FAGA(女性男性型脱毛症)とびまん性脱毛症の違い|定義と関係性を解説

FAGA(女性男性型脱毛症)とびまん性脱毛症の違い|定義と関係性を解説

女性の薄毛において頻繁に耳にする「FAGA」と「びまん性脱毛症」は、実は対立する概念ではなく、密接に関わり合っています。

結論から言えば、びまん性脱毛症は「髪全体が薄くなる状態」を指す広い言葉であり、FAGAはその状態を引き起こす「主要な原因の一つ」です。

多くの女性が悩む薄毛の正体は、加齢やホルモンバランスの変化に起因するFAGAが、びまん性の症状として現れているケースが大半を占めます。

本記事では、この二つの用語の正しい定義と深い関係性を紐解き、ご自身の髪の状態を正しく理解するための指針を示します。

目次

FAGAとびまん性脱毛症の基本的な定義と違い

医学的な観点から見ると、FAGAとびまん性脱毛症は「原因」と「状態」という異なるレイヤーで語られるべき言葉であり、単純に比較できるものではありません。この二つは対立するものではなく、多くの場合において重なり合って存在しています。

言葉の定義が生む誤解を解く

薄毛に悩む多くの女性が、まずは自分の症状が何という病名に当てはまるのかを知りたいと考えます。インターネット上で情報を探すと、この二つの言葉が全く別の病気であるかのように扱われている場面に遭遇します。

まず「びまん性脱毛症」という言葉について詳しく見ていきます。「びまん(瀰漫)」とは、病変などが一面に広がる様子を表す医学用語です。

つまり、特定の箇所だけが丸く抜ける円形脱毛症のように境界線がはっきりしているものではありません。頭髪全体のボリュームが均一に低下し、地肌が透けて見えるような「状態」そのものを指します。

一方で「FAGA(女性男性型脱毛症)」は、明確な「診断名」です。男性の薄毛(AGA)の女性版として名付けられましたが、近年ではFPHL(Female Pattern Hair Loss)とも呼ばれます。

これは遺伝的素因やホルモンバランスの変化が主な引き金となり、ヘアサイクルが乱れることで発症する疾患を指します。重要な点は、FAGAが進行した際に見られる症状の多くが、頭部全体が薄くなる「びまん性」のパターンをとるということです。

用語の定義と関係性の整理

用語本来の意味(定義)薄毛との関係性
FAGA
(女性男性型脱毛症)
ホルモンバランスの変化や遺伝を背景とした具体的な疾患名。ヘアサイクルの短縮が特徴。びまん性の薄毛を引き起こす「主要な原因」の一つ。女性の薄毛の多くがこれに該当する。
びまん性脱毛症頭髪全体が均等に薄くなる「状態」や「症状」の総称。特定の病名ではない場合もある。FAGA、休止期脱毛、栄養障害など、様々な原因によって引き起こされる「結果」としての症状。
関係性の結論原因と結果(状態)の関係「びまん性脱毛症」という大きな枠組みの中に、主要な原因として「FAGA」が存在するという包含関係に近い。

なぜ二つの言葉が混同されるのか

「私はFAGAなのか、びまん性脱毛症なのか」という問いは、時に「私は風邪なのか、咳が出ているのか」と問うのに似ており、両方は同時に成立し得ます。

この二つの言葉が並列で語られる背景には、FAGA以外にも「びまん性の状態」を引き起こす原因が多数存在するからです。例えば、急激なダイエットによる栄養失調や、甲状腺機能の低下なども含まれます。

しかし、現代の日本人女性において、びまん性の薄毛症状を引き起こす最大の要因はFAGAであると言われています。

クリニックによっては、FAGAを「ホルモン由来」、びまん性脱毛症を「生活習慣由来」と便宜的に使い分けているケースもあります。実際にはFAGAであっても生活習慣の影響を強く受けますし、生活習慣の乱れがFAGAの発症を早めることもあります。

治療方針を決定する上での重要性

自分がどちらに当てはまるかを知ることは、正しい対策を選ぶための第一歩です。もし症状が「びまん性」であり、その原因がFAGAであるならば、ホルモンバランスへのアプローチや発毛因子の活性化が必要です。

一方で、FAGAの要素が薄く、単なる鉄欠乏性貧血や一時的なストレスが原因のびまん性脱毛症であれば、その根本原因を取り除くことで自然回復する可能性も高まります。

自己判断で「私はただの栄養不足によるびまん性脱毛症だ」と決めつけ、市販のサプリメントだけで様子を見続けることはリスクを伴います。もし背景にFAGAが進行していた場合、対策が遅れることで毛包の委縮が進んでしまうからです。

女性特有の脱毛症が起こる主な原因

女性の薄毛は、単一の原因ではなく複数の要因が複雑に絡み合い、結果として髪の成長を阻害しています。体内で何が起きているのかを知ることは、改善点を見つける手がかりとなります。

女性ホルモンの減少とゆらぎ

最も大きな影響力を持つのが女性ホルモン、特にエストロゲンの存在です。エストロゲンは髪の成長期を持続させ、豊かで健康な髪を保つ役割を果たしています。

しかし、加齢、出産、閉経などのライフステージの変化に伴い、このエストロゲンの分泌量は大きく変動、あるいは減少します。エストロゲンが減少すると、相対的に体内の男性ホルモンの影響力が強まる場合があり、これがFAGAの発症トリガーとなります。

また、毎月の月経周期によるホルモンバランスの「ゆらぎ」も髪のコンディションに影響を与えます。更年期障害の一環として薄毛を自覚する方が多いのも、このホルモン環境の激変が直接的に毛母細胞の活動を弱めてしまうからです。

血流不全による栄養供給の停滞

髪の毛は、血液が運んでくる酸素と栄養によって作られます。頭皮は体の末端に位置しているため、血流が悪くなると真っ先に栄養不足に陥る場所でもあります。

女性は男性に比べて筋肉量が少なく、冷え性になりやすい傾向があります。冷えによって血管が収縮すると、毛根にある毛乳頭まで十分な栄養が届かなくなります。

主な原因とその身体的影響

原因カテゴリ具体的な要因髪への直接的な影響
ホルモンバランス加齢、出産、閉経、ピルの服用中止成長期の短縮を引き起こし、髪が太く育つ前に抜け落ちる。全体的なボリュームダウンを招く。
循環器系冷え性、運動不足、肩こり毛母細胞への栄養と酸素の供給ルートが断たれる。髪の製造工場が稼働停止状態になる。
栄養状態過度なダイエット、偏食髪の原料となるタンパク質(ケラチン)や、合成に必要な亜鉛・ビタミンが枯渇し、髪が細くなる。
自己免疫・その他甲状腺疾患、膠原病全身疾患のサインとして脱毛が現れる。この場合は原疾患の治療が最優先となる。

さらに、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による首や肩の凝りも、頭部への血流を物理的に阻害する要因です。頭皮が硬くなっている状態は、砂漠化した土壌のようなもので、どれだけ良い栄養を摂取しても髪が育ちにくい環境を作ってしまいます。

頭皮環境の悪化と外的要因

内的な要因だけでなく、外側からのダメージも脱毛を加速させます。例えば、洗浄力が強すぎるシャンプーの使用による乾燥や、頻繁なヘアカラー、パーマによる頭皮の炎症です。

これらは頭皮のバリア機能を破壊し、慢性的な炎症を引き起こすことで、健康な髪が生える土台を弱らせてしまいます。

紫外線も軽視できません。頭皮は顔以上に紫外線を浴びていますが、ケアを怠りがちです。紫外線は頭皮の光老化を招き、毛包幹細胞にダメージを与えることが近年の研究で示唆されています。

症状の進行パターンと見分け方

脱毛症は「なんとなく」始まり、時間をかけて進行していくため、初期段階での変化に気づくことが大切です。分け目の広がりや髪質の変化など、具体的なサインを見逃さないようにしましょう。

分け目の変化と地肌の透け感

最も多くの女性が最初に気づく変化が、分け目の広がりです。以前と同じように髪を分けているはずなのに、地肌の白い部分が目立つようになります。

これは、分け目周辺の髪一本一本が細くなり、密度が低下しているために起こります。鏡で頭頂部を見たときに、以前よりも地肌の露出面積が増えていると感じたら、それは初期のサインです。

また、「クリスマスツリー様脱毛」と呼ばれるパターンもFAGAに特徴的です。これは、前髪の生え際は保たれつつも、そこから頭頂部に向かってツリー状に薄毛範囲が広がっていく状態を指します。

セルフチェックで確認すべき兆候

  • 分け目の地肌が以前より広く、白く目立つようになっている
  • 髪を束ねた時の直径が、以前に比べて明らかに細くなっている
  • 太くて長い抜け毛だけでなく、細くて短い毛が混じっている
  • ドライヤーでセットしてもトップのボリュームが出ず、すぐに潰れる
  • シャンプー時の抜け毛が急激に増え、排水溝がすぐに詰まる

髪質の変化による予兆

本数そのものが減る前に、髪質が変わったと感じる方も多くいます。「昔は剛毛だったのに、最近猫っ毛のようになってきた」「髪にコシがなくなり、うねりが出るようになった」といった変化です。

これは、毛包が縮小(ミニチュア化)し始めている証拠であり、FAGAやびまん性脱毛症が進行しているサインといえます。

健康な髪は、数年の成長期を経て太く硬く育ちます。しかし、脱毛症の兆候がある場合、成長期が短くなるため、髪が十分に太くなる前に成長が止まってしまいます。

その結果、産毛のような頼りない髪が増え、全体的なボリューム感が失われていくのです。スタイリングが決まらなくなったと感じたら、それは単なる加齢による髪質の変化ではなく、脱毛症の始まりかもしれません。

ホルモンバランスの変化が髪に与える影響

女性の薄毛とホルモンバランスは切っても切れない関係にありますが、具体的にどのようなメカニズムで髪が抜けるのでしょうか。女性ホルモンと男性ホルモン、それぞれの役割と相互作用について解説します。

エストロゲンの保護作用と減少のリスク

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、髪にとって「成長の守護神」とも呼べる存在です。エストロゲンには、髪の成長期を延長し、頭皮の血管を拡張させて血流を促し、コラーゲンの生成を助けて頭皮に弾力を与える働きがあります。

妊娠中に髪がツヤツヤになり抜け毛が減るのは、このエストロゲンが大量に分泌されているからです。逆に、出産後や更年期においてエストロゲンが急激に減少すると、これまで守られていた成長期が強制的に終了し、休止期へと移行します。

ホルモンの種類と髪への作用

ホルモン名髪に対する主な役割・作用バランス崩壊時の影響
エストロゲン
(女性ホルモン)
ヘアサイクルの「成長期」を維持・延長させる。頭皮のコラーゲン生成を促す。減少すると成長期が短くなり、髪が育ちきる前に抜ける。髪のハリやコシが失われる。
テストステロン
(男性ホルモン)
筋肉や骨格の形成に関わる。女性体内にも微量存在する。女性ホルモン減少時に相対的に優位になると、脱毛因子DHTの材料となってしまう。
ジヒドロテストステロン
(DHT)
胎児期の外性器形成には必要だが、成人後の髪には悪影響を及ぼす。毛乳頭細胞にある受容体と結合し、脱毛指令を出すことでFAGAを引き起こす。

男性ホルモンの相対的な優位性

女性の体内にも、微量ながら男性ホルモン(テストステロン)が存在します。通常は女性ホルモンが優位であるため、男性ホルモンの影響は隠れています。

しかし、加齢などで女性ホルモンが減少すると、男性ホルモンの働きが相対的に強くなってしまうことがあります。このテストステロンが、頭皮にある還元酵素「5αリダクターゼ」と結合すると、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という強力な脱毛因子に変化します。

このDHTが毛母細胞を攻撃し、髪の成長を強制的に止めてしまうのがFAGAの基本的な発症ルートです。女性であっても、ホルモンバランスが崩れることで、男性型の脱毛メカニズムが働いてしまうのです。

プロゲステロンの役割も無視できない

女性ホルモンにはエストロゲンの他に「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があります。プロゲステロンもまた、髪の成長サイクルに関与していると考えられています。

生理周期の後半でプロゲステロンが増える時期に、肌荒れや皮脂分泌の増加を感じる方がいますが、頭皮でも同様に皮脂バランスの変化が起こります。

生活習慣やストレスと脱毛症の関連性

FAGAやびまん性脱毛症は遺伝や加齢だけで決まるものではなく、日々の生活習慣が大きく影響します。生活習慣を見直すことは、今日からできる立派な治療の一つです。

自律神経の乱れと血流の関係

ストレスは「万病の元」と言われますが、髪にとっても大敵です。強いストレスを感じると、交感神経が優位になり、体は緊張状態になります。この時、血管は収縮し、髪の毛や皮膚への血流は後回しにされてしまいます。

慢性的なストレス下では、常に頭皮が血行不良の状態にあり、毛根は酸欠と栄養失調に喘いでいます。さらに、ストレスによって消費される亜鉛やビタミンなどの栄養素は、髪の合成に必要なものと競合します。

髪に必要な栄養素と食事のポイント

栄養素髪への役割と不足時の影響多く含む食品例
タンパク質
(ケラチン)
髪の毛の約90%を構成する主成分。不足すると髪が細くなり、切れやすくなる。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
亜鉛摂取したタンパク質を髪に変える際に必要な助酵素。細胞分裂を正常化する。牡蠣、レバー、牛肉、アーモンド、チーズ
ビタミンB群
(特にビオチン)
頭皮の代謝を促し、毛細血管を丈夫にする。皮脂分泌をコントロールする。豚肉、レバー、納豆、卵、バナナ
鉄分血液中の酸素を運搬するヘモグロビンの材料。不足すると毛根が酸欠になる。レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき

睡眠不足が招く成長ホルモンの欠乏

入眠直後の深い眠り(ノンレム睡眠)の間に、成長ホルモンが集中的に分泌されます。この成長ホルモンは、昼間に受けた細胞のダメージを修復し、毛母細胞の分裂を促す重要な役割を担っています。

睡眠時間が短い、あるいは睡眠の質が悪いと、この成長ホルモンの恩恵を十分に受けられません。日付が変わる前にベッドに入り、朝までぐっすりと眠ることは、どんな高価な育毛剤にも勝る基礎的なケアと言えます。

過度なダイエットの危険性

美しいスタイルを目指して行うダイエットが、皮肉にも美しさを損なう薄毛の原因になることがあります。カロリー制限によりエネルギーが不足すると、体は生命維持を最優先し、髪の毛への栄養供給をストップさせます。

特に、油分を極端に避けるダイエットは、頭皮の乾燥を招き、健康な髪が育つ土壌を荒廃させます。髪の美しさを保つためには、バランスの取れた食事が大前提であることを忘れてはいけません。

年代別にみる発症傾向と特徴

薄毛の悩みは年齢とともに変化し、その背景にある原因も対処法も異なります。年代ごとの特徴を知ることで、自分に合った先回りの対策が可能になります。

20代・30代の若年性脱毛

本来であれば髪が最も美しい時期である20代や30代でも、薄毛に悩む方が増えています。この世代の特徴は、社会進出に伴うストレスや生活習慣の乱れが大きく関与している点です。

仕事のプレッシャー、不規則な食事、睡眠不足などが重なり、ホルモンバランスが一時的に乱れることでびまん性の脱毛が起こります。

また、30代前後は出産・育児という大きなライフイベントを経験する方も多く、「産後脱毛」を経験します。通常は半年〜1年で自然回復しますが、育児ストレスや栄養不足が重なると、そのまま慢性的なびまん性脱毛症やFAGAへと移行してしまうケースもあります。

年代別リスクと対策の傾向

年代主な発症リスク・要因推奨される対策の方向性
20代過度なダイエット、仕事のストレス、ヘアカラー等の外的ダメージ、ピルの服用中止生活習慣の是正と栄養補給。頭皮への負担を減らすヘアケアの見直し。
30代妊娠・出産によるホルモン激変、育児疲労、睡眠不足、キャリアによる重圧産後は栄養豊富な食事と休息を優先。戻りが悪い場合は早めの専門機関受診。
40代プレ更年期によるホルモン低下、基礎代謝の低下、白髪染めの頻度増加頭皮ケアの強化。エイジングケア用製品への切り替え。定期的な頭皮チェック。
50代以降閉経によるエストロゲン欠乏、加齢による毛包の委縮、FAGAの進行医学的な治療(内服・外用)の検討。ウィッグやボリュームアップヘアの活用も視野に。

40代以降の更年期前後

40代に入ると、卵巣機能の低下が徐々に始まり、プレ更年期と呼ばれる時期に差し掛かります。これまでは気にならなかった髪のボリュームダウンや、髪のうねりが顕著になり始めます。

50代以降、閉経を迎えるとエストロゲンの分泌は激減し、薄毛の進行は加速します。しかし、諦める必要はありません。この時期に適切な治療やケアを行うことで、進行を食い止め、年齢相応の美しい髪を維持することは十分に可能です。

専門機関での診断基準と検査内容

セルフチェックで不安を感じたら、専門機関での受診を検討しましょう。専門のクリニックでは、視診だけでなく、医学的なデータに基づいてFAGAやびまん性脱毛症の診断を行います。

マイクロスコープによる頭皮・毛髪診断

最初に行われるのが、マイクロスコープ(拡大鏡)を使った視診です。肉眼では見えない頭皮の微細な状態や、毛穴からの発毛状況を確認します。

健康な状態であれば、一つの毛穴から2〜3本の太い髪が生えていますが、FAGAが進行していると、本数が減っていたり、極端に細い毛(軟毛)が混じっていたりします。

また、頭皮の色や皮脂の量、炎症の有無なども確認し、頭皮環境が悪化していないかをチェックします。この映像を医師と一緒に見ることで、ご自身の現状を客観的に把握することができます。

血液検査による内面的な要因の特定

薄毛の原因が、FAGAなのか、甲状腺機能の異常や貧血などの内科的疾患なのかを見極めるために、血液検査は非常に重要です。ホルモン値、亜鉛や鉄などのミネラルバランス、肝機能などを総合的に分析します。

稀に、膠原病などの全身性疾患が原因で脱毛が起きている場合もあります。そうした重大な病気を見逃さないためにも、血液検査は実施されます。

専門クリニックで実施される主な項目

  • 問診(カウンセリング): 家系内の薄毛の有無、生活習慣、ストレス状況、既往歴などのヒアリング
  • マイクロスコープ検査: 毛髪の太さ、密度、頭皮の色調、毛穴の詰まり具合の確認
  • 血液検査: ホルモンバランス、栄養状態、甲状腺機能、感染症の有無などのスクリーニング
  • 遺伝子検査(オプション): FAGAの発症リスクや、治療薬の効きやすさを遺伝子レベルで予測する

正しい診断が適切なゴールへ導く

自己判断で市販薬を使い続けるのと、医療機関で診断を受けるのとでは、たどり着く結果に大きな差が出ます。

例えば、本当は甲状腺の病気が原因であるにもかかわらず、FAGA用の育毛剤を使い続けても効果は期待できません。逆に病気の発見が遅れるリスクもあります。

「恥ずかしいから」と受診をためらう気持ちは理解できますが、専門医は毎日多くの女性の髪を見ています。医学的根拠に基づいた的確なロードマップを示してくれるパートナーとして、専門機関を活用することをお勧めします。

よくある質問

FAGAは遺伝するのですか?

遺伝的要素は関与しますが、男性のAGAほど単純な遺伝形式ではありません。母親や祖母が薄毛だからといって、必ずしもあなたも発症するとは限りません。

しかし、体質やホルモン感受性は遺伝する傾向があるため、近親者に薄毛の方がいる場合は、リスク因子の一つとして捉え、早めの予防ケアを心がけることが大切です。

市販の育毛剤とクリニックの薬の違いは何ですか?

配合されている成分とその濃度が大きく異なります。一般的にドラッグストアなどで購入できる市販品は「医薬部外品」や「化粧品」に分類されるものが多く、頭皮環境を整えることを主目的としています。

一方、クリニックで処方されるものは「医薬品」であり、発毛効果が医学的に認められた成分(ミノキシジルなど)が治療に必要な濃度で配合されています。

治療を始めたら一生続けなければなりませんか?

FAGAは進行性の症状であるため、治療を完全に止めてしまうと、再び進行が始まる可能性が高いです。

しかし、ある程度満足のいく状態まで回復した後は、維持するための軽めの治療に切り替えたり、薬の量を減らしたりしてコントロールしていくことは可能です。ご自身のライフスタイルや希望に合わせて、医師と相談しながら治療計画を調整していきます。

びまん性脱毛症は自然に治りますか?

原因によります。もし原因が一時的なストレスや過度なダイエット、産後のホルモン変化などであれば、その原因が解消されることで自然回復する可能性があります。

しかし、FAGAが原因である場合や、加齢による変化が強い場合は、自然回復は難しく、何もしなければ徐々に進行していく傾向にあります。数ヶ月様子を見ても改善しない場合は、専門家の意見を聞くことが重要です。

シャンプーを変えるだけで薄毛は改善しますか?

シャンプーだけで発毛することは医学的に考えにくいです。しかし、頭皮に合わないシャンプーを使い続けることで炎症が起き、それが抜け毛の原因になっている場合は、シャンプーを変えることで頭皮環境が整い、抜け毛が減ることはあります。

シャンプーはあくまで「頭皮を健やかに保つための土台作り」と考え、発毛そのものを期待するのではなく、治療の補助的な役割として良質なものを選ぶことが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

がん研有明病院や聖路加国際病院の形成外科にて、長年にわたり顕微鏡を用いた微細な手術(マイクロサージャリー)や組織移植に携わってきました。 自毛植毛において最も重要なのは、採取したドナー(毛根)をいかにダメージなく扱い、高い「生着率」を実現するか、そして自然な流れを再現するかです。私が再建外科の最前線で培ってきた、0.1ミリ単位の緻密な組織操作技術は、まさに自毛植毛のクオリティに直結します。「ただ増やす」だけでなく、形成外科医としての解剖学的知識に基づいた、安全で確実な毛髪再生医療をご提供します。

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