傷跡が目立たない豊胸手術の比較|切開なしの注射とシリコンバッグ挿入の傷の残り方

豊胸手術において、仕上がりの自然さと共に多くの人が気にするのが「傷跡」です。注射による施術は針穴程度で数日で目立たなくなりますが、持続期間や変化量に限界があります。
一方、シリコンバッグ挿入は脇の下や乳房下溝などのシワに沿って切開を行います。数ヶ月かけて白い線状へと変化し、最終的には他人の目にはほとんど分からない状態になります。
どちらの方法を選んでも、医師の縫合技術と術後の適切なケアによって、傷跡のリスクを最小限に抑え、美しいバストラインを実現することは十分に可能です。
豊胸手術における傷跡の基礎知識と目立たないための工夫
豊胸手術を受けるにあたり、傷跡がどのように残り、時間の経過とともにどう変化するのかを正しく理解することは重要です。
手術直後の赤みがある状態はずっと続くわけではありません。適切な処置と時間の経過によって、成熟瘢痕と呼ばれる白く目立たない線へと変化していきます。
傷跡を最小限にするためには、皮膚の切開方向や縫合の技術、そして体質に合わせたケアが必要です。
傷跡が残るメカニズムと治癒過程
人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。手術によって真皮まで達する傷ができると、体はそれを修復しようとして炎症反応を起こします。
これが傷の治癒の第一段階です。初期段階では血管が増生するため、傷跡は赤く硬い状態になります。この赤みは通常、数ヶ月間続きますが、これは正常な治癒過程の一部です。
その後、炎症が治まるとともに血管が減少し、コラーゲン繊維が再構築されます。この時期を増殖期と呼びます。
最終的に成熟期に入ると、赤みは引き、周囲の皮膚に近い色、あるいは白い線状の傷跡へと変化します。この一連の流れは通常6ヶ月から1年程度かかります。
傷跡の治癒段階と特徴
| 時期 | 状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 術後〜1ヶ月 | 炎症期 | 赤みが強く、少し硬さを感じる。触ると痛みがある場合もある。 |
| 3ヶ月〜6ヶ月 | 増殖期 | 赤みは徐々に引くが、茶色っぽくなることもある。硬さが残る。 |
| 6ヶ月〜1年以降 | 成熟期 | 赤みや硬さが消失し、白く柔らかい線状の傷跡になる。 |
傷跡が「消える」ことは医学的にありえません。しかし、成熟した傷跡は非常に細く、シワや肌のキメに紛れるため、肉眼ではほとんど判別できないレベルにまで落ち着きます。
医師の技術が傷跡に与える影響
傷跡の美しさを左右する大きな要因の一つが執刀医の技術です。皮膚を切開する際、皮膚の割線(ランガーライン)と呼ばれる、皮膚の繊維走行に沿って切開を行います。
この工夫によって、傷にかかる張力を最小限に抑えることができます。張力が強くかかると傷幅が広がりやすくなるため、この方向を見極める知識が必要です。
また、縫合の技術も極めて重要です。皮膚の表面だけを合わせるのではなく、真皮層、皮下組織と層を分けて丁寧に縫い合わせる「真皮縫合」を行います。
この方法であれば、表面の皮膚にかかる緊張を減らすことができます。抜糸後の傷が開こうとする力を抑え、幅の広い傷跡になるのを防ぎます。
さらに、使用する糸の太さや抜糸のタイミングも、傷跡の仕上がりに大きく影響します。
術後のケアと傷跡の経過
手術が成功しても、その後のケアを怠ると傷跡が目立ってしまうことがあります。特に重要なのが、傷跡への物理的な刺激を避けることです。
衣類の擦れや、不用意な伸展刺激は傷の治りを遅らせ、肥厚性瘢痕(ミミズ腫れのような傷)の原因となります。
紫外線対策も大切です。傷跡は色素沈着を起こしやすいため、日焼けを避けることが求められます。また、保湿を行い皮膚のバリア機能を保つことも、きれいな治癒を助けます。
喫煙は血流を悪化させ、傷の治りを著しく阻害します。術前後の禁煙は傷跡をきれいに治すためには必ず守るべき事項です。
ヒアルロン酸注入・脂肪注入による豊胸の傷跡
「切らない豊胸」として人気のある注入系の施術は、メスを使った大きな切開を行わないため、傷跡の負担は非常に少ないのが特徴です。
ヒアルロン酸注入は注射針の痕のみ、脂肪注入も脂肪吸引部の小さな傷と注入部の針穴のみで済みます。
これらの傷は小さく、回復も早いです。しかし、完全に無傷というわけではないため、正しい知識を持って施術に臨むことが大切です。
注入系豊胸の傷跡比較
| 施術方法 | 胸部の傷 | その他の傷 |
|---|---|---|
| ヒアルロン酸注入 | 1〜2ミリの針穴(脇やアンダーバスト) | なし |
| 脂肪注入 | 1〜2ミリの針穴(脇やアンダーバスト) | 脂肪吸引部に3〜5ミリの切開痕(数箇所) |
注射針の痕跡と消失までの期間
ヒアルロン酸豊胸や脂肪注入の際に胸部にできる傷は、カニューレと呼ばれる先が丸い管を通すための小さな針穴です。
大きさは通常1〜2ミリ程度と極めて微小です。この傷は、一般的な採血の針穴よりも少し大きい程度と考えてください。
この針穴は術後数日で塞がります。直後は点状の赤みやかさぶたとして認識できますが、1週間から2週間もすればニキビ跡が治るように色素も薄くなり、ほとんど目立たなくなります。
脇の下や乳房の下縁など、目立ちにくい場所からアプローチします。水着や下着姿になっても、他人がこの小さな点を見て豊胸だと気づくことはまずありません。
脂肪吸引部の傷跡の場所と大きさ
脂肪注入豊胸の場合、胸への注入傷よりも、脂肪を採取する部位(ドナー部)の傷跡に注意を払う必要があります。太ももやお腹から脂肪を吸引するため、その部位に3〜5ミリ程度の切開を加えます。
これらの傷は、太ももの付け根のシワの中やお尻のしわ、おへその中など極力目立たない場所に作られます。傷のサイズは小さいですが、吸引管を往復させる際の摩擦で傷口に負担がかかることがあります。
そのため、術後はスキンプロテクターと呼ばれる保護器具を使用し、傷口へのダメージを減らす工夫が行われます。
抜糸までの1週間程度は糸がついている状態ですが、抜糸後は徐々に赤みが引き、半年程度で白い線へと変化します。
色素沈着のリスクと予防策
注入系の傷跡で稀に問題となるのが、カニューレ挿入部の色素沈着です。傷口が治る過程でメラニン色素が生成され、茶色いシミのように残ることがあります。
これは体質によるところも大きいですが、摩擦や紫外線が主な原因となります。
予防策としては、傷口をテープで保護し、衣類の擦れを防ぐことが有効です。また、傷口が完全に塞がった後はハイドロキノンなどの美白剤を使用することで、色素沈着の改善を早めることができます。
万が一色素沈着が残ってしまった場合でも、時間の経過とともに薄くなることがほとんどです。気になる場合はレーザー治療などで対応することも可能です。
シリコンバッグ豊胸の切開部位による傷跡の違い
シリコンバッグ豊胸は、確実なサイズアップが可能である反面、バッグを挿入するための切開が必要となります。
傷跡をどこに作るかは、患者様のライフスタイルや希望、そして体型によって選択します。主な切開場所は「脇の下」「乳房下溝(アンダーバスト)」「乳輪周囲」の3つがあります。
それぞれの切開部位には、傷の見え方や隠れ方に特徴があります。詳細な比較について解説します。
切開部位別の特徴比較
| 切開部位 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 脇の下 | 胸に傷がつかない。シワに紛れる。 | 腕を上げた時に見える可能性がある。 |
| 乳房下溝 | 立位では完全に隠れる。手術操作が容易。 | 仰向けになった時に傷が見える。 |
| 乳輪周囲 | 色素の境界で傷が目立たない。 | 乳輪サイズによる制限がある。 |
脇の下切開の特徴とメリット
日本やアジア圏で最も多く選ばれているのが、脇の下のシワに沿って切開する方法です。この方法の最大のメリットは、胸自体に傷がつかないことです。
胸を露出する機会があっても、脇を締めたり、腕を下ろしていれば傷は完全に見えません。
脇の下には元々深いシワが多数存在します。熟練した医師は、このシワの走行(シワのライン)に合わせて3〜4センチ程度の切開を行います。
術後時間が経過して傷が白くなると、他のシワと一体化し、どこを切ったのか判別が難しくなるほどきれいに治ります。
ただし、ノースリーブを着て吊り革を掴むような、腕を高く上げる動作をした際には注意が必要です。至近距離で見ると白い線が見える可能性があります。
乳房下溝切開(アンダーバスト)の傷の隠れ方
欧米で主流なのが、乳房の下のライン(アンダーバスト)に沿って切開する方法です。
このアプローチは、剥離する範囲が最小限で済み、出血も抑えられるため、体への負担が比較的少ないという利点があります。
傷跡は、立っている状態では胸の膨らみの影に隠れて全く見えません。下着や水着のワイヤーラインと一致するため、通常の生活で露出することはまずありません。
しかし、仰向けに寝た際など、胸の重みが脇に流れてアンダーバストのラインが平坦になった時には、傷跡が露出します。
そのため、パートナーに寝姿を見られることを気にする方には慎重な検討が必要です。一方で、再手術やバッグの入れ替えが容易である点は大きなメリットです。
乳輪周囲切開の傷跡と目立ちにくさ
乳輪の下半分の縁に沿って半円状に切開する方法です。乳輪の皮膚は色が濃く、凹凸があるため、傷跡が非常に目立ちにくいという特徴があります。
特に乳輪の色素が濃い方や、乳輪と皮膚の境界がはっきりしている方には適しています。
この方法は、乳腺組織への操作が必要となる場合があるため、将来的な授乳への影響を懸念する声もあります。しかし、適切な層での操作を行えば機能への影響は限定的です。
傷の治りは早いですが、乳輪が小さい方には適応が難しい場合があります。また、ケロイド体質の方の場合、傷が盛り上がると乳輪の形が歪んで見えるリスクも考慮する必要があります。
傷跡の経過と時間経過による変化
豊胸手術後の傷跡は、手術翌日から完成形になるわけではありません。数ヶ月から年単位の時間をかけて徐々に変化していきます。
この経過を知っておくことで、術後の不安を解消し、適切な時期に適切なケアを行うことができます。初期の赤みや硬さは一時的なものであり、最終的には目立たない状態へと落ち着いていきます。
術後直後から1ヶ月目の状態
手術直後は傷口が糸で縫合されており、テープなどで固定されています。抜糸(通常術後1週間前後)までの間は、傷口を濡らさないよう注意が必要です。
抜糸直後の傷はまだ接着強度が弱く、赤みを帯びています。術後1ヶ月頃までは、傷の治癒過程における炎症期から増殖期にあたります。
この時期、傷跡は最も赤く、触れると硬さを感じることがあります。「傷が盛り上がってきた気がする」と不安になる時期でもありますが、正常な反応です。
体がコラーゲンを作って傷を修復しようとしている証拠です。この時期に無理に傷を伸ばしたり、擦ったりしないことが、将来のきれいな傷跡のために重要です。
傷跡の経過に影響を与える要因
- 皮膚にかかる張力(引っ張る力)の強さ
- 感染症の有無(化膿すると傷跡が汚くなる)
- 個人の体質(ケロイド体質など)
- 栄養状態(タンパク質やビタミンの摂取状況)
- 紫外線への曝露量
半年後から1年後の成熟した傷跡
術後3ヶ月を過ぎると、徐々に赤みが引き始め、茶色っぽい色調を経て、肌色に近づいていきます。
そして半年から1年が経過すると、傷跡は「成熟瘢痕」と呼ばれる状態になります。これは組織の活動が落ち着き、安定した状態です。
成熟した傷跡は、白く細い線状になります。触った時の硬さも取れ、周囲の皮膚と同じような柔らかさに戻ります。
脇のシワなどの切開線であれば、目を凝らして探さないと分からないレベルになります。
ただし、体質やケアの状況によっては、完全に白くなるまでに2年程度かかるケースもあります。焦らずに経過を見守ることが大切です。
ケロイド体質と肥厚性瘢痕への対応
稀に、傷跡が赤く盛り上がり、痒みや痛みを伴う「肥厚性瘢痕」や「ケロイド」になることがあります。
これは体質的な要因や、傷にかかる張力が強かった場合に起こります。もし傷跡の赤みが長引いたり、盛り上がってきたと感じた場合は、早めに医師に相談することが重要です。
ステロイドのテープ剤(ドレニゾンテープなど)を貼ったり、ステロイド注射を傷跡に打つことで、盛り上がりや赤みを沈静化させることができます。
また、内服薬(トラニラストなど)を併用することもあります。早期に対応することで、悪化を防ぎ、目立たない状態へ戻すことが可能です。
傷跡を目立たなくするための術後ケアと生活習慣
美しい傷跡を手に入れるためには、手術そのものと同じくらい、患者様自身のホームケアが重要です。
医師は丁寧に縫合しますが、その後の数ヶ月間、傷をどのように扱うかで最終的な仕上がりは変わります。日々のちょっとした習慣の積み重ねが、一生もののバストの美しさを守ります。
テープ固定と圧迫の重要性
抜糸後、最も効果的なケアの一つが「テーピング」です。サージカルテープ(マイクロポアテープなど)を傷跡に対して垂直に貼ることで、傷が開こうとする力に対抗します。
傷跡は引っ張られると幅が広くなり、目立ちやすくなる性質があるため、テープで物理的に寄せておくことが大切です。
このテープ固定は、最低でも3ヶ月、可能であれば半年間続けることが推奨されます。
推奨されるホームケアアイテム
- 通気性の良いサージカルテープ(茶色のものが目立ちにくい)
- シリコンジェルシート(傷の盛り上がり予防)
- SPF値の高い日焼け止めクリーム
- ヘパリン類似物質配合の保湿剤
- ビタミンCや亜鉛を含むサプリメント(皮膚再生を補助)
テープは毎日交換する必要はなく、自然に剥がれてきたら交換する程度で構いません。頻繁な交換は皮膚への刺激となり、かぶれの原因となるため注意が必要です。
テープの上から圧迫を加えることも、傷の盛り上がりを防ぐのに役立ちます。
紫外線対策と保湿ケア
傷跡にとって紫外線は大敵です。治りかけの傷はメラニン色素を作り出しやすく、紫外線を浴びると容易に色素沈着(シミ)を起こし、茶色く残ってしまいます。
脇の傷であればノースリーブ着用時、アンダーバストの傷であれば日焼けサロンや海での露出時に注意が必要です。日焼け止めを入念に塗るか、テープで遮光することが求められます。
また、乾燥は皮膚の代謝を乱し、治癒を遅らせます。傷跡専用のクリームや、高保湿のローションなどで保湿を行うことが効果的です。
保湿によって皮膚の柔軟性を保ち、引きつれ感を軽減できます。ケアを行う際は、傷を強く擦らないよう、優しく塗布することを心がけてください。
喫煙や飲酒が傷の治りに与える影響
生活習慣の中で特に注意すべきなのが喫煙です。ニコチンは血管を収縮させ、血流を低下させます。
傷を治すための酸素や栄養素は血液によって運ばれるため、血流が悪くなると傷の治りが遅れます。傷口が開いたり、感染を起こしたりするリスクが高まります。
きれいな傷跡を目指すならば、術前後は禁煙を徹底することが強く推奨されます。
過度な飲酒も、術後の腫れ(浮腫み)を長引かせ、傷への負担を増やす要因となります。
適度な飲酒はリラックス効果がありますが、術後早期は控えめにすべきです。体が回復に専念できる環境を整えることが、結果として美しいバストへの近道となります。
再手術やバッグ抜去時の傷跡について
将来的にサイズを変更したい、バッグを入れ替えたい、あるいは加齢に伴いバッグを抜去したいと考えた時、新たな傷跡ができるのかは気になるところです。
基本的には、最初の手術で作った傷跡(切開線)を再度利用します。そのため、新しい傷を増やさずに再手術を行うことが可能です。
既存の切開線の利用可能性
シリコンバッグの入れ替えや抜去を行う際、多くのケースで初回手術時の傷跡を切開します。これを「同一切開アプローチ」と呼びます。
既に白い線となっている傷跡の上を再び切開し、最後にきれいに縫い直すため、手術後に傷が二本に増えることはありません。
むしろ、古い傷跡部分を切除して(瘢痕切除)、新しく丁寧に縫い合わせることで、以前よりも傷跡がきれいになるケースさえあります。
ただし、初回の手術が脇の下切開で、今回はアンダーバストからアプローチしたいといった場合など、切開場所を変更する場合は新たな傷跡ができます。
再手術時のアプローチと傷跡
| 手術内容 | アプローチ | 傷跡への影響 |
|---|---|---|
| バッグ入れ替え | 既存の切開線を利用 | 傷は増えない。縫い直しできれいになることも。 |
| バッグ抜去 | 既存の切開線を利用 | 傷は増えない。抜去後は胸のしぼみにより傷の位置が若干変わる。 |
| 被膜拘縮除去 | 既存の切開線を利用(必要時延長) | 状況により数ミリ〜1センチ程度延長する可能性がある。 |
カプセル拘縮除去時の切開範囲
稀な合併症であるカプセル拘縮(バッグの周りの被膜が硬くなる現象)が起きた場合、バッグの抜去だけでなく、被膜(カプセル)の切除が必要になることがあります。
カプセルを完全に取り除くには、視野を確保するために、通常の豊胸手術よりも少しだけ切開を長くする必要があります。
それでも、可能な限り傷を延長せずに済むよう、内視鏡を用いたり、特殊な器具を使用したりして工夫します。
もし傷が長くなったとしても、シワに沿って延長することで、時間の経過とともに目立たなくすることは十分に可能です。
傷跡修正(修正手術)の選択肢
万が一、以前の手術の傷跡が幅広くなってしまったり、目立つ状態で残ってしまった場合には、傷跡修正という手術で改善を図ることができます。
これは、目立つ傷跡部分の皮膚を切除し、真皮縫合などの高度な技術を用いて再度細く縫い合わせる方法です。
また、切開を伴わない方法として、ステロイド注射やレーザー照射、アートメイクで傷跡の色を周囲の皮膚に馴染ませる方法もあります。
傷跡の状態は一人ひとり異なります。形成外科的な知識を持った専門医に相談し、最も適切な修正方法を選択することが大切です。
豊胸手術のバレやすさと傷跡の関係
豊胸手術を受けたことを周囲に知られたくないと考える方は少なくありません。手術がバレる原因の多くは「不自然な形」「硬い感触」、そして「傷跡」です。
特に親密な関係においては、傷跡の存在が決定的証拠となり得るため、隠し場所や言い訳(説明)を用意しておくことも一つの知恵です。
パートナーに気づかれる可能性
パートナーとの関係において、最も傷跡が見つかりやすいのは、明るい場所で裸になった時や、至近距離で見られた時です。
脇の下の傷は腕を上げなければ見えませんが、ベッドで腕を枕にするような体勢では露出します。アンダーバストの傷は、仰向けになった時に丸見えになるため、注意が必要です。
ただし、成熟した白い線の傷跡であれば、「昔、粉瘤(アテローム)の手術をした」「怪我をした」といった説明で納得してもらえることもあります。
美容整形の傷跡だと断定できるのは、専門的な知識がある人か、同様の手術を受けたことがある人に限られます。
温泉やプールでの傷跡の隠し方
公共の場である温泉やプールでは、他人との距離がある程度保たれているため、傷跡だけでバレることは稀です。
脇の下の傷は腕を下ろして洗髪したり、タオルでさりげなく隠すことで対応できます。アンダーバストの傷は、湯船に浸かる際などに見えるリスクがあります。
シチュエーション別バレやすさチェック
| 場面 | 脇切開のリスク | アンダーバスト切開のリスク |
|---|---|---|
| 温泉・銭湯 | 髪を洗う時(腕を上げる)に注意 | 湯船から上がる時などに注意 |
| 性行為 | 体位により見えるが、比較的隠しやすい | 仰向けになるとはっきり見える |
| 水着着用 | ほぼバレない | 極小ビキニでなければ完全に隠れる |
手で隠したり、タオルを活用したりすることでカバーできます。また、最近では肌色の極薄フィルムテープ(ファンデーションテープ)なども市販されています。
これらを貼ることで傷跡を完全にカモフラージュすることも可能です。ウォータープルーフのものであれば、長時間の入浴や水泳でも剥がれる心配がありません。
触り心地と見た目の自然さのバランス
傷跡がどれだけ目立たなくても、触り心地や動きが不自然であれば、豊胸を疑われる原因になります。
最近のシリコンバッグは非常に柔らかく、立ち上がった時や寝た時の形の変化も自然になるよう設計されています(エルゴノミクスなど)。
脂肪注入であれば、自分自身の組織であるため、触り心地も見た目もほぼ本物と区別がつきません。
傷跡のケアと同時に、自分の体型や皮膚の厚みに合った適切なサイズや術式を選ぶことが、トータルで「バレない豊胸」を実現するためには重要です。
無理なサイズアップは皮膚が薄くなりバッグの縁(リップリング)が見えやすくなるなど、傷跡以外の部分で不自然さを生むリスクがあります。
よくある質問
- 傷跡は完全に消えますか?
-
いいえ、傷跡が完全に消えて無くなることはありません。魔法のように元通りの皮膚になるわけではありませんが、適切な手術とケアによって、白く細い線状の「成熟瘢痕」となります。
シワや皮膚のキメと同化して、肉眼ではほとんど判別できない状態にまで目立たなくすることは可能です。
- 脇の傷はノースリーブを着た時に見えますか?
-
通常、腕を下ろしている時や軽く動かしている程度では、脇のシワに隠れて見えません。ただし、吊り革を掴むなど腕を高く上げた状態で至近距離から脇を凝視されると、白い線として認識される可能性はあります。
術後1年以上経過していれば、ファンデーションなどで簡単にカバーできるレベルであることが大半です。
- 脂肪吸引の傷跡は何箇所できますか?
-
吸引する脂肪の量や範囲によりますが、太ももやお腹から採取する場合、左右の足の付け根やお尻のシワの中など合計で2〜4箇所程度に小さな切開(3〜5mm)を加えます。
これらは下着や水着に隠れる位置に作られるため、日常生活で目立つことはほとんどありません。
- テープかぶれが起きたらどうすればいいですか?
-
無理にテープを貼り続けると色素沈着の原因になるため、一度使用を中止してください。皮膚科や執刀医に相談し、かぶれ止めの軟膏を処方してもらいましょう。
かぶれが治まるまではテープをお休みし、治ってから肌に優しいタイプのテープに変えて再開するか、シリコンジェルシートなどの別の保護方法に切り替えることをお勧めします。
Reference
SUGA, Hirotaka; SHIRAISHI, Tomohiro; TAKUSHIMA, Akihiko. Scar assessment after breast reconstruction: risk factors for hypertrophy and hyperpigmentation in Asian patients. Annals of plastic surgery, 2020, 85.3: 229-232.
RANDQUIST, Charles, et al. Breast augmentation surgery using an inframammary fold incision in Southeast Asian women: patient-reported outcomes. Archives of Plastic Surgery, 2018, 45.04: 367-374.
UEDA, Satsuki, et al. Cosmetic outcome and patient satisfaction after skin-sparing mastectomy for breast cancer with immediate reconstruction of the breast. Surgery, 2008, 143.3: 414-425.
MURAKAMI, Risa, et al. Scar Healing after Breast Reconstruction: A 5-year Follow-up in Asian Patients. Journal of Plastic and Reconstructive Surgery, 2025, 4.1: 20-25.
ZELKEN, Jonathan; CHENG, Ming-Huei. Asian breast augmentation: a systematic review. Plastic and Reconstructive Surgery–Global Open, 2015, 3.11: e555.
TOH, Uhi, et al. Clinical outcomes of patients after nipple-sparing mastectomy and reconstruction based on the expander/implant technique. Surgery Today, 2021, 51.6: 862-871.
SUZUKI, Misa, et al. Effectiveness of SCAR‐Q for assessment of incisional SCAR after implant‐based reconstruction in breast cancer patients: Can it be a tool for incision selection?. International Wound Journal, 2024, 21.3: e14822.
GARG, Stuti P., et al. Patient-reported outcomes of scar impact: comparing of abdominoplasty, breast surgery, and facial surgery patients. Plastic and Reconstructive Surgery–Global Open, 2022, 10.10: e4574.
SAKAI, Shigeki, et al. Complications and surgical treatment of breast augmentation using autologous fat transfer and fillers. Plastic and Reconstructive Surgery–Global Open, 2021, 9.8: e3734.
SUN, Jingjing, et al. Scar assessment after breast augmentation surgery with axillary incision versus inframammary fold incision: long-term follow-up in Chinese patients. Aesthetic plastic surgery, 2016, 40.5: 699-706.
