左右のバストサイズが違う悩み|大きさを揃えてバランスを整える豊胸手術のアプローチ

左右のバストサイズが違う悩み|大きさを揃えてバランスを整える豊胸手術のアプローチ

多くの女性が抱えるバストの左右差という悩みに対し、現代の美容医療は個々の身体的特徴に合わせた精密な解決策を提供します。

左右の胸の大きさが異なる原因は、先天的な発育の違いや骨格の歪み、生活習慣など多岐にわたります。しかし、適切なアプローチを選択することで、バランスの取れた美しいシルエットを目指すことが可能です。

本記事では、シリコンバッグ、脂肪注入、そしてその両方を組み合わせたハイブリッド豊胸という3つの主要な手法について詳しく解説します。

サイズ調整だけでなく、形状や位置の微調整を含めたトータルバランスの視点から、自信を取り戻すための具体的な道筋を示します。

目次

左右の胸の大きさが違う原因とは何か

バストの左右差は、遺伝や骨格などの先天的要素と、姿勢や授乳などの後天的要素が複合して生じます。

これらは病的なものではなく自然な個体差であることがほとんどですが、原因を知ることで適切な改善策が見えてきます。

先天的な要因による発育の違い

人間の身体は本来、完全な左右対称ではありません。顔のパーツや手足の長さと同様に、バストの発育においても左右で差が生じることは非常に一般的です。

思春期の乳房発達の過程において、左右の乳腺組織がエストロゲンなどの女性ホルモンに対して異なる反応を示すことがあります。

一方の乳腺が他方よりも早く、あるいは大きく発達することで、ボリュームや形状に違いが現れます。また、大胸筋の厚みや胸郭(肋骨の形状)の左右差も、バストの見た目に大きく影響します。

例えば、心臓がある左側の胸郭がやや突出している場合、左胸の方が大きく見えることがありますが、これは乳房自体の大きさというよりも土台となる骨格の違いによるものです。

こうした先天的な構造の違いは、セルフケアだけで解消することが難しいため、美容医療による形成的なアプローチが効果を発揮します。

生活習慣や姿勢の歪みが与える影響

日常生活における無意識の癖や姿勢も、長い時間をかけてバストの左右差を助長します。

利き手ばかりを使う動作や、いつも同じ側を下にして寝る習慣などは、身体の重心をずらし、背骨や骨盤の歪みを引き起こします。

骨格が歪むと、大胸筋や小胸筋といった胸周りの筋肉の付き方に左右差が生じ、結果としてバストの位置や大きさが異なって見えるようになります。

主な原因とその特徴

原因の分類具体的な要因バストへの影響と特徴
先天的・遺伝的要因乳腺の発達差、胸郭の形状、大胸筋の厚み思春期から左右差が目立ち始めます。土台の骨格自体が左右で異なる場合、形状の工夫も必要です。
姿勢・生活習慣利き手の酷使、睡眠姿勢、猫背、骨盤の歪み筋肉の付き方や血流の偏りにより、徐々に左右差が進行します。バストの高さがずれて見えることもあります。
ホルモン・ライフイベント妊娠、授乳の偏り、加齢による下垂授乳後に顕著になります。片側だけのボリューム減少や皮膚のたるみが特徴です。

また、猫背や巻き肩などの姿勢不良は、血行やリンパの流れを悪化させるため、栄養素やホルモンが胸全体に均等に行き渡るのを妨げる可能性があります。

その結果、一方の胸だけが発育しにくくなったり、ハリを失ったりすることも考えられます。生活習慣の見直しは重要ですが、定着した左右差を根本的に修正するには物理的なボリューム調整が必要です。

ホルモンバランスの変化と授乳後の変化

女性の体はライフステージごとにホルモンバランスが大きく変動し、それがバストの形状に影響を与えます。特に妊娠・出産・授乳期は、乳腺が急激に発達し、その後縮小するという大きな変化を経験します。

授乳の際、赤ちゃんが飲みやすい方ばかりで授乳を行ったり、乳腺の張り方に左右差があったりすると、卒乳後のバストの萎み方に違いが出ることがあります。片方の胸だけが極端にボリュームダウンし、皮膚がたるんでしまうケースも少なくありません。

さらに、加齢に伴うホルモンの減少により、乳腺組織が脂肪へと置き換わる過程でも、左右で進行度合いが異なる場合があります。

このように後天的な要因で生じた左右差に対しても、失われたボリュームを補う、あるいは垂れ下がった皮膚を引き上げるといった外科的な処置が有効な解決策となります。

バストの左右差をセルフチェックする方法

メジャーでの数値計測に加え、鏡での見た目のバランスやブラジャーのフィット感を確認することが大切です。

数値だけでなく、カップの浮きや左右のトップ位置の違いを把握することで、具体的な左右差の状態を知ることができます。

カップ数やアンダーバストの計測による確認

まずはメジャーを使用して、数値的な左右差を確認します。トップバストとアンダーバストを測定する際、可能であれば左右それぞれの乳房の膨らみを意識して測ることが望ましいです。

自分での計測が難しい場合は、ブラジャーのカップへの収まり方で判断するのも有効です。市販のブラジャーは左右対称に作られているため、どちらか片方のカップだけが浮く、あるいは溢れるといった状態は、サイズ差がある明確なサインです。

また、アンダーバストのラインが地面と水平になっているかを確認することで、骨格の歪みやバストの取り付け位置の高低差を把握することもできます。

数値はあくまで目安ですが、どの程度のボリューム差があるのかを知るための基礎データとなります。

鏡を使った視覚的なバランス確認

全身鏡の前に立ち、腕を自然に下ろした状態で正面からバストを観察します。乳頭(ニップル)の位置が左右で同じ高さにあるか、鎖骨の中心からそれぞれの乳頭までの距離が等しいかをチェックします。

セルフチェックのポイント

  • 左右の乳頭の位置(高さ)にずれがないか確認する
  • ブラジャー着用時、片方のカップに隙間ができたり、溢れたりしていないか見る
  • 鎖骨の中心から乳頭までの距離を左右で比較する
  • アンダーバストのラインが水平か、肋骨の出っ張りに左右差がないか触れてみる
  • ワイヤーの当たり方やストラップのズレやすさに左右差がないか確認する
  • 普段のパッド調整で、左右にどれだけの厚みの差を入れているか把握する

片方の乳頭が下がっている場合、皮膚のたるみや下垂の進行度が左右で異なっている可能性があります。

次に、横や斜めからも確認し、バストの突出度(高さ)やバージスライン(胸の輪郭の下縁)の形に違いがないかを見ます。視覚的な情報は、ボリュームだけでなく形状の非対称性を認識する上で非常に重要です。

医師に希望を伝える際も、「右側の上部が薄い」「左側が外に流れている」といった具体的な視覚情報は、理想の仕上がりを共有するために役立ちます。

ブラジャーのフィット感で判断するポイント

日常的に着用しているブラジャーやキャミソールのフィット感は、左右差を敏感に反映しています。

ストラップが片方だけよく落ちる場合、その側の肩が下がっているか、バストのボリュームが不足してブラジャーを支えきれていない可能性があります。

また、ワイヤーの当たり方が左右で違う場合、バージスラインの幅やカーブの形状に差があることが考えられます。

パッドを入れて調整している方は、左右でどれくらいの厚みのパッドを入れるとバランスが取れるかを確認してください。そのパッドの厚みの差が、概ね埋めるべきボリュームの差に相当します。

この「どれくらい補えば揃うか」という感覚は、手術での注入量やバッグのサイズを決める際の重要なヒントになります。

豊胸手術で左右差を整えるための基本的な考え方

左右差の解消には小さい方を大きくする、大きい方を調整する、両方を再構築するという3つのアプローチがあります。

希望するサイズや現在の左右差の程度に合わせて、最もバランスの取れる方法を選択します。

小さい方の胸を大きくして合わせるアプローチ

最も一般的で、多くの患者様が希望されるアプローチです。大きい方のバストサイズを基準とし、小さい方のバストにシリコンバッグや脂肪を注入してボリュームを追加します。

この方法のメリットは、基本的に「減らす」操作を行わないため、両胸ともにボリュームアップが可能であり、バスト全体の印象を華やかにできる点です。

例えば、右がCカップ、左がAカップの場合、左に重点的に注入を行いCカップに揃えるか、あるいは両方をサイズアップさせつつ、注入量を変えて最終的に両方をDカップに揃えるといった調整を行います。

大きい方の胸を縮小またはリフトアップする選択肢

もし、大きい方のバストが身体のバランスに対して大きすぎると感じていたり、下垂が気になっていたりする場合は、大きい方の胸を縮小したり、皮膚を切り取って引き上げる手術を行います。

アプローチ別の特徴比較

アプローチ手法施術の方向性推奨されるケース
小さい方に合わせる(縮小)大きい方の胸の脂肪吸引や皮膚切除を行い、サイズダウンさせて揃えます片側のバストが重すぎて肩こりがある場合や、下垂が著しい場合
大きい方に合わせる(増大)小さい方の胸に重点的に注入・挿入を行い、大きい方のサイズまで引き上げます現在の大きい方のサイズが気に入っている、またはさらに大きくしたい場合
両側調整(再構築)左右それぞれに異なる量の施術を行い、全く新しいサイズとバランスを作ります全体的にサイズアップしたい場合や、形や位置のこだわりが強い場合

あるいは、大きい方はそのままで形だけを整え、小さい方は何もしないという選択肢もあります。

ただ、一般的には大きい方のサイズを維持、あるいは微増させつつ、小さい方をそれに追いつかせる方が満足度が高い傾向にあります。

両方の胸を同時に施術して理想の形を作る場合

左右差を整えるのと同時に、全体的なサイズアップや形の改善を目指す場合、両胸に対して同時にアプローチを行います。これは最も自由度が高く、理想の仕上がりを追求できる方法です。

左右それぞれに異なるサイズのシリコンバッグを入れたり、左右で異なる量の脂肪を注入したりすることで、0.5カップ単位や数cc単位での微調整が可能になります。

また、元々のバストの形(離れ乳や鳩胸など)による左右の見え方の違いも、デザインを工夫することで補正できます。

単純に大きさを揃えるだけでなく、「左右対称で、かつ美しい形のバスト」を再構築するためには、両側への施術を行い、それぞれの胸に最適な処置を施すことが重要です。

シリコンバッグ豊胸による左右差の解消

左右で異なるサイズや高さのシリコンバッグを選ぶことで、骨格レベルの大きな左右差も確実に補正できます。2カップ以上の差がある場合や、永続的な対称性を求める場合に特に適した方法です。

サイズの異なるバッグを挿入する微調整

シリコンバッグには、5ccや10cc刻みで多種多様なサイズが用意されています。左右差を解消する最もシンプルな方法は、左右の胸に異なるサイズのバッグを挿入することです。

例えば、右胸が左胸より50cc分小さいと判断された場合、右には250cc、左には200ccのバッグを入れることで、術後の仕上がりサイズを均一に近づけます。

医師は術前の詳細な計測に加え、手術中に「サイザー」と呼ばれるテスト用のバッグを挿入し、実際に体を起こした状態での左右差を確認します。

そのため、寝ている状態では分からない重力による下がり方や膨らみ方をシミュレーションし、最適なサイズの組み合わせを決定します。

バッグのプロファイルや形状を変える工夫

バッグの違いは容量(cc)だけではありません。「プロファイル」と呼ばれる高さ(突出度)や、底面の直径、そして形状(ラウンド型やアナトミカル型)のバリエーションがあります。

シリコンバッグでの調整要素

調整項目調整の内容得られる効果
容量(サイズ)左右で異なる容量(例:右225cc、左250cc)を選択します全体的なボリュームの不均衡を直接的に埋め合わせます
プロファイル(高さ)High、Moderateなど、高さの異なるタイプを使い分けます胸郭の形状による突出度の違いや、デコルテの盛り上がりを調整します
バッグの形状ラウンド型(円形)やアナトミカル型(滴型)を選択します下垂の程度や乳房の底面の形に合わせて、自然な輪郭を作ります

左右で胸郭のカーブが異なる場合、同じ容量のバッグを入れても、胸郭が平坦な側は低く広く見え、胸郭がカーブしている側は高く狭く見えることがあります。

このような場合、容量を変えるだけでなく、プロファイル(High、Moderateなど)を変えることで、前方への飛び出し方を調整します。

また、片方の胸だけが下垂気味の場合、その側だけ下部にボリュームのあるアナトミカル型を採用し、もう片方はラウンド型にするといった高度な使い分けも技術的には可能です。

バッグの形状特性を駆使することで、単なる大きさだけでなく、立体的なシルエットの左右差を整えます。

シリコンバッグ豊胸が向いているケース

シリコンバッグによる左右差修正は、特に2カップ以上の大きなサイズ差がある場合に適しています。大量のボリュームを一度に、かつ確実に確保できるため、脂肪注入では定着率の問題で難しい大幅なサイズアップと左右差解消を同時に叶えます。

また、痩せ型で自身の脂肪が十分に確保できない方にとっても、シリコンバッグは頼れる選択肢です。

バッグの種類や表面加工(テクスチャー)の進化により、カプセル拘縮などのリスクも低減されており、長期間にわたって安定した左右対称性を維持したいと考える方に推奨されます。

脂肪注入豊胸を用いた自然なバランス調整

自身の脂肪を1cc単位で細かく注入できるため、局所的なボリューム不足や微妙な形の左右差を自然に整えられます。触り心地や見た目の自然さを最優先したい方に推奨されるアプローチです。

注入量を細かく調整できるメリット

脂肪注入の最大の特徴は、注入量を1cc単位でコントロールできる点です。左右差の原因が「全体的な大きさの違い」ではなく、「左胸の内側だけが少し寂しい」「右胸の上部だけボリュームが足りない」といった局所的なものである場合、その不足部分にピンポイントで脂肪を補うことができます。

手術中は、左右の膨らみ具合を随時確認しながら、少しずつ層を重ねるように注入していきます。

こうすることで、元々のバストの形を活かしつつ、足りない部分だけを補って左右対称に見せるという、オーダーメイドのような仕上げが可能になります。人工物のような決まった形がないため、なだらかな曲線を作るのに適しています。

部分的なボリューム不足を補うデザイン力

左右差があるバストは、乳頭の位置や向きも異なっていることが多いです。脂肪注入では、脂肪を入れる場所を工夫することで、視覚的な乳頭位置の補正も狙えます。

例えば、外側に向いてしまっている乳頭がある場合、その内側のエリアに厚みを持たせることでバストトップを内側に寄せ、正面を向いているように見せるデザインが可能です。

脂肪注入のアプローチ詳細

特徴的な要素施術の具体的内容左右差解消へのメリット
注入位置の自由度デコルテ、内側、外側など必要な箇所に限定して注入可能局所的な凹みや歪みを修正し、なだらかな対称性を作れます
注入量の微調整左右で数cc〜数十ccの差をつけて注入しますバッグのような規格サイズに縛られず、微妙なサイズ差を埋められます
触感の均一化柔らかい自己組織でボリュームを足します左右で硬さが違うといった違和感がなく、自然な触り心地で揃えられます

また、デコルテ(鎖骨下)の削げ方が左右で違う場合も、必要な側に多めに注入することで、ふっくらとした均一な胸元を演出できます。

このように、単に大きさを揃えるだけでなく、胸全体の重心やバランスを整えるデザイン力の高さが脂肪注入の強みです。

脂肪注入豊胸が推奨されるケース

脂肪注入は、1カップから1.5カップ程度のサイズアップと左右差の修正を希望される方に適しています。

また、触り心地や揺れ感を何よりも重視し、レントゲンやマンモグラフィーなどの検査への影響を気にする方にとっても安心できる方法です。

自身の脂肪を使用するため、アレルギー反応の心配がなく、一度定着した脂肪は半永久的に自分の組織として残ります。

ただし、注入した脂肪の一部は吸収されるため、定着率を見越してやや多めに注入する、あるいは2回に分けて施術を行うといった計画が必要です。自然な仕上がりで、誰にもバレずにこっそりと左右差を直したいというニーズに応えます。

ハイブリッド豊胸で叶える左右差の改善

シリコンバッグで土台のボリュームを作り、脂肪注入で細部を滑らかに整えることで、高度な左右差も美しく改善します。骨格の歪みがある場合や、より完璧なバランスを追求する場合に効果を発揮します。

バッグと脂肪注入の利点を組み合わせる効果

ハイブリッド豊胸では、まずシリコンバッグでベースとなる大きさと高さを確保し、その周囲に脂肪を注入して仕上げを行います。

左右差の修正においては、左右で異なるサイズのバッグを入れて大まかなボリュームを揃えた後、さらに脂肪注入で微細な左右差を埋めていくという二段階の調整が行えます。

この手法を用いることで、バッグのサイズ差だけでは埋めきれない微妙なニュアンスや、骨格の浮き出し方の違いを脂肪でカバーすることが可能です。

例えば、小さい方の胸には大きめのバッグを入れ、さらに皮膚が伸びて薄くなっている部分に脂肪を厚く注入することで、バッグの縁を感じさせない自然な感触と見た目を実現します。

左右で異なる術式を適用する可能性

極端な左右差がある場合、左右で全く異なる術式を組み合わせるという応用も考えられます。

例えば、極端に小さい片側には「シリコンバッグ+脂肪注入」を行い、ある程度大きさのあるもう片側には「脂肪注入のみ」を行うといったプランです。

ハイブリッド豊胸のメリット

組み合わせ効果具体的なアプローチ解決できる課題
二段階調整バッグで土台を作り、脂肪で表面を整えます。バッグのサイズ刻みでは埋められない微細な左右差を完璧に近づけます。
エッジの隠蔽バッグの周りに脂肪のクッションを作ります。小さい方の胸に大きなバッグを入れても、不自然な段差や感触を防ぎます。
谷間の形成バッグが入りにくい内側に脂肪を注入します。左右の胸の距離を縮め、対称的で美しい谷間を作ります。

これは高度な技術と判断力を要しますが、それぞれのバストの状態に合わせて最も負担が少なく、かつ効果的な方法を選択することで、最終的な仕上がりを均一に近づけます。

身体への負担やリスクを考慮しながら、医師と相談して柔軟なプランを立てることができるのも、複合的なアプローチの魅力です。

より高度な修正が必要な場合の選択肢

漏斗胸(胸の中央が凹んでいる状態)や鳩胸、あるいは過去の豊胸手術による左右差の修正といった難易度の高いケースでは、ハイブリッド豊胸が真価を発揮します。

骨格による凹みを脂肪で埋めつつ、バッグで高さを出すことで、土台の歪みを目立たなくすることができます。

また、離れ乳の左右差を気にする場合、内側に重点的に脂肪を注入して谷間を寄せつつ、バッグで外側のボリュームを支えることで、理想的な位置にバストを再配置できます。

単一の手法では限界がある場合でも、複数の手法を組み合わせることで、諦めていた左右差の悩みを解決できる可能性が広がります。

手術を受ける前に確認すべきリスクと注意点

完全に左右対称にすることは解剖学的に難しく、術後の腫れ方や経過にも左右差が生じることを理解しておく必要があります。

長期的な美しさを保つためには、定期的な検診とメンテナンスを継続することが大切です。

完全に左右対称にはならない可能性の理解

人間の身体は骨格、筋肉、皮膚の伸び方など、すべての要素において左右差を持っています。

手術によってボリュームを数値上で揃えることは可能ですが、呼吸による胸郭の動きや、姿勢による見え方の変化までを完全にコントロールすることはできません。

医師は可能な限り左右対称に近づけるよう努力しますが、術後もミリ単位の非対称性が残ることは自然なことです。むしろ、それが自然なバストの証でもあります。

「誰が見ても全く同じ形」ではなく、「パッと見てバランスが取れており、美しく見える状態」をゴールとして設定することが、満足度の高い結果につながります。

ダウンタイム中の左右の腫れ方の違い

手術直後から完成までのダウンタイム期間中、左右の腫れ方や回復スピードが異なることは珍しくありません。

特に、左右で異なるサイズのバッグを入れたり、注入量を変えたりした場合、組織へのダメージや修復過程に差が生じます。

また、利き手側の胸は、腕を動かす影響で腫れが引きにくかったり、痛みを感じやすかったりすることもあります。

術前の確認チェックリスト

  • 骨格や筋肉の付き方による、修正できない左右差があることを理解している
  • 術後の腫れや痛みが、左右で異なるペースで回復する可能性があると知っている
  • 体重変化や加齢により、将来的に再び左右差が生じる可能性があると認識している
  • リスク(感染、血腫、拘縮、しこりなど)について十分な説明を受けている
  • ダウンタイム中に安静を保てるスケジュールを確保できている
  • 定期検診や長期的なメンテナンスの必要性を理解している

「右だけ腫れが強い」「左だけ内出血が目立つ」といった状況に不安を感じるかもしれませんが、多くの場合は時間の経過とともに落ち着き、最終的にはバランスが取れていきます。

経過には個人差と左右差があることを事前に知っておくことで、術後の不安を軽減できます。

術後の経過観察とメンテナンスの重要性

手術はゴールではなく、新しいバストとの生活のスタートです。シリコンバッグの場合、10年に一度程度の検診が推奨されており、破損や拘縮がないかをチェックする必要があります。

脂肪注入の場合も、体重の増減によって定着した脂肪の大きさが変化し、再び左右差が気になりだす可能性がゼロではありません。また、加齢による皮膚のたるみ方も左右で異なる場合があります。

美しい状態を長く保つためには、定期的な検診を受け、医師のアドバイスに従って適切なケアやメンテナンスを行うことが大切です。何か変化を感じた際に、すぐに相談できるクリニックを選ぶことも重要なポイントです。

よくある質問

左右差を治すのに片方だけ手術できますか?

はい、可能です。片方のバストの大きさや形には満足しており、もう片方だけを合わせたいという場合、片側のみの手術を行うことができます。シリコンバッグ、脂肪注入のいずれでも片側のみの施術に対応しています。

ただし、片側だけ手術を行うと、術後の加齢変化(下垂や質感の変化)が左右で異なってくる可能性があるため、長期的なバランスを考慮すると両側の調整を提案されることもあります。

医師と相談し、現在の状態と将来の変化を見越して決定することが重要です。

授乳後に左右差がひどくなりましたが治りますか?

はい、改善可能です。授乳後の左右差は、授乳頻度の偏りや乳腺の萎縮の差によって生じることが多く、非常に一般的な悩みです。

萎んでしまった側にボリュームを足す(脂肪注入やバッグ)、あるいは垂れてしまった側の皮膚を引き上げるといった処置で、若々しいバランスを取り戻すことができます。

授乳後のバストは皮膚に余裕があることが多く、脂肪注入などの定着が良い場合もあります。卒乳後、半年程度経過して乳腺の状態が安定してからの手術が推奨されます。

傷跡は左右で違って見えますか?

手術のアプローチによっては、傷跡の位置や大きさが左右で異なる場合があります。例えば、片側だけ皮膚切除を伴うリフトアップを行った場合、その側には切開線が残りますが、もう片方が注入のみであれば針穴程度の傷で済みます。

両側にシリコンバッグを入れる場合は、脇やアンダーバストのシワに沿って同じ位置に切開を行うため、傷跡の条件はほぼ同じになります。

いずれの場合も、医師は傷跡が目立たないよう最大限配慮して縫合を行いますが、体質によって治り方に個人差や左右差が出ることもあります。

成長期でも手術を受けられますか?

成長期(思春期)はバストがまだ発達途中であり、ホルモンバランスも安定していないため、原則として豊胸手術は推奨されません。

この時期の左右差は、成長のスピードが一時的に異なっているだけの場合があり、成人になるにつれて自然に揃ってくることもあります。

手術を検討するのは、身体の成長が完全に止まり、バストの大きさが安定した成人以降が良いでしょう。

未成年の場合は保護者の同意が必要となることが一般的ですが、まずは焦らずに成長を見守ることが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

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