豊胸手術前に低用量ピルやサプリメントは中止?血栓症予防のための休薬期間と注意点

豊胸手術前に低用量ピルやサプリメントは中止?血栓症予防のための休薬期間と注意点

豊胸手術を安全に行うためには、服用中の低用量ピルやサプリメントの適切な管理が重要です。これらは血液の状態に変化を与え、手術中の合併症や術後の回復に影響を及ぼすからです。

特に血栓症は命に関わる重大なリスクとなるため、事前の休薬期間を正しく守ることが求められます。この記事では、手術前の準備として知っておくべき薬の扱いと注意点を詳しく解説します。

手術当日に向けて体調を整えることは、理想の仕上がりを手に入れるための第一歩といえます。正しい知識を身につけ、リスクを最小限に抑えながら、安心してバストアップの手術に臨みましょう。

目次

低用量ピルの服用が豊胸手術に及ぼすリスク

ピルに含まれる成分は血液を固まりやすくさせる作用を持つため、手術中や術後の血栓症リスクを増大させます。安全な麻酔管理と円滑な回復を優先するために、一定期間の服用中止が必要です。

血栓症は血管内に血の塊ができる状態で、放っておくと重篤な症状を招く恐れがあります。こうした事態を防ぐための具体的な影響について、各項目で細かく掘り下げて確認していきましょう。

エストロゲン成分と血液凝固の相関

低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンは、肝臓で血液を固める因子の産生を促す働きを持っています。通常時の生活では大きな支障はありませんが、手術という特殊な環境下ではリスクの火種となります。

手術中は同じ姿勢を長く保つ必要があるため、血管内で血液が滞りやすい状態が続きます。この状況で血液の凝固能力が高まっていると、血栓ができやすい条件が揃ってしまいます。

手術を安全に進めるためには、ホルモンによる血液への影響をあらかじめ取り除いておく準備が大切です。身体の機能を自然な状態に戻すことで、予期せぬトラブルを回避する可能性が高まります。

深部静脈血栓症が引き起こす合併症

足の太い血管に血の塊ができる深部静脈血栓症は、外科手術において最も警戒すべき合併症の一つです。この血の塊が血流に乗って肺へ移動すると、肺塞栓症という深刻な状態を招く恐れがあります。

突然の呼吸困難や胸の痛みが生じ、一刻を争う緊急の処置を要する事態へと発展しかねません。こうした最悪の事態を未然に防ぐためには、血液を可能な限り自然で健康な状態に保つことが重要です。

ピルの服用を一時的に止めることは、こうした重大な副作用を避けるための有効な手段となります。自身の健康を守り、無事に手術を終えるためにも、医師の指示に従った管理を徹底しましょう。

血液の状態に影響を与える要因の整理

リスク要因血液への具体的な変化予測される危険性
ホルモン剤摂取凝固因子の増加血管内での血栓形成
長時間の不動下肢静脈の血流停滞深部静脈血栓症
術前の絶水血液濃縮と粘度上昇血流障害のリスク

手術中の脱水状態が招く危険性

手術前は絶飲食の制限があるため、体内の水分が減り、血液の粘り気が増しやすい傾向にあります。ピルを服用していると、この粘性の変化が血栓形成に拍車をかけてしまう場合があるのです。

麻酔による血圧の変動も重なり、循環器系への負担は通常よりも大きくなります。術中の安全性を底上げするためには、薬による人為的な影響をあらかじめ排除しておくのが賢明な判断です。

身体への侵襲を最小限に抑えるためにも、血液循環の質を高く保つ工夫を忘れないでください。水分管理と薬の調整をセットで行うことが、安定した手術環境を作り出す鍵となるでしょう。

手術前に設定すべきピルの休薬期間

豊胸手術の4週間前からピルの服用を中止することで、血液の凝固能力を正常な範囲に戻すことが可能です。この期間を設けることは、世界的な安全基準に基づいた標準的な対応といえます。

余裕を持って計画を立てることで、ホルモンバランスの急激な変化にも体が慣れる時間を確保できます。休薬期間の重要性とその理由について、順を追って詳しく解説していきます。

手術4週間前からの服用中止が推奨される理由

ピルを止めてから血液の状態が元に戻るまでには、肝臓の代謝を含めて数週間の時間が必要になります。薬の成分が体から抜けたとしても、高まった凝固因子の数値が安定するまでには時差が生じます。

そのため、多くのクリニックでは余裕を持って1ヶ月前からの休薬を指示しています。自身の身体を守るための大切な準備期間として、このスケジュールを厳守するように心がけてください。

早めに服用を停止することで、万が一検査数値に異常が見つかった場合でも柔軟に対応できます。手術当日に最高のコンディションで臨むために、カレンダーでの管理をおすすめします。

体内のホルモンバランスが正常化するまでの時間

外部からのホルモン供給を止めると、体は自律的なホルモン分泌のリズムを少しずつ取り戻し始めます。この調整期間に不正出血などが起こる場合もありますが、それは体が反応しているサインです。

血液系が安定し、手術の侵襲に耐えうる本来のコンディションが整うのを待つことが必要となります。焦らずに身体の変化を見守りながら、自然なサイクルへと戻るのを待ちましょう。

術後の再開についても、傷の治りや活動量の回復を待ってから慎重に判断することが大切です。ホルモン環境の急変は体に負担をかけるため、一歩ずつ進めていく意識を持ってください。

休薬期間中の生活における注意点

  • 手術日の1ヶ月前からカレンダーに印をつけ、確実に服用を停止する
  • 休薬によって避妊効果が消失するため、別の確実な方法を選択する
  • 体調に著しい変化を感じた場合は、速やかに執刀医へ相談を行う

医師に必ず申告すべきピルの種類

低用量ピルだけでなく、治療目的の超低用量ピルや緊急避妊用のアフターピルも凝固系に影響を与えます。さらに更年期障害の治療で用いるホルモン補充療法なども、同様のリスクを含んでいます。

カウンセリングでは薬の名前を正確に伝え、服用状況を隠さず共有するようにしましょう。情報の共有が不足していると、医師が適切な安全策を講じることが困難になってしまうからです。

自分が飲んでいる薬が対象かどうか迷ったときは、現物を持参して確認してもらうのが確実です。専門的な視点からのチェックを受けることで、盲点となっていたリスクを排除できます。

注意が必要なサプリメントの種類と成分

美容や健康に良いとされるサプリメントの中には、血を止まりにくくさせる成分が含まれていることがあります。手術の1週間から2週間前には、これらの摂取を一時的に停止することが重要です。

術後の内出血を抑えることは、ダウンタイムを快適に過ごすためにも欠かせない準備となります。どのような成分が手術に影響を及ぼすのか、代表的なものを確認していきましょう。

ビタミンEやEPA/DHAによる出血傾向の増大

ビタミンEや魚油に含まれるEPA・DHAは、血液をサラサラにする優れた効果を持っています。しかし、手術の場面においては、この効果が止血の妨げというデメリットに変わってしまいます。

術後の内出血がひどくなると、腫れが長引いたり皮膚の色が落ち着くまで時間がかかったりします。最善の結果を得るためには、一時的にこれらの摂取を控える選択が求められるでしょう。

特に豊胸手術は組織の剥離を行うため、毛細血管からの出血を最小限に抑えることが鍵となります。身体の中から出血しやすい環境を作らないよう、食生活も含めて見直しを行ってください。

手術前に控えるべき主な栄養成分

成分の種類体への主な作用手術時におけるリスク
ビタミンE血小板機能の抑制術後の内出血の拡大
EPA・DHA血液の凝固を遅延止血時間の異常な延長
イチョウ葉末梢血管の著しい拡張予測困難な異常出血

漢方薬やハーブに含まれる成分の影響

天然成分だから副作用がないというわけではなく、植物由来の成分も体質に強く働きかけることがあります。セントジョーンズワートなどは、麻酔薬の代謝速度を変えてしまう可能性が高いです。

高麗人参や一部の滋養強壮剤も、血圧や心拍数に好ましくない変動を与えることが知られています。服用しているすべての健康食品をリストアップし、事前に医師の確認を仰ぐことが重要です。

漢方薬の中にも、血流を改善する目的で配合された生薬が含まれていることが珍しくありません。自己判断での継続は避け、プロの目による安全確認を優先する習慣をつけましょう。

術後の内出血を最小限に抑えるための準備

不要な成分の摂取を止めるだけで、術後の組織の修復は驚くほどスムーズに進むようになります。出血が少ない状態で手術を終えられれば、ダウンタイム中の痛みや不快感も劇的に軽減されます。

手術は執刀医の技術だけでなく、患者様側の事前の体調管理によっても成功率が大きく左右されます。数週間の我慢が、理想のバストを長く美しく保つための賢い投資になると考えてください。

身体をいたわる準備を丁寧に行うことで、手術への恐怖心も自然と和らいでいくはずです。術後の自分に感謝されるような、万全のコンディション作りを目指していきましょう。

血栓症を予防するための術前術後の生活習慣

薬の管理と並行して、日常の習慣を見直すことで血液の循環をより良好な状態に導くことが可能です。ちょっとした心がけが、手術の安全性を何段階も引き上げてくれる頼もしい味方となります。

日々の積み重ねが、大きな合併症を防ぐための強力なバリアーとして機能します。今日からでもすぐに始められる、具体的な予防習慣のポイントを3つの視点から整理して紹介します。

こまめな水分摂取が血液の粘性を下げる

十分な水分補給は、血液の濃度を適切に保ち、流れをスムーズにするための基本中の基本です。脱水気味の体は血栓ができやすいため、お茶や水でこまめに潤いを与えるように心がけましょう。

特に手術の数日前からは、意識的に1日1.5リットル程度の水分を摂ることが強く推奨されます。これによって血液のドロドロ状態を回避し、血管内でのトラブルを未然に防ぐことが可能です。

ただし、アルコールは尿を介して水分を排出させるため、手術前後の摂取は控えるのが正解です。良質な水分をしっかりと取り込み、循環機能を活性化させておく準備を整えてください。

着圧ソックス(弾性ストッキング)の活用

足に適度な圧力を加える着圧ソックスは、静脈の血流を助け、むくみや血栓を防ぐ高い効果を発揮します。手術当日の着用はもちろん、術後で動く量が減る時期にも有効なツールとなります。

ふくらはぎのポンプ機能を補助することで、血液が下半身に溜まってしまう現象を防いでくれます。自分の足のサイズに合った適切な圧力を選び、正しく装着することが予防の鍵といえるでしょう。

医療機関で勧められた場合は、指示通りに正しく着用を続けることが回復への近道となります。物理的なサポートを取り入れることで、不安の種を一つずつ摘み取っていくことができます。

日常生活で取り入れたい血行促進の工夫

  • 1日を通して常温の水を、喉が渇く前にこまめに飲み続ける
  • 座りっぱなしを避け、定期的に足首を回すなどの軽い運動を行う
  • 入浴などで体を温め、全身の血管を適度に広げて血流を保つ

術後早期の離床と歩行の重要性

手術当日は安静が必要ですが、翌日からは医師の許可を得て無理のない範囲で体を動かしましょう。室内をゆっくり歩くだけでも、全身の血行が促進され、血栓のリスクは大幅に低下します。

痛みを恐れて長時間同じ姿勢でいることが、実は最も危険な状態を招く原因となりかねません。看護師や医師の指導に従いながら、早めに少しずつ足を動かす習慣を取り入れるのが理想的です。

動くことで腸の働きも良くなり、全身の代謝が上がって傷の治りも早まるという副次的な効果も期待できます。健康な身体のリズムを取り戻すために、勇気を持って最初の一歩を踏み出しましょう。

カウンセリング時に伝えるべき健康情報の詳細

医師は提供されたすべての情報を元に手術計画を立てるため、正確な申告が安全の根幹を支えます。自分では無関係だと思う小さなことでも、専門的な視点では重要な判断材料になるからです。

正確な情報の開示は、結果として自分自身を不必要なリスクから守ることにつながります。どのような項目をリストアップしておくべきか、重要なポイントを一つずつ確認していきましょう。

市販薬や健康食品の申告漏れが招く事故

ドラッグストアで購入した風邪薬や、知人から勧められたダイエットサプリも例外ではありません。成分によっては、手術中に予期せぬ血圧の変動や出血を招くきっかけになってしまうからです。

現在使用しているものはすべて名称を控え、成分がわかるパッケージなどを持参することをおすすめします。これによって医師が適切な休薬指示を出し、手術の精度をより高めることが可能です。

「たかがサプリ」と軽視せず、すべてを詳らかにすることが安全への最短ルートとなります。不安な場合は、飲んでいるサプリメントの実物をカウンセリング室に持ち込んで相談しましょう。

既往歴と血栓症リスクの自己認識

過去にかかった病気や、現在通院している内容は、麻酔の選択や術後の管理方法に直結します。特に血管の病気や心臓の不調があった場合は、より慎重なアプローチが求められるはずです。

アレルギーの有無についても、使用する薬剤や消毒液を選ぶ上で決して欠かせない情報となります。これらを正しく伝えることは、医師との強固な信頼関係を築くための第一歩でもあります。

持病がある場合は主治医にも豊胸手術の相談をし、連携が取れる状態にしておくとさらに安心です。自分自身のコンディションを数値や診断名で客観的に伝えるよう努めてみてください。

医師へ提供すべき情報のチェック項目

申告項目伝えるべき具体的な内容情報共有の目的
常用薬ピル・鎮痛剤・精神安定剤薬物相互作用の回避
既往歴手術経験・入院が必要な病気麻酔の安全性の確保
生活習慣喫煙・飲酒・運動の頻度術後回復速度の予測

家族歴における凝固異常の重要性

血縁者に血栓症や心筋梗塞を経験した人がいる場合、遺伝的な体質が影響している可能性があります。もし血液が固まりやすい体質であれば、手術前後の管理をより手厚くする必要があるでしょう。

自分自身が今まで健康であっても、家族の病歴は自身の潜在的なリスクを教えてくれる貴重な指標です。些細な記憶でも構いませんので、カウンセリングの場で医師に話しておくことが大切です。

体質的な要因を事前に把握できていれば、それに応じた予防処置を術前から施すことが可能になります。家系的な特徴も立派な医学的データであることを忘れずに共有してください。

手術の安全性を高めるための医療機関選び

豊胸手術を検討する際は、仕上がりの美しさだけでなく、リスク管理への意識が高いクリニックを選びましょう。事前の検査体制や万が一の事態への備えが、満足度を左右する重要な要素となります。

信頼できるクリニックかどうかを見極めるためには、いくつかの具体的なチェックポイントが存在します。自分が安心して身体を預けられる環境かどうか、冷静な目で判断することが重要です。

徹底した血液検査による事前リスクの把握

安全を第一に考える医療機関では、手術の数週間前に必ず精密な血液検査を実施します。これによって貧血の度合いや凝固因子の数値を把握し、手術に耐えられる体かどうかを厳密に判定します。

こうした客観的なデータに基づいた医学的判断こそが、安全な美容外科医療の揺るぎない基盤となります。検査結果を丁寧に解説し、リスクに応じた休薬指示を出す姿勢があるかを注視しましょう。

検査を簡略化したり、問診だけで済ませたりする場所は避けるべきです。事前のスクリーニングが徹底されていることこそが、トラブルを未然に防ぐための最大かつ唯一の証となります。

麻酔科医との連携体制の確認

手術中は執刀医が処置に集中するため、全身管理を担う麻酔の専門医が同席していることが理想的です。リアルタイムで心拍や呼吸の変化を監視することで、異常の兆候をいち早く捉えることができます。

血栓症の初期症状などは、麻酔中の細かな数値の変化として現れることが少なくありません。これを見逃さずに迅速な対応ができる専門家がいることは、何にも代えがたい大きな安心材料です。

カウンセリングでは誰が麻酔を担当し、どのような監視機器を使用するのかを遠慮なく質問してください。明確な回答が得られない場合は、そのクリニックでの受診を再考する余地があります。

安心できるクリニックの共通点

  • 術前の検査項目が豊富で、結果に基づく個別指導を行っている
  • 緊急時に備えて提携先の総合病院との協力体制が確立されている
  • 合併症のリスクについても包み隠さず、丁寧に説明する時間を設けている

万が一の緊急事態への対応能力

どれほど準備を尽くしても、医療におけるリスクを完全にゼロにすることは不可能です。だからこそ、不測の事態が起きたときにどのような行動を迅速に取れるかが、クリニックの実力を示します。

緊急時に必要な薬剤が手術室に完備されているか、夜間でも連絡が取れる体制かを確認してください。責任を持って最後まで対応する覚悟が感じられるクリニックなら、落ち着いて手術を受けられます。

誠実な医師は、良い話だけでなくリスク面の話も同様に時間をかけて行ってくれるものです。表面的な広告に惑わされず、こうした医療の本質的な部分を重視して選択を進めていきましょう。

術後の体調変化を見逃さないためのセルフチェック

手術が無事に終わった後も、自身の体調を注意深く見守ることが完全な回復への最後のステップです。違和感を感じたときに早めに対処できるよう、具体的な異常のサインを知っておく必要があります。

術後の経過には個人差がありますが、共通して注意すべきポイントを把握しておくことで冷静に対処できます。毎日の検温や視診を習慣にし、自分自身の身体からのメッセージを受け取りましょう。

ふくらはぎの痛みや片足だけの腫れ

血栓が足の静脈にできた場合、左右で足の太さが明らかに変わったり、赤みを帯びたりすることがあります。ふくらはぎを触ると硬く感じたり、歩くときに突っ張るような痛みが出るのが特徴です。

こうしたサインが出たときは、血栓をそれ以上飛ばさないために、むやみに揉んだりマッサージをしてはいけません。安静を保ちつつ、直ちにクリニックへ連絡して適切な指示を仰いでください。

早期に発見して適切な処置を行えば、重篤な肺塞栓症への進展を防ぐことが十分に可能です。足のむくみが単なる術後の変化なのか、異常事態なのかを慎重に見極める目を持つことが大切です。

胸の痛みや突然の息切れに対する警戒

足でできた血栓が肺へ移動すると、呼吸のしにくさや鋭い胸の痛みとして現れることがあります。深呼吸をした際に痛みが増したり、冷や汗が出て動悸が止まらなくなったりする場合は緊急事態です。

こうした症状は手術当日だけでなく、数日経ってから起こることも稀にあるため注意が欠かせません。もし強い違和感を感じたら、深夜であっても救急医療やクリニックへの連絡を優先しましょう。

「少し休めば治るだろう」という過信は、取り返しのつかない結果を招く原因になり得ます。直感的な苦しさや胸の圧迫感は、身体が発している重要な警告灯であることを決して忘れないでください。

自宅でできる術後のチェックリスト

確認部位チェックすべき症状警戒すべき合併症
下肢(足)左右差のある腫れ・激しい痛み深部静脈血栓症
胸部・呼吸呼吸時の痛み・激しい動悸肺血栓塞栓症
手術部位急激な腫脹・局所の強い熱感術後血腫・感染症

赤みや熱感がある場合の緊急連絡

傷口周辺が異常に熱を帯びている、あるいは赤みが急速に広がっている場合は、感染や血腫の疑いがあります。血腫ができると周囲の組織を圧迫し、血流を妨げて治癒を遅らせる要因になります。

術後の経過に疑問を感じたときは、どんなに小さなことでもクリニックに相談するのが正しい判断です。専門的な処置を早く受けるほど、その後の仕上がりに与える影響を最小限に抑え込めます。

細かなセルフチェックの積み重ねが、あなたの理想のバストと健康な身体を確実に守ってくれます。自分を大切にするという気持ちを持って術後のダウンタイムを賢明に過ごしていきましょう。

よくある質問

休薬期間が必要であることを知らずにピルを飲んでしまいました。手術は受けられませんか?

直近の服用状況によりますが、安全を最優先するために手術を延期、あるいは中止する判断が下される場合があります。ピルの成分が残っている状態での手術は、血栓症のリスクが著しく高まるからです。

嘘をついて手術を強行することは自身の命を危険にさらす行為であり、絶対に避けるべきです。事実を正直に医師へ報告し、最も安全に手術を受けられる時期を改めて相談するようにしてください。

生理痛がひどいのですが、ピル以外の痛み止めなら手術直前でも問題ないでしょうか?

市販されている鎮痛剤の中には血液を固まりにくくさせる作用を持つアスピリン系の薬が含まれていることがあります。これらは術後の内出血を悪化させる恐れがあるため、安易な服用は控えましょう。

生理痛が辛い場合は、あらかじめ医師に相談して手術に影響の少ない種類の鎮痛剤を教えてもらうのが最も安心です。

薬の飲み合わせや成分をプロに確認してもらうことで、不要なトラブルを回避できます。

サプリメントは手術の何日前から完全に止めればよいですか?

一般的には手術の2週間前、どんなに遅くとも1週間前にはすべてのサプリメントの摂取を中止してください。

凝固能力を正常に戻すためには、成分が排出された後も数日の身体の回復期間が必要です。特にビタミンEやEPAなどは、予想以上に出血を助長させることがあるため厳禁です。

術後の仕上がりをより美しくするためにも、この期間は栄養をサプリに頼らずバランスの良い食事から摂りましょう。

術後にピルを再開するタイミングの目安を教えてください。

基本的には術後1ヶ月程度が経過し、日常生活に支障がないほど体が完全に回復してから再開するのが通例です。術後しばらくは活動量が減っており、血栓症のリスクが依然として残っているからです。

再開の判断は術後検診の際に医師の許可を得てから行うようにしてください。自己判断での再開は思わぬ合併症を招く可能性があるため、専門的な評価を受けた上で進めることが大切です。

休薬中に妊娠してしまわないか不安です。別の対策はありますか?

ピルの休薬期間中は避妊効果が期待できないため、必ずコンドームなどの別の確実な方法で避妊を行ってください。

もし手術前に妊娠が判明すると、身体への負担を考慮して手術は中止になります。

手術に向けた大切な準備期間ですので、パートナーとも情報を共有し、協力し合って過ごすことが重要です。計画的な避妊を行うことも、安全にバストアップを成功させるための立派な管理の一部といえます。

Reference

STONE, Austin V., et al. Oral contraceptive pills are not a risk factor for deep vein thrombosis or pulmonary embolism after arthroscopic shoulder surgery. Orthopaedic journal of sports medicine, 2019, 7.1: 2325967118822970.

VENTURI, Mark L.; DAVISON, Steven P.; CAPRINI, Joseph A. Prevention of venous thromboembolism in the plastic surgery patient: current guidelines and recommendations. Aesthetic Surgery Journal, 2009, 29.5: 421-428.

JOHNSON, R. L.; HEMINGTON-GORSE, S. J.; DHITAL, S. K. Do cosmetic surgeons consider estrogen-containing drugs to be of significant risk in the development of thromboembolism?. Aesthetic plastic surgery, 2008, 32.5: 743-747.

LAVASSEUR, Corinne, et al. Hormonal therapies and venous thrombosis: Considerations for prevention and management. Research and practice in thrombosis and haemostasis, 2022, 6.6: e12763.

BARROS, Venina Isabel Poço Viana Leme de, et al. Use of hormones and risk of venous thromboembolism. Revista Brasileira de Ginecologia e Obstetrícia, 2024, 46: e-FPS02.

HRT, Hormone Replacement Therapy. Drugs in Gynaecology and Contraception. Part 1 MRCOG Synoptic Revision Guide, 2023, 186.

REVILLA-PEÑALOZA, Francisco, et al. Randomized trial of deep vein thrombosis chemoprophylaxis with bemiparin and enoxaparin in patients with moderate to high thrombogenic risk undergoing plastic and reconstructive surgery procedures. Aesthetic Plastic Surgery, 2020, 44.3: 820-829.

HAVELES, Christos S., et al. Effect of cross-sex hormone therapy on venous thromboembolism risk in male-to-female gender-affirming surgery. Annals of Plastic Surgery, 2021, 86.1: 109-114.

CIPRIANI, Sarah, et al. Obesity and hormonal contraception: an overview and a clinician’s practical guide. Eating and Weight Disorders-Studies on Anorexia, Bulimia and Obesity, 2020, 25.5: 1129-1140.

DIX, Caroline, et al. Venous thromboembolism and estrogen-containing gender-affirming hormone therapy. Thrombosis and Haemostasis, 2024, 124.05: 387-398.

豊胸手術前の準備に戻る

豊胸の基礎知識TOP

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

目次