、傷跡部分を衣服やテープで覆うだけでも十分な効果があります。

豊胸の脇の傷跡はノースリーブを着ても見えますか?

脇(腋窩)切開の傷跡は、シワの走行に沿って作られるため、腕を自然に下ろした状態ではほとんど見えません。腕を大きく上げたときに注意して見れば薄い線が確認できることもありますが、他人に気づかれるケースはまれです。

術後半年から1年ほど経てば傷跡は白く薄くなるため、ノースリーブの服装も安心して楽しめるようになるでしょう。

豊胸手術の傷跡を目立たなくするためにレーザー治療は有効ですか?

レーザー治療は、傷跡の赤みや色素沈着、質感の改善に対して有効な方法です。フラクショナルレーザーやパルスダイレーザーなど、傷跡のタイプに合わせた機器を用いることで、目に見える改善が期待できます。

ただし、1回の施術で劇的に変わるものではなく、通常は数回に分けて治療を行います。担当医と相談のうえ、傷跡の状態に合った治療計画を立てることが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

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