バストの「触り心地」と柔らかさを最優先にするなら?シリコンと脂肪注入の感触・揺れ感比較

バストの「触り心地」と柔らかさを最優先にするなら?シリコンと脂肪注入の感触・揺れ感比較

豊胸術を検討する際、見た目のサイズアップ以上に「パートナーに気づかれない自然さ」や「自分自身の触り心地への満足度」を重視する女性が増えています。

結論から申し上げますと、本物の脂肪組織特有の「温かみ」や「不規則な柔らかさ」を完全に再現できるのは脂肪注入です。

しかし、近年のシリコンバッグも技術革新により、驚くほど人間の皮膚や乳腺の感触に近づいています。

後悔のない選択をするために知っておくべき、素材ごとの「触感」「揺れ方」「寝た時の形状変化」について徹底的に比較解説します。

目次

「自然な触り心地」を構成する要素とは何か

「自然なバスト」と一言で表現しても、その感覚は複数の物理的要素によって構成されています。単に柔らかければ良いというわけではなく、皮膚の表面的な質感、奥にある弾力、そして体温を感じさせる温かみが揃って初めて本物に近いと感じられます。

シリコンバッグと脂肪注入、それぞれの特性を理解する前に、まずは私たちが普段何気なく感じている「胸の触り心地」がどのような要素で成り立っているのかを分解して理解することが大切です。

ご自身がどの要素を最も優先したいのかを明確にしていきましょう。

表面の皮膚感と深部の弾力の違い

バストの触り心地は、大きく分けて「皮膚の薄い表面の感触」と「指を沈めた時に感じる深部の反発力」の二層構造で認識されます。

天然のバストは、皮膚の下に皮下脂肪があり、その奥に乳腺組織が存在します。

脂肪注入による豊胸は、この皮下脂肪の層を厚くするため、表面から深部にかけてグラデーションのように自然な柔らかさが続きます。

一方でシリコンバッグは乳腺の下や大胸筋の下という深い層に異物を挿入します。そのため、表面の皮膚が薄い方の場合、表面の柔らかさと深部の弾力の間にわずかな「境目」を感じる可能性があります。この層の連続性が、触れた瞬間の違和感の有無を左右します。

体温伝導率が生み出す「人肌」の感覚

触れた瞬間に「本物だ」と脳が認識する大きな要因の一つに「温度」があります。

脂肪注入の場合、移植された脂肪は自身の血管と繋がり、体温と同じ温度を保ちます。そのため、触れた瞬間に温かみを感じ、パートナーに違和感を与えることはほぼありません。

対してシリコンバッグは体内にあるため基本的には体温に馴染んでいますが、血流が直接通っているわけではありません。

冬場など外気温が低い環境下や、肌が冷えている時には、表面温度の変化に対して内部の温度変化がわずかに遅れることがあります。

この微細な温度感覚の違いが、鋭敏な感覚を持つ人には気づかれる要因となり得ます。

圧力に対する反発の不均一性

本物のバストは、場所によって柔らかさが異なります。乳腺の多い部分はやや硬く、脂肪の多い部分は柔らかいという「不均一さ」が自然さの証です。脂肪注入はこの不均一さを自然に再現します。

シリコンバッグは全体が均一な材質で作られているため、どこを触っても同じ弾力が返ってくるという特徴があります。

近年の技術ではジェルに粘弾性を持たせていますが、それでも「均一すぎる触り心地」は人工的な印象を与える一因となります。

触感を構成する物理的要素の比較

比較要素脂肪注入の特徴シリコンバッグの特徴
表面の質感自身の脂肪が増えるため、皮膚と一体化した滑らかさがある皮膚が薄いとバッグの存在や縁(エッジ)を感じることがある
深部の弾力場所により不均一で、強く押すと筋肉の硬さを感じる全体的に均一な弾力があり、強い反発力を維持する
温度感血流があるため常に体温と同じ温かさを保つ体温に近いが、血流がないため環境により温度差が生じうる

脂肪注入が実現する「究極の柔らかさ」の正体

触り心地において脂肪注入が「最も自然」と評価される最大の理由は、注入される物質がご自身の体組織そのものだからです。

異物反応による被膜の形成が起こりにくく、組織として完全に同化するため、触れた時の抵抗感が限りなくゼロに近い状態になります。

特に、元々のバストが小さく皮膚に余裕がない方の場合、シリコンバッグでは皮膚が突っ張って硬くなりやすい傾向があります。

しかし脂肪注入であれば、皮膚組織自体を内側から育てて伸ばしていくような馴染み方をするため、緊張感のないふんわりとした質感が得られます。

定着後の組織同化による境界線の消失

脂肪注入の大きなメリットは注入された脂肪細胞が周囲の組織と結合し、血管が新生されることで「完全に体の一部」になる点です。この結合によって、豊胸した部分と元々のバストの境界線が物理的に消失します。

指で探っても「ここからが豊胸部分」という境目を見つけることは不可能です。この境界線のなさが、パートナーに触れられた時の安心感に直結します。

シリコンバッグのように袋状の境界が存在しないため、どのような角度から触れられても、組織の連続性が保たれた自然な感触を返します。

注入量と定着率が左右する最終的な質感

脂肪注入の柔らかさは注入した脂肪がどれだけ健全に生き残る(定着する)かに依存します。

一度に大量の脂肪を詰め込みすぎると、内圧が高まり血流が行き届かず、脂肪が壊死して「しこり」や石灰化を引き起こす原因となります。これらは硬い感触として残ってしまいます。

したがって、柔らかさを最優先にするならば欲張って一度に大量注入するのではなく、複数回に分けて少しずつサイズアップを図る方が、最終的な仕上がりの質感は圧倒的に高品質で柔らかくなります。

脂肪注入の時期による触感の変化

時期触り心地の状態内部の状態
術後直後〜1ヶ月腫れや内出血により、パンパンに張って硬く感じる炎症反応が起きており、組織が修復中であるため水分を含んでいる
3ヶ月〜6ヶ月腫れが引き、急激に柔らかくなり始める定着しなかった脂肪が吸収され、残った脂肪に血管が繋がり安定する
半年以降本来の胸と区別がつかない自然な柔らかさになる完全に組織として同化し、体重増減に合わせて変化するようになる

皮下脂肪本来の流動性と重力への反応

本来の皮下脂肪は液状に近い流動性を持つ個体です。脂肪注入で定着した脂肪も同様の特性を持ちます。

そのため、重力に対して素直に反応し、仰向けになれば横に流れ、前かがみになれば垂れ下がるという挙動を見せます。この「だらしなさ」とも言える自然な挙動こそが、作り物ではない本物の証明となります。

固定された形状を保とうとする力が働かないため、抱きしめられた時も相手の体に完全にフィットし、圧迫感を覚えさせることがありません。

シリコンバッグの進化と現代の「コヒーシブシリコン」

かつてのシリコンバッグは「硬い」「不自然」というイメージがありましたが、現在の医療用シリコンは飛躍的な進化を遂げています。

特に主流となっている「コヒーシブシリコン」は、ゼリーのような粘度を持ちながらも形状を記憶する性質があります。以前のものとは比較にならないほど柔らかな触り心地を実現しています。

脂肪注入には出せない「理想的な弾力」と「メリハリのある形」を求める場合、現代のシリコンバッグは非常に有力な選択肢となります。

ジェルの充填率と粘度が決める感触

バッグの中身であるシリコンジェルの「充填率(フィリング率)」と「粘度」は、触り心地を決定づける重要な要素です。

充填率が100%に近いとバッグに張りが生まれ、リフティング効果や美しい形状維持が可能になりますが、触り心地はやや弾力が強くなります。逆に充填率を下げると柔らかさは増しますが、表面にシワ(リップリング)ができやすくなるリスクがあります。

最近では、重力に従ってジェルが移動するエルゴノミクス(人間工学)に基づいたバッグも開発されており、立っている時は水滴型、寝ている時はラウンド型に変化するなど脂肪の挙動を模倣する製品も登場しています。

テクスチャー加工と被膜拘縮リスクの低減

シリコンバッグの表面加工(テクスチャー)も触り心地に影響を与えます。表面がツルツルした「スムースタイプ」は触り心地が非常に柔らかい反面、体内で位置がずれやすく、被膜拘縮を起こして硬くなるリスクがやや高い傾向にありました。

対して表面がザラザラした「テクスチャードタイプ」は組織と癒着しやすく拘縮リスクを下げますが、皮下脂肪が薄いと表面の凹凸が触感として伝わることがあります。

現在は、ナノレベルの微細な加工を施すことで、スムースの柔らかさとテクスチャードの安全性を両立させたタイプが主流となり、長期間柔らかさを維持しやすくなっています。

シリコンバッグのタイプ別触感特徴

  • スムースタイプ
    表面が滑らかで、バッグ自体の感触は非常に柔らかい。体内で動きやすいが、マッサージが必要な場合がある。
  • テクスチャードタイプ
    表面に凹凸があり、組織と固定されやすい。ややしっかりとした感触になりやすいが、位置ズレが少ない。
  • ナノテクスチャー(シルク表面)
    極めて細かい表面加工で、スムースに近い柔らかさと、カプセル拘縮のリスク低減を両立している。現代の主流。

サイズと皮膚の伸びによるテンションの関係

シリコンバッグ自体の柔らかさだけでなく、それを覆う皮膚の「ゆとり」も触り心地を左右します。

無理に大きなサイズのバッグを入れると、皮膚が極限まで引き伸ばされ、風船がパンパンに膨らんだような硬さ(テンション)が生じます。どれだけ柔らかいバッグを選んでも、皮膚に余裕がなければ触り心地は硬くなってしまいます。

ご自身の元のバストサイズや皮膚の伸展性に合わせて、無理のないサイズを選択することが、結果としてシリコンであっても自然な触り心地を手に入れるための重要なポイントです。

揺れ感と寝た時の形状変化の比較

「触り心地」と同じくらい重要なのが、動作に伴う「揺れ」や、寝転んだ時の「流れ方」です。静止画のように美しい形をしていても、動いた時に石のように固まっていれば、不自然さが際立ちます。

特にパートナーと過ごす時間において、仰向けになった時のバストの形状変化は、自然さを判断する大きな材料となります。日常の動作や姿勢の変化に対するそれぞれの追従性を比較します。

ランニングやスポーツ時の揺れ方

脂肪注入の場合、全体が均一な脂肪組織であるため、走ったりジャンプしたりした際には、波打つように全体が揺れます。これは天然のバストと全く同じ挙動です。

一方、シリコンバッグの場合、ジェル自体にも慣性が働きますが、バッグという「個体」として動く傾向があります。

特に皮膚の下でバッグがしっかりと固定されている場合、激しい運動をしても揺れがワンテンポ遅れたり、揺れ幅が天然のバストよりも小さく制御されたりすることがあります。

これを「揺れなさすぎて不自然」と感じるか、「垂れずに若々しい」と感じるかは好みが分かれるところです。

仰向け時の「崩れ感」の再現性

最も大きな違いが出るのが「仰向け」の姿勢です。天然のバストや脂肪注入の場合、重力によって脂肪が脇の方へ流れ、高さがなくなって平坦に近い形になります。この「崩れる」という現象こそが自然さの証です。

しかし、シリコンバッグ、特に形状維持力の高いタイプの場合、仰向けになってもお椀のような丸い高さを維持し続けることがあります。

これを防ぐために最近のバッグはジェルが流動して形を変える機能を持っていますが、それでも脂肪注入の完全な「崩れ感」と比較すると、ある程度の存在感や高さを保つ傾向にあります。

シチュエーション別・揺れと動きの比較

動作・姿勢脂肪注入の挙動シリコンバッグの挙動
歩行・走行時の揺れ細かく波打つように揺れ、皮膚の動きと完全に連動するバッグ全体が塊として揺れ、固定力が強いと揺れが少ない
仰向け(寝た姿勢)脇の方へ流れ、高さがなくなり平坦になるある程度の高さを維持し、ジェルが流動するタイプでも山なりに残る。
うつ伏せ(圧迫時)潰れて平らになり、痛みや違和感がないバッグの存在を感じることがあり、サイズが大きいと背中に圧迫感がある

抱きしめられた時の圧迫感の違い

ハグをされたり、うつ伏せになったりしてバストが圧迫された時、脂肪注入はその圧力を分散させるように形を変え、相手の体に馴染みます。

反発力は優しく、相手に骨の硬さや異物の硬さを伝えることはありません。シリコンバッグの場合、強い圧力がかかると、バッグ内部のジェルが逃げ場を失い、反発力が強まることがあります。

また、バッグの縁(エッジ)が肋骨に押し付けられることで、特定のアングルで硬さを感じさせる可能性があります。

経年変化が触り心地に与える影響

手術直後の触り心地だけでなく、5年後、10年後にどう変化していくかも考慮する必要があります。人間の体は加齢とともに変化しますが、人工物は経年劣化はあっても生理的な変化はしません。

このギャップが将来的な触り心地の違いを生みます。長期的な視点で「柔らかさ」を維持できるのはどちらなのか、それぞれのエイジングの特性を知っておくことは重要です。

加齢による下垂とシリコンの形状維持

年齢を重ねると皮膚はたるみ、自身の乳腺や脂肪は下垂します。脂肪注入で豊胸したバストは自身の組織であるため、加齢とともに自然に下垂し、柔らかさも年齢相応に変化していきます。これは非常に自然な老化現象です。

一方、シリコンバッグは形を変えずに位置を保とうとするため、加齢で皮膚が薄くなったり伸びたりするとバッグの輪郭が浮き出てきたり、バッグだけが高い位置に残り自身の組織だけが垂れ下がる現象が起きることがあります。

こうなると、触れた時にバッグの存在が顕著に感じられるようになります。

体重変動による質感のシンクロ率

脂肪注入したバストは体重が増えれば大きくなり、痩せれば小さくなります。体全体の脂肪の増減とシンクロするため、常に体型に合った自然な質感を維持できます。

しかし、シリコンバッグは体重が変化しても大きさや硬さが変わりません。激痩せした場合、皮下脂肪が減ってバッグを覆う組織が薄くなるため、シリコンの感触がダイレクトに伝わりやすくなります。

その結果、硬く感じたり、不自然な見た目になったりするリスクがあります。体重変動が激しい方は、この点を考慮する必要があります。

カプセル拘縮と石灰化のリスク管理

両者にはそれぞれ、将来的に硬くなってしまう特有のリスクが存在します。

シリコンバッグは体が異物を防御しようとして作る膜が厚く縮んでしまう「カプセル拘縮」が起きると、テニスボールのように硬くなることがあります。

脂肪注入は定着しなかった脂肪が壊死して「しこり」や「石灰化」を起こすと、コリコリとした硬い異物が胸の中に残ることがあります。

どちらも技術の進歩で発生率は下がっていますが、ゼロではありません。

長期経過における硬化リスクの比較

リスク要因脂肪注入のリスクシリコンバッグのリスク
硬化の原因脂肪壊死によるしこり(オイルシスト)や石灰化カプセル拘縮(被膜が厚くなりバッグを締め付ける)
発生のきっかけ一度に大量に注入しすぎることによる血流不足体質、細菌感染、バッグの破損、長期留置
体重減少の影響胸も小さくなるが、柔らかさのバランスは保たれるカバーする脂肪が減り、バッグの感触が露骨になる

元のバスト条件が触り心地を決定する

「シリコンか脂肪か」という素材選びと同じくらい重要なのが、患者様ご自身の「元のバストの状態」です。具体的には、皮下脂肪の厚み、皮膚の伸展性、乳腺の量です。

これらが十分に備わっている場合、シリコンバッグを入れても自身の組織が厚いカバーとなるため、非常に自然な感触が得られます。

逆に、極端に痩せ型で皮膚が薄い場合、どんなに高性能なシリコンを入れても、どうしても人工的な感触が出やすくなります。

痩せ型(スキニー)体型の場合の選択肢

痩せ型の方の場合、シリコンバッグの縁が浮き出やすく、触り心地も硬くなりやすいため、慎重な判断が必要です。

この場合、脂肪注入の方が組織を増やすアプローチであるため、自然な柔らかさを得るには有利です。ただし、痩せ型の方はそもそも採取できる脂肪が少ないというジレンマがあります。

そのため、まずは少量の脂肪注入で皮膚と皮下組織を厚くし、その後にシリコンバッグを入れる「ハイブリッド豊胸」という手段も、触り心地を追求するための有効な選択肢となります。

元の身体条件による触り心地への影響(痩せ型の場合)

  • 脂肪の採取量
    痩せていると十分な脂肪が取れず、大幅なサイズアップと柔らかさの両立が難しい場合がある。
  • 皮膚の厚み(カバリング)
    皮膚が薄いとシリコンの輪郭(リップリング)が出やすく、触れた時に不自然さを感じやすい。
  • 解決策(ハイブリッド)
    シリコンの周りに脂肪を注入してカモフラージュすることで、ボリュームと柔らかさを両立させる。

大胸筋下法と乳腺下法による触感の違い

シリコンバッグを選択する場合、バッグを入れる位置によっても触り心地は変わります。乳腺の下に入れる「乳腺下法」は、ダイレクトにバストの動きが出るため柔らかさを感じやすいですが、痩せ型だとバッグの形が出やすくなります。

筋肉の下に入れる「大胸筋下法」は、筋肉がクッションとなりバッグの感触を隠してくれますが、筋肉に押さえつけられるため、触り心地や動きには多少の制限が出ます。

自身の組織の厚みに応じて、適切な層を選択することが、理想の触感への近道です。

触り心地を損なうトラブルと対策

理想の柔らかさを手に入れるためには、失敗パターンを知り、それを回避するための対策を講じることが重要です。豊胸手術において「硬くなる」というのは代表的な失敗例です。

なぜ硬くなってしまうのか、そのメカニズムを知っておくことで、医師とのカウンセリング時に適切な質問ができ、リスクを最小限に抑えることができます。

脂肪注入におけるしこり形成の回避

脂肪注入で最も恐れるべきは、欲張って大量に入れることです。「せっかくだから大きくしたい」という気持ちは理解できますが、空間に対して無理な量を注入すると、内圧が高まり脂肪が死滅します。

死滅した脂肪は吸収されずに油の袋となったり、カルシウムが沈着して石のように硬くなったりします。

これを防ぐためには、適切な注入量を守ること、そして「コンデンスリッチ」などの不純物を除去して定着率を高める技術を選択することが大切です。

シリコンバッグのリップリング現象

シリコンバッグの場合、バッグの表面が波打ち、それが皮膚の上から見えたり触れたりできてしまう「リップリング」という現象があります。

これは特に、ジェルが柔らかすぎるバッグや、充填率が低いバッグを選んだ時に起こりやすくなります。

前かがみになった姿勢などで目立つことがあります。また、カプセル拘縮の初期段階でも硬さを感じることがあります。

予防策としては、マッサージ不要のテクスチャードタイプを選ぶ、あるいは定期的な検診で早期発見に努めることなどが挙げられます。

硬さや不自然さを招くトラブル一覧

  • オイルシスト(脂肪注入)
    壊死した脂肪が液状化して袋状になり、しこりとして触れるようになる。
  • 石灰化(脂肪注入)
    壊死した脂肪組織にカルシウムが沈着し、小石のような硬さになる。マンモグラフィで発見されやすい。
  • リップリング(シリコン)
    バッグの表面が波打ち、皮膚表面に凸凹が現れ、触ると波状の感触がある。
  • カプセル拘縮(シリコン)
    被膜が収縮してバッグを締め付け、バスト全体が硬く、形がいびつになる。

ライフスタイルと優先順位による最終選択

最終的にどちらを選ぶべきかは、あなたが「何を妥協できて、何を妥協できないか」によって決まります。絶対的な正解はありません。

1カップから2カップ程度のサイズアップで良く、とにかくパートナーにバレたくない、寝た時の自然さを最優先したいのであれば脂肪注入が適しています。

一方で、3カップ以上の確実なサイズアップと、美しいデコルテのライン、そしてハリのある若々しい触り心地を求めるのであれば、最新のシリコンバッグが満足度を高めてくれるでしょう。

メンテナンスの手間とダウンタイムの許容度

触り心地だけでなく、術後の生活も考慮しましょう。脂肪注入は、脂肪吸引を行うため、胸だけでなく吸引部位(太ももやお腹)のダウンタイムが発生します。筋肉痛のような痛みや内出血を伴います。

シリコンバッグは胸だけのダウンタイムで済みますが、将来的な入れ替えや、定期的な破損チェックが必要です。

これらの「生活への影響」も加味して、ご自身のライフスタイルに合った方法を選択してください。

優先順位別・推奨される選択肢

優先する項目脂肪注入が向いている人シリコンバッグが向いている人
最優先事項「絶対にバレたくない」「寝た時の自然さが命」「確実にサイズアップしたい」「理想の形を作りたい」
触り心地の好み人肌の温もり、フワフワとした不均一な柔らかさ均一で弾力のあるモチモチ感、ハリのある感触
体型の条件ある程度皮下脂肪があり、吸引できる部位がある痩せ型で脂肪が少ない、または一度に大きくしたい

よくある質問

豊胸したことはパートナーに触ってバレますか?

脂肪注入の場合、定着後はご自身の組織となるため、触ってもバレる可能性は極めて低いです。レントゲン等にも映りません。

一方、シリコンバッグの場合は、特に痩せ型の方や皮膚が薄い方だと、仰向けになった時や特定のアングルで触れた際に、バッグの縁や独特の弾力から気づかれる可能性があります。

ただし、近年のモティバなどの高品質なバッグを使用し、十分な組織の下に挿入すれば、専門家でない限り判別が難しいレベルの自然さを実現できることも多いです。

脂肪注入後に太ったり痩せたりすると触り心地は変わりますか?

はい、変わります。注入して定着した脂肪は、お腹や太ももの脂肪と同じように、体重の増減の影響を受けます。

太ればバストもボリュームが増して柔らかくなり、痩せればバストも小さくなり、場合によっては張りがなくなって柔らかすぎる感触になることもあります。

これは天然のバストと全く同じ自然な変化ですので、違和感にはつながりませんが、サイズを維持したい場合は急激なダイエットは避けることが大切です。

シリコンバッグは必ずマッサージが必要ですか?

以前のスムースタイプのバッグでは、カプセル拘縮を防ぐためにマッサージが必要でしたが、現在主流となっているナノテクスチャーやマイクロテクスチャーのバッグは、基本的に術後のマッサージは不要とされています。

むしろ、むやみにマッサージをすることで組織との癒着を妨げたり、炎症を起こしたりするリスクがあるため、医師の指示がない限りはマッサージをしないことが一般的です。

触り心地を重視したハイブリッド豊胸とはどのようなものですか?

ハイブリッド豊胸は、シリコンバッグでボリュームと形を作り、その上からご自身の脂肪を注入してバッグを覆う方法です。

これにより、シリコンのメリットである「確実なサイズアップと美しい形」と、脂肪注入のメリットである「表面の自然な柔らかさと温かみ」の両方を得ることができます。

特に皮膚が薄く、シリコン単体では不自然になりやすい痩せ型の方にとって、触り心地を向上させる非常に有効な手段です。

脂肪注入でしこりができた場合、触り心地はどうなりますか?

小さなオイルシストであれば、外から触っても気づかないことが多いですが、ある程度の大きさになると、乳腺の中にビー玉や梅干しの種が入っているような、コリコリとした硬い感触として触れるようになります。

自然な柔らかさを損なう原因となるため、万が一しこりができて気になる場合は、吸引や切除などの処置が必要になることがあります。予防のためには適切な注入量を守ることが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

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