シリコンバッグ豊胸後のマッサージは必要?カプセル拘縮を防ぐアフターケアと開始時期

シリコンバッグ豊胸後のマッサージは必要?カプセル拘縮を防ぐアフターケアと開始時期

シリコンバッグを用いた豊胸手術では、術後のマッサージが成功の鍵を握ります。このケアは周囲の組織が固まる「カプセル拘縮」を防ぎ、本物のバストに近い柔らかさを維持するために重要な役割を果たします。

手術で挿入したバッグが体内で適切なスペースを確保し続けるには、医師の指示に基づいた正しい時期と方法でのケアが求められます。焦らず適切なタイミングで介入することが、自然な仕上がりへの近道です。

この記事では、マッサージが必要な理由から、具体的な開始タイミング、自分で行う際の手順、そして現代的なケア不要のバッグまで解説します。術後の不安を解消し、理想の形を長く保つための知識を深めましょう。

目次

シリコンバッグ豊胸後にマッサージを行う目的と効果

マッサージは挿入したバッグを周囲の組織と馴染ませ、理想的な位置に定着させるために行います。体は異物が入るとそれを包み込もうと反応しますが、この動きを適切に制御し、バストの柔軟性を保つことが狙いです。

周囲の組織を柔らかく保つ

シリコンバッグを挿入すると、人間の体はその周囲に「被膜」と呼ばれる薄い膜を作ります。これは傷を治そうとする正常な防御反応の一種ですが、この膜が厚くなりすぎたり縮んだりすると、バストが硬くなってしまいます。

マッサージを定期的に行うことで、この被膜がバッグを締め付けないように物理的な刺激を与えます。周囲の組織が柔軟な状態を維持できるよう促し、多方向からの圧力をかけることで膜の過剰な硬化を抑制する仕組みです。

組織が柔らかい状態を保てれば、触り心地も本来の胸に近くなり、仰向けに寝た際にも自然な広がりを見せます。逆に放置すると、組織がバッグに張り付き、不自然な形状で固定されてしまう恐れが生じます。

マッサージによって期待できる具体的な変化

期待できる効果具体的な状態重要性
質感の改善柔らかく弾力のある感触非常に高い
形状の安定自然なバストラインの維持中程度
可動域の確保体勢に合わせた自然な動き非常に高い

カプセル拘縮を未然に防ぐ

カプセル拘縮は、前述した被膜が異常に厚く硬くなり、バッグを強く圧迫してしまう状態を指します。バストが石のように硬くなったり、痛みを伴ったり、形が歪んだりすることがあるため、注意深い観察が必要です。

マッサージは被膜の繊維が一定方向に揃って縮むのを防ぎます。多方向にバッグを動かすことで膜の過剰な発達を抑制し、ポケットの柔軟性を守ります。この介入が、将来的な不具合を避けるための防波堤となります。

一度カプセル拘縮が進行してしまうと、マッサージだけで元の状態に戻すのは困難です。重度の場合は再手術で被膜を取り除かなければなりません。そのため、術後の初期段階から適切なケアを行い、問題を未然に防ぐことが大切です。

バッグが移動する範囲を確保する

手術ではシリコンバッグを収めるための「ポケット」と呼ばれる空間を胸の組織内に作ります。マッサージはこのポケットの広さを維持する役割も果たします。バッグを上下左右に動かすことで、ポケットの端が癒着して狭くなる事態を回避します。

ポケットが十分に広い状態であれば、バッグは体の中で自由に動くことができ、立ち上がったときの揺れ方も自然になります。ポケットの形状を維持することが、どの角度から見ても違和感のないバストラインに繋がります。

もしポケットが狭くなると、バッグの動きが制限され、バストが常に同じ位置に固定されたような印象を与えてしまいます。

こうした不自然さを解消し、ダイナミックな動きに対応できるバストを作るために、継続的なケアが求められます。

カプセル拘縮が起こる原因とマッサージの必要性

カプセル拘縮の発生を防ぐためには、その原因を正しく理解する必要があります。体内の生理的な反応を無視せず、生体の特性に合わせた適切な管理を行うことが、長期的な満足度を高める鍵となります。

体内の異物反応と被膜形成

シリコンバッグは安全性が高い素材ですが、生体にとっては「自分ではない物質」です。異物が体内に入ると、免疫細胞がそれを感知して炎症反応を引き起こします。その結果として、バッグの周囲にコラーゲン線維から成る膜が形成されます。

この膜自体は誰にでもできるものですが、その厚さや硬さには個人差があります。マッサージを行わない場合、このコラーゲン線維が密に並びすぎてしまい、強力なネットのようにバッグを縛り上げることがあります。

線維の並びを乱し、膜を緩い状態に保つのがマッサージの物理的な役割です。早期に介入することで、膜が収縮してバッグを圧迫する前に、組織との適切な距離感を保つことが可能になります。

拘縮のリスクを高める要因

  • 術後の出血や浸出液の停滞による炎症の長期化
  • 周辺組織への過度な負担や不適切な固定
  • 体質による過剰な瘢痕形成反応の発生
  • 初期ケアの不足によるポケットの早期癒着

被膜が厚くなるリスク因子

被膜が異常に発達して拘縮に至る原因は、多岐にわたります。体質的な要因だけでなく、術後の経過中の出来事が影響する場合も多いです。例えば、術後に生じた血腫は、慢性的な炎症を引き起こし、被膜を厚くする大きな要因となります。

目に見えない程度の軽微な細菌感染も、炎症を長引かせる原因の一つです。こうした微細な炎症が続くことで、体はより強固な被膜を作ろうとします。マッサージは血行を良くし、こうした有害な物質が停滞するのを防ぐ助けにもなります。

喫煙も血流を阻害し、組織の回復を遅らせることでリスクを高めます。健全な血流を維持し、組織に十分な酸素を届ける環境を整えることは、マッサージの効果を最大限に引き出すために必要不可欠な要素です。

バッグの表面加工による違い

シリコンバッグには表面が滑らかな「スムーズタイプ」と、細かい凹凸がある「テクスチャードタイプ」があります。スムーズタイプは組織と癒着しやすいため、マッサージを行ってポケットを維持することが強く推奨されます。

凹凸があるタイプは、組織が入り込むことで膜の形成を分散させる設計です。しかし、全くケアが不要なわけではなく、医師の方針によって方法が異なります。使用した製品の特性を把握し、個別のケア計画を立てることが重要です。

表面加工の違いは、術後の生活のリズムに大きく影響します。自分のバッグがどのタイプに属し、どのような管理が必要なのかを事前に確認しておくことで、迷いなくアフターケアに取り組めるようになります。

マッサージを開始する適切な時期と注意点

マッサージは開始のタイミングが非常に重要です。傷口が塞がり、組織が安定し始める時期を見計らって開始します。早すぎる介入は出血を招き、遅すぎると被膜が固まってしまい効果が期待できなくなります。

術後数日間の安静期間

手術直後の数日間は、挿入したバッグがまだ不安定な状態にあります。組織を剥離した部分から出血しやすい時期でもあるため、この期間はマッサージを控えて安静に過ごすことが最優先となります。

無理に動かすと内出血がひどくなり、それが原因でカプセル拘縮のリスクを高めてしまいます。術後3日から1週間程度は専用の固定具を使用し、バッグの動きを制限します。この期間は傷の治癒を優先させ、炎症が引くのを待ちます。

組織が回復するための土台を作る時期だと捉え、過度な刺激は避けなければなりません。痛みや腫れがピークを迎える時期でもあるため、指示通りに安静を保つことが、結果的に早い回復に繋がります。

経過期間ごとの管理方針

期間組織の状態必要な対応
当日〜3日炎症・腫れのピーク完全安静と適切な固定
4日〜1週間腫れの引き始め抜糸に向けた安静継続
2週〜1ヶ月組織の安定開始指示に基づいたマッサージ

ダウンタイムの経過と開始の目安

マッサージの開始時期は、一般的に術後2週間から1ヶ月程度が目安です。抜糸が終わり、強い腫れや痛みが落ち着いてきた頃に医師から許可が出ることが多いです。このタイミングから、徐々にバッグを動かす練習を始めます。

最初は違和感や軽い痛みを感じることがありますが、それは正常な経過の一部です。組織が完全に固まってしまう前に、少しずつポケットを広げるイメージで動かしていきます。この開始時期を逃さないことが、後の柔らかさを左右します。

急激に力を入れるのではなく、まずはバスト全体を優しく包むように触れるところから始めます。体がマッサージの刺激に慣れてきたら、徐々に可動範囲を広げていくのが、安全かつ効果的な進め方です。

痛みや腫れがある場合の判断

マッサージを開始すべき時期になっても、耐えがたい痛みや異常な腫れがある場合は無理をしてはいけません。組織に強い炎症が残っている状態で刺激を与えると、症状をさらに悪化させ、被膜を厚くする原因になります。

自分の感覚だけでなく、必ず執刀医の診察を受けて、組織の状態を確認してもらうことが重要です。必要であれば開始を数日遅らせるなどの調整を行います。自己判断で完全に中止せず、専門的な見解を仰ぐ姿勢が大切です。

また、マッサージ中に急激な左右差を感じたり、一部だけが硬くなったりした場合も、すぐに相談してください。初期の段階であれば、適切な処置やマッサージ方法の変更によって、良好な経過を取り戻せる可能性が高まります。

自分でできるマッサージの具体的な方法とコツ

マッサージは一度に長時間行うよりも、短時間を毎日継続することが良好な結果に繋がります。正しい方法を身につけ、バッグが本来あるべき広い空間の中を自由に泳ぐような状態を目指すことが理想です。

上下左右へのバッグの移動

基本となるのは、バッグを上下左右の4方向へ押し動かす動作です。まず、片方の手でバストの下部を支え、もう片方の手で上から下へゆっくりと圧をかけます。次に下から上、外側から内側、内側から外側へと順番に動かしていきます。

この変化を受けて、中のバッグそのものを押し動かす感覚を大切にしてください。皮膚をこするだけでは効果が薄いため、深部に力が届くように意識します。バッグがポケットの端まで到達し、少し抵抗を感じる部分までしっかりと押し込みます。

これを数回繰り返すことで、ポケットの境界線が癒着するのを防ぎます。最初は怖さがあるかもしれませんが、徐々に慣れていくことで、バッグがスムーズに移動する感触を掴めるようになります。

セルフケアを継続するためのポイント

  • お風呂上がりなどの血行が良い時間帯に実施する
  • 鏡を見てバッグの移動範囲を視覚的に確認する
  • 深呼吸をしながらリラックスした状態で行う
  • 指先ではなく手のひら全体を使って圧を分散させる

力の入れ方と回数の目安

力加減は「痛気持ちいい」程度が適切です。あまりに弱すぎるとバッグが動かず意味がありません。逆に強すぎると組織を傷めてしまいます。1方向につき10秒から20秒程度キープし、それを1日に3回程度行うのが一般的です。

洗面台の鏡の前や寝る前のリラックスタイムなど、時間を決めて取り組むことが習慣化のコツです。短時間のケアを積み重ねることで、組織は徐々にその動きを覚え、自然な柔軟性を獲得していきます。

一度に1時間行うよりも、3分間のマッサージを朝昼晩に分ける方が、癒着防止の効果は高まります。組織は常に修復と癒着を繰り返しているため、定期的な介入によってその動きをリセットし続けることが重要です。

左右差が出ないように意識するポイント

利き手の違いなどにより、どうしてもマッサージの強さや回数に左右差が出やすくなります。バストの柔らかさや位置に偏りが出ないよう、常に左右の感触を比較しながら行います。片方が硬いと感じる場合は、そちらを重点的にケアします。

鏡を見て、バッグの移動範囲が左右で同じくらいになっているかを確認してください。自分では気づきにくい変化もあるため、定期的に鏡の前で腕を上げたり体を捻ったりして、バッグの動きを客観的にチェックすることが望ましいです。

また、左右で痛みの感じ方が異なる場合もあります。痛みが強い側は無理をせず、優しい圧から始めて時間をかけて馴染ませていきます。左右それぞれの状態に合わせた「オーダーメイドのケア」を意識することが、美しいシンメトリーを生みます。

マッサージ以外のアフターケアと日常生活の過ごし方

美しい仕上がりを維持するには、マッサージ以外の習慣にも気を配る必要があります。日常の些細な行動が、バッグの定着や傷跡の綺麗さに直結するため、総合的なアフターケアを心がけることが大切です。

専用ブラジャーによる圧迫固定

術後しばらくは、ワイヤーのない専用のスポーツブラジャーや、胸の上部を抑えるための固定バンドを使用します。これはバッグが上にずり上がるのを防ぎ、適切な位置で組織と馴染ませるために必要となる措置です。

一般的なワイヤー入りブラジャーは、バッグの形を不自然に変形させたり、傷口を圧迫したりするため、術後3ヶ月程度は控えてください。医師が指定する期間は、指示された固定具を正しく装着し続けることが、理想のラインを作る鍵です。

特に就寝中の動きは制御できないため、夜間の固定は非常に重要です。寝返りによってバッグが外側に流れたり、不自然に圧迫されたりするのを防ぐことで、朝起きたときのバストの状態を健やかに保てます。

日常生活での制限と理由

行動期間の目安理由
激しい運動1ヶ月程度大胸筋の動きによるバッグのズレ防止
重い荷物2週間程度胸筋への負荷を避け内出血を防ぐ
飲酒1週間程度血行促進によるむくみや痛みの悪化防止

内服薬による拘縮予防の補助

クリニックによっては、カプセル拘縮を予防するための内服薬が処方されます。これは炎症を抑えたり、アレルギー反応を抑制したりすることで、被膜の過剰な発達を防ぐ効果が期待できるものです。

こうした薬剤を数ヶ月間飲み続けることで、組織の柔軟性を内側からサポートします。マッサージという物理的なケアに加えて、化学的なアプローチを併用することは、より確実な結果を得るために非常に重要となります。

飲み忘れがないよう、食後の習慣にするなど工夫してください。薬の作用によって組織の緊張が和らげば、セルフマッサージの際の痛みも軽減され、より効果的にバッグを動かせるようになるという好循環が生まれます。

飲酒や入浴制限の重要性

術後1週間から2週間程度は、飲酒や長風呂を避けてください。これらは血行を促進しすぎ、患部の腫れや内出血を悪化させる恐れがあるからです。腫れが長引くとそれだけ組織の回復が遅れ、拘縮の原因となる慢性炎症を招きやすくなります。

シャワーは翌日から可能な場合が多いですが、湯船に浸かるのは医師の許可が出てからにしましょう。また、喫煙は血管を収縮させ、組織への酸素供給を阻害するため、傷の治りを遅らせます。この期間の禁煙は強く推奨されます。

睡眠時間を十分に確保し、規則正しい生活を送ることも回復を早める重要な要素です。体が修復モードに入っている時期に、不摂生をして免疫力を下げないよう注意することが、トラブルのない経過への第一歩となります。

マッサージが必要ないシリコンバッグの種類

近年の医療技術の進歩により、従来とは異なる構造を持つシリコンバッグが登場しています。これらの製品は、必ずしも従来のような強いマッサージを必要としない場合があり、患者様側の負担軽減に大きく寄与しています。

テクスチャードタイプの特性

表面が細かい凹凸で覆われているテクスチャードタイプは、周囲の組織が凹凸に入り込むように治癒していくため、バッグが体内で移動しにくいという特徴があります。これは、組織とバッグを適切にフィットさせることを目的としています。

そのため、無理にバッグを動かすマッサージは推奨されないことが多く、むしろ放置することで安定した結果が得られます。無理に動かすと、せっかく入り込んだ組織を剥がしてしまい、逆に炎症を招く恐れがあるため注意が必要です。

このタイプを選ぶ最大のメリットは、術後の手間が大幅に削減される点です。仕事や家事で忙しく、毎日のマッサージの時間を確保するのが難しい方にとって、こうした特性を持つバッグは非常に魅力的な選択肢となります。

バッグのタイプ別管理の傾向

  • スムーズ:能動的なマッサージでポケットを維持する
  • マイクロテクスチャード:原則としてマッサージを控え自然な定着を待つ
  • エルゴノミクス:姿勢に合わせた形状変化を優先し過度な刺激は避ける
  • ポリウレタン:組織との強力な癒着を利用するためマッサージ厳禁

マイクロテクスチャードバッグの普及

テクスチャードタイプをさらに進化させた「マイクロテクスチャード」という種類も普及しています。これはより細かく精密な表面加工が施されており、カプセル拘縮のリスクを低減しつつ、スムーズタイプのような柔らかさを両立させています。

この高度なバッグを使用する場合、多くのクリニックでは「マッサージ不要」としています。術後の手間が省けるだけでなく、マッサージによる痛みや組織へのダメージを回避できる点が大きな利点といえます。

ただし「マッサージ不要」であっても、バストを全く触らなくて良いわけではありません。日々のセルフチェックを通じて、急激な硬さの変化や違和感がないかを確認することは、どのバッグを使用していても共通の大切な習慣です。

医師が推奨するバッグ選びの基準

どのバッグが適しているかは、患者様自身の体質や、希望するサイズによって異なります。マッサージの手間を考慮してバッグを選ぶことも一つの方法ですが、最終的には医師の経験に基づいた提案を受けることが大切です。

術後のケア方針は使用するバッグに依存するため、手術前のカウンセリングで、マッサージが必要なタイプなのかを明確に確認しておきましょう。自分のライフスタイルに合った選択をすることが、術後の満足度を左右します。

また、体質的に被膜が厚くなりやすい方の場合は、マッサージ不要のバッグを選んだとしても、補助的な内服薬の併用などが提案されることがあります。トータルでのケアプランを医師と共有し、納得した上で進めることが重要です。

専門家による定期検診の意義

自分で行うセルフケアも大切ですが、それだけでは不十分な場合があります。専門の医師による定期的なチェックを受けることで、自分では気づけない微細な変化を察知し、大きなトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

触診による硬さのチェック

医師は数多くの症例を見てきた経験から、バストの硬さが正常な範囲内であるか、あるいは拘縮の兆候があるかを正確に判断できます。自分では毎日触っているために変化に気づきにくいものですが、プロの触診を受けることで客観的な評価が得られます。

もし硬くなり始めている兆候が見つかれば、マッサージのやり方を修正したり、追加の薬を処方したりと、早期の対策を打てます。

検診を怠ると、気づいたときには手遅れになっている場合もあるため、指示された通院スケジュールを守ることが重要です。その結果、適切なタイミングでの軌道修正が可能となり、理想的な柔らかさを取り戻せる確率が高まります。

医師との対話を通じて、自分のケアが正しいという自信を持てるようになることも、大きなメリットの一つです。

定期検診で主に確認する内容

検査項目チェックするポイント目的
触診バスト全体の弾力と動き初期拘縮の早期発見
視診形、位置、傷跡の状態左右差や変形の確認
超音波検査被膜の厚み、バッグの破損画像による客観的診断

超音波検査による内部の状態確認

見た目や触り心地だけではわからない内部の状態を、エコー検査で確認することもあります。バッグに破損がないか、被膜の厚さはどの程度か、周囲に液体が溜まっていないかなどを画像で詳しくチェックします。

特に術後数年が経過してからも、定期的にエコー検査を受けることは健康管理の面でも大切です。

シリコンバッグは永久的なものではないため、長期的な視点で自分の体を見守っていく姿勢が、美しさを維持するために求められます。

この画像診断によって、手では触れられない微細な被膜の肥厚をキャッチできることもあります。早期発見ができれば、非侵襲的な治療で改善できるケースも多いため、定期的な画像チェックは非常に高い価値を持ちます。

メンタル面のサポートと不安解消

術後の経過中は、少しの痛みや形の違和感でも大きな不安を感じやすいものです。検診で医師と直接対話し、自分の状態が順調であることを確認できれば、精神的な安心感にも繋がります。

わからないことや不安なことがあれば、その都度相談することで、正しい知識に基づいたケアを継続できます。医師との良好な関係を築くことは、手術を成功させ、その後の生活を豊かにするための重要な要素です。

ケアを自分一人で抱え込むのではなく、専門家というパートナーと共に歩む感覚を持つことが、長いダウンタイムを乗り切る秘訣です。前向きな気持ちでアフターケアに取り組むことが、免疫力の向上や組織の健全な回復を後押しします。

よくある質問

痛みが強い場合も無理に続けるべきですか?

強い痛みがあるときに無理をしてマッサージを行う必要はありません。痛みを我慢して力任せに行うと、組織を傷つけ、逆に炎症を長引かせてカプセル拘縮のリスクを高める可能性があります。

痛みの程度や腫れ具合には個人差がありますので、まずは一旦休止し、クリニックに連絡して現在の状態を報告してください。医師が傷の治り具合を確認し、適切な開始時期や力加減を再検討します。

いつまでマッサージを続ける必要がありますか?

マッサージを継続すべき期間は、使用したバッグの種類や組織の反応によって異なります。一般的には術後3ヶ月から半年程度が目安とされることが多いです。

組織が安定し、被膜が形成される初期の数ヶ月間が最も重要だからです。半年を過ぎると組織が落ち着き、大きな変化が起こりにくくなりますが、質感の維持のために軽いマッサージを習慣として続けることも望ましいです。

マッサージを忘れるとすぐに固くなりますか?

1日や2日マッサージを忘れたからといって、すぐにバストが石のように固まってしまうことはありません。しかし、術後1ヶ月以内の重要な時期に長期間放置してしまうと、癒着が進む原因になります。

大切なのは「完璧に行うこと」よりも「継続すること」です。忘れてしまった場合は、気づいたときから再開し、少しずつリズムを取り戻していけば問題ありません。焦らず、自分のペースで再開しましょう。

効果が出ているか確認する方法はありますか?

最もわかりやすい確認方法は、バストを前後左右に動かしたときの「可動域」を見ることです。仰向けに寝たときにバストが自然に外側へ流れるか、手で押したときにスムーズに動くかをチェックしてください。

また、触ったときの弾力が柔らかく、皮膚がつっぱるような感覚がないことも良い指標となります。

不安な場合は次回の検診時に医師の前で実際に行い、正しい動きができているか確認してもらうのが確実です。

他院で受けた手術後のマッサージも相談できますか?

他院で受けた手術であっても、アフターケアや拘縮の相談を受け付けているクリニックは多くあります。今の状態に不安があるなら、一人で悩まずに専門医への相談を検討してください。

ただし、使用したバッグの種類や術中の詳細がわからないと正確なアドバイスが難しい場合もあります。可能な限り、手術を受けた際のデータや情報を持参することで、より的確なサポートを受けやすくなります。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

【プロフィール】 1984年アメリカ・メリーランド州生まれ、島根県育ち。 大阪医科大学医学部卒業後、がん研有明病院形成外科にて、日本一の手術件数を誇る乳房再建など数多くの高難度手術に従事。その後、聖路加国際病院形成外科を経て、より自然で美しい仕上がりを追求するため美容外科領域へ。 大手クリニックにて脂肪吸引・注入技術の指導的役割を担った後、「一人ひとりのゲストにもっと寄り添った施術」を理念に掲げ、2022年にMYCLIを開院。 形成外科専門医としての解剖学的知識と繊細な技術をベースに、特に「自然な仕上がり」にこだわった脂肪豊胸やボディデザインを得意とする。現在は聖路加国際病院形成外科の非常勤も兼務し、臨床・学術の両面で活動を続けている。

【所属・資格】 日本形成外科学会 / 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 Vaser Lipo 脂肪吸引認定医 / MIA認定医

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