産後の抜け毛回復を助ける食事と栄養|鉄分・亜鉛・タンパク質

出産という大仕事を終えた直後から始まる抜け毛の悩みは、多くの女性が経験する一時的ながらも深刻な問題です。

この現象はホルモンバランスの変化に加え、授乳や育児による栄養素の枯渇が深く関係しています。

しかし、毎日の食事で「タンパク質」「鉄分」「亜鉛」を意識的に摂取し、体の内側から毛根へ栄養を届けることで、髪の回復力は確実に高まります。

この記事では、産後のデリケートな体に負担をかけず、効率的に髪を育てるための栄養戦略と具体的な食事法を詳しく解説します。

焦らず、まずは食卓から髪へのアプローチを始めましょう。

目次

産後の抜け毛が起こる理由と栄養不足の関係

産後の抜け毛は、エストロゲンの急激な減少というホルモンの変化が主たる要因ですが、授乳や育児ストレスによる「栄養の枯渇」が回復を遅らせる大きな要因となります。

女性ホルモンの減少とヘアサイクルの変化

妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増加します。エストロゲンには髪の成長期を維持し、髪が抜けるのを防ぐ働きがあります。

そのため、妊娠中は通常よりも髪が抜けにくく、毛量が増えたように感じることが多くあります。

しかし、出産を終えるとエストロゲンの分泌量は急激に妊娠前のレベル、あるいはそれ以下に戻ります。この急激な落差により、本来であれば数ヶ月かけて徐々に抜けるはずだった髪が一斉に休止期に入り、抜け落ちてしまいます。

これが「分娩後脱毛症」の正体です。ホルモンの変動自体は生理的な現象であり、誰にでも起こりうるものです。

重要な点は、一度抜けた後に新しい髪がスムーズに生えてくるかどうかであり、そこで栄養状態が鍵を握ります。

授乳による栄養素の母体からの流出

母乳は「白い血液」とも呼ばれるように、母親の血液を原料として作られます。母乳育児を行っている場合、母親の体内に蓄えられた栄養素は優先的に母乳へと回されます。

特に髪の成長に必要なタンパク質、血液を作る鉄分、細胞分裂を助ける亜鉛などは、赤ちゃんの成長にも必要な栄養素であるため、母体では欠乏状態に陥りやすくなります。

髪の毛は生命維持に関わる臓器ではないため、栄養不足の状態では体の中で真っ先に栄養供給をカットされる部位です。

授乳中に十分な栄養を摂取できていないと、体は髪の毛を作ることを後回しにします。その結果、抜け毛が長引いたり、新しく生えてくる髪が細く弱々しいものになったりします。

育児ストレスと睡眠不足による血流低下

産後は頻回な授乳や夜泣き対応などで、慢性的な睡眠不足に陥ります。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、体の修復や髪の成長を促す大切な時間ですが、この時間が削られることで髪の育成が阻害されます。

加えて、慣れない育児へのプレッシャーや疲労は自律神経の乱れを招きます。ストレスを感じると血管が収縮し、頭皮への血流が悪化します。

どんなに良い食事を摂っても、それを運ぶ血液の流れが滞っていては、毛根まで栄養が届きません。栄養不足と血行不良が重なることで、産後の抜け毛回復の環境は厳しくなります。

産後の抜け毛を助長する主な要因

  • エストロゲンの急激な減少によるヘアサイクルの強制リセット
  • 母乳生成によるタンパク質、鉄分、ミネラルの大量消費
  • 育児による睡眠時間の細切れ化と成長ホルモン分泌の低下
  • 精神的・身体的ストレスによる頭皮血管の収縮と血行不良
  • 産後ダイエットや食事制限によるエネルギー不足

髪の基礎を作る「タンパク質」の重要性と摂取法

髪の毛の約80%から90%はケラチンというタンパク質で構成されており、良質なタンパク質の摂取不足は髪の原料不足に直結します。

ケラチンの合成とアミノ酸スコア

私たちが食事で摂取したタンパク質は、一度アミノ酸に分解されて吸収され、体内で再び必要なタンパク質へと再合成されます。髪の主成分であるケラチンを合成するためには、約18種類のアミノ酸が必要です。

特に体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む食材を摂ることが、丈夫な髪を作る第一歩となります。

「アミノ酸スコア」が高い食材、つまり肉や魚、卵、大豆製品などを積極的にメニューに取り入れる必要があります。

タンパク質が不足すると髪が細くなるだけでなく、切れ毛や枝毛の原因にもなり、全体的な髪のボリュームダウンにつながります。産後は特に筋肉量も落ちやすいため、意識的な摂取が求められます。

主なタンパク質源の特徴とおすすめの食べ方

食材カテゴリ特徴とメリット産後におすすめの食べ方
肉類(赤身肉、鶏むね肉)鉄分や亜鉛も同時に摂取できる。特に赤身肉は吸収率の良いヘム鉄が豊富。脂身の少ない部位を選び、蒸し料理やスープにして消化への負担を減らす。
魚介類(鮭、青魚)良質な脂質(EPA・DHA)を含み、血流改善も期待できる。缶詰(サバ缶やツナ缶)を活用すれば、育児の合間でも手軽に摂取可能。
大豆製品(納豆、豆腐)イソフラボンがホルモンバランスをサポート。脂質が低くヘルシー。味噌汁の具や、ご飯にかけるなど、毎食のサイドメニューとして常備する。

動物性タンパク質と植物性タンパク質のバランス

タンパク質には肉や魚に含まれる動物性と、大豆などに含まれる植物性の2種類があります。動物性タンパク質は吸収率が高く必須アミノ酸も豊富ですが、脂質が多い傾向があります。

一方、植物性タンパク質は脂肪燃焼を助けたり、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含んでいたりと、女性に嬉しいメリットがあります。

どちらか一方に偏るのではなく、両方を組み合わせる「ダブルタンパク質」を意識してください。例えば、朝は納豆や豆乳で植物性を摂り、夜は肉や魚で動物性を摂るといった工夫が有効です。

こうした食べ合わせによって、持続的に体内のアミノ酸濃度を保つことができます。

産後の推奨摂取量と効率的な食べ方

授乳中の女性は、通常時よりも多くのタンパク質を必要とします。厚生労働省の基準などを参考にすると、1日あたり少なくとも50gから60g、できればプラス15gから20g程度の上乗せ摂取が理想的です。

一度に大量に食べても体内に貯蔵できないため、朝昼晩の3食に分けてこまめに摂ることが大切です。

特に朝食でタンパク質をしっかり摂ることは、体温を上げ代謝を高める効果もあり、頭皮への血流改善にも寄与します。

毛根への酸素運搬を担う「鉄分」の補給戦略

鉄分不足は頭皮の酸欠を招き、毛母細胞の分裂を停止させるため、吸収率の高いヘム鉄を中心にビタミンCと組み合わせて摂取することが回復への近道です。

ヘモグロビンと髪の成長の関係

血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンは、全身の細胞に酸素を運ぶ役割を担っています。ヘモグロビンの材料となるのが鉄分です。

髪の毛を作り出す毛母細胞は、体の中でも特に細胞分裂が活発な場所であり、その活動には大量の酸素とエネルギーが必要です。

産後は出産時の出血や悪露、さらには母乳への鉄分移行により、多くの女性が潜在的な鉄欠乏性貧血の状態にあります。鉄分が不足するとヘモグロビンが減少し、毛根まで十分な酸素が届かなくなります。

その結果、髪が細く弱くなったり、抜けやすくなったりします。立ちくらみや疲れやすさを感じる場合は、髪への酸素供給も滞っているサインと考えられます。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

食品に含まれる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に含まれ、体内への吸収率が高い(約10〜20%)のが特徴です。

一方、非ヘム鉄は野菜や海藻、大豆などに含まれますが、吸収率は低め(約2〜5%)です。日本人の食生活では非ヘム鉄の摂取が多くなりがちです。

産後の効率的な回復を目指すなら、吸収率の良いヘム鉄を含む食材を意識して選ぶことが重要です。レバーや赤身の肉、カツオなどを食卓に並べる頻度を上げましょう。

鉄分を多く含む食材と吸収率アップの組み合わせ

鉄分の種類代表的な食材効果的な食べ合わせ
ヘム鉄(吸収率高)豚レバー、鶏レバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ、アサリ酸味のある食材(梅干しやお酢)と共に調理し、胃酸の分泌を促して吸収を助ける
非ヘム鉄(吸収率低)小松菜、ほうれん草、ひじき、納豆、プルーンビタミンC(ブロッコリーやピーマン、果物)と一緒に摂ることで、吸収率を高める
吸収を阻害するものコーヒー、紅茶、緑茶(タンニンが含まれるもの)食事中や食後すぐは避け、麦茶やルイボスティーなどを選ぶ

貯蔵鉄(フェリチン)を意識する

血液検査でヘモグロビン値が正常でも、「隠れ貧血」である可能性があります。これは体内の予備タンクである「フェリチン(貯蔵鉄)」が枯渇している状態です。

髪の成長には、このフェリチンの値が十分であることが重要視されています。鉄分は体内で合成できないため、食事から継続的に摂り続けるしかありません。

一度に大量に摂るよりも、毎日コツコツと摂取し、貯蔵鉄を少しずつ満たしていく姿勢が、長期的な髪の美しさを支えます。

細胞分裂の触媒となる「亜鉛」の確実な摂取

亜鉛は摂取したタンパク質を髪へと変換する際に必須となるミネラルであり、クエン酸やビタミンCと共に摂取することで吸収効率を最大化できます。

ケラチン再合成における亜鉛の役割

タンパク質をたくさん食べても、それだけでは髪にはなりません。アミノ酸に分解されたタンパク質が、毛根で再びケラチンタンパク質として合成される際に、触媒として働くのが亜鉛です。

つまり、亜鉛が不足していると、せっかく摂ったタンパク質が髪の材料として有効に使われないことになります。

また、亜鉛は細胞分裂を正常に行うためにも不可欠なミネラルです。毛母細胞の活発な分裂を支え、健康な髪を次々と生み出すサイクルを回すために、亜鉛はエンジンの点火プラグのような役割を果たしています。

吸収を阻害する要因と対策

亜鉛は非常に吸収率が悪いミネラルとして知られています。さらに、加工食品に多く含まれる食品添加物(ポリリン酸など)や、穀類や豆類に含まれるフィチン酸は、亜鉛と結合して体外へ排出してしまう性質があります。

現代の食生活ではコンビニ食やインスタント食品に頼ると亜鉛不足に陥りやすくなります。

産後で調理の時間が取れない場合でも、できるだけ加工度の低い食品を選んだり、添加物の少ないものを選んだりする配慮が必要です。

亜鉛を豊富に含む食材とおすすめメニュー

食材含有量の目安と特徴おすすめメニュー
牡蠣(カキ)食品の中でトップクラスの含有量。数個で1日の必要量を満たす。レモン(ビタミンCとクエン酸)をかけた生牡蠣や、牡蠣のオイル漬け。
豚レバー・牛赤身肉鉄分とタンパク質も同時に摂れる優秀な食材。レバニラ炒め。ニラの成分が吸収を助け、疲労回復にも寄与する。
ナッツ類(アーモンド等)手軽なおやつとして摂取できる植物性の亜鉛源。無塩・素焼きのものを選び、間食として数粒食べる。

過剰摂取への注意点

亜鉛は重要ですが、サプリメントなどで極端に過剰摂取すると、銅や鉄の吸収を妨げたり、免疫機能に影響を与えたりする可能性があります。

通常の食事で過剰になることは稀ですが、サプリメントを利用する場合は用量を守ることが大切です。基本的には食事からの摂取をベースに考えましょう。

頭皮環境を整える「ビタミン群」の相乗効果

ビタミンB群は代謝を助け、ビタミンCとEは抗酸化作用と血流促進により頭皮の老化を防ぐため、三大栄養素とセットで摂ることで育毛効果を底上げします。

ビタミンB群と代謝サポート

ビタミンB群、特にビタミンB2やB6はタンパク質の代謝を助け、皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。

産後はホルモンバランスの乱れから頭皮が乾燥したり、逆にベタついたりと不安定になりがちです。ビタミンB群を適切に摂ることで、頭皮環境を健やかに保ち、フケや炎症を防ぐことができます。

また、「ビオチン(ビタミンH)」もB群の仲間であり、アミノ酸の代謝に関わり、髪の毛や皮膚の健康維持に深く関与しています。

これらは水溶性で体外に排出されやすいため、毎日コンスタントに摂取する必要があります。

ビタミンCのコラーゲン生成作用

ビタミンCは鉄分の吸収を高めるだけでなく、頭皮の真皮層にあるコラーゲンの生成を助けます。コラーゲンは頭皮の弾力を保ち、毛根をしっかりと支える土台となります。

土台がしっかりしていないと、健康な髪は育ちません。また、ストレスに対抗するホルモンの生成にもビタミンCが消費されるため、育児中のママは意識的に多めに摂ることをおすすめします。

ビタミンEの血行促進作用

「若返りのビタミン」とも呼ばれるビタミンEには強い抗酸化作用とともに、末梢血管を広げて血流を良くする働きがあります。

頭皮の毛細血管まで血液をスムーズに流し、栄養を届けるためにはビタミンEの力が役立ちます。

髪を育てるビタミン群の働きと食材

栄養素主な働き多く含む食材
ビタミンB2・B6過剰な皮脂分泌を抑え、皮膚や粘膜の健康を維持する。細胞の再生を助ける。レバー、卵、納豆、カツオ、マグロ、バナナ
ビタミンC鉄や亜鉛の吸収をサポート。頭皮のコラーゲン生成。抗酸化作用。赤ピーマン、ブロッコリー、キウイ、柑橘類、イチゴ
ビタミンE血管拡張による血行促進。細胞の酸化(老化)を防ぐ。アーモンド、アボカド、うなぎ、植物油、カボチャ

抜け毛を悪化させないために避けるべき食習慣

糖質の過剰摂取や極端なカロリー制限は血液をドロドロにし毛根への栄養供給を遮断するため、髪の回復期においては厳に慎むべきです。

糖質の摂りすぎと「糖化」

育児の疲れから、つい甘いお菓子やジュース、炭水化物中心の食事に偏ってしまうことがあります。しかし、糖質を過剰に摂取すると、体内のタンパク質と糖が結びつく「糖化」という現象が起こります。

頭皮や血管が糖化すると、柔軟性が失われて硬くなり、血行不良を招きます。また、毛根の細胞も糖化の影響を受けると、髪を生み出す力が弱まってしまいます。

疲れを癒やすための適度な甘いものは心の栄養になりますが、常習的な摂取は髪にとってマイナス要因となります。

加工食品と添加物の影響

スナック菓子やインスタント食品、ファストフードなどは、高脂質・高塩分でありながら、ビタミンやミネラルがほとんど含まれていない「エンプティカロリー」であることが多いです。

これらを主食にしてしまうと、満腹感はあっても髪に必要な栄養素が枯渇状態になります。また、前述の通り、一部の食品添加物はミネラルの吸収を阻害します。

便利な食品に頼る日があっても良いですが、その際はサラダや具沢山のスープを追加するなど、栄養バランスを整える工夫を加えることが大切です。

無理な産後ダイエットの弊害

妊娠中に増えた体重を早く戻したいという気持ちは理解できますが、産後すぐの無理な食事制限は髪にとって致命的です。

摂取カロリーを極端に減らせば、体は生命維持を優先し、髪や肌への栄養供給をストップします。これが抜け毛の長期化や、肌荒れの原因となります。

まずは体を回復させ、髪が生え揃ってから徐々に体型を戻していくという長期的な視点を持つことが重要です。

髪のために見直したい食生活のポイント

  • 甘い清涼飲料水や菓子パンを毎日の食事代わりにしない
  • 深夜のドカ食いを避け、夕食は消化の良いものを適量にする
  • 「○○だけ食べる」といった単品ダイエットは行わない
  • 冷たい飲み物ばかり飲まず、温かい飲み物で内臓を温める
  • よく噛んで食べ、胃腸での消化吸収を助ける

食事の効果を高める生活習慣とヘアケア

良質な睡眠の確保と正しい頭皮ケアは、食事で摂取した栄養素を効率よく髪へ届けるための土台となり、回復スピードを加速させます。

睡眠の質を高める工夫

産後はまとまった睡眠をとることが難しい時期ですが、短時間でも質の高い睡眠をとることで成長ホルモンの分泌を促すことができます。

赤ちゃんと一緒にお昼寝をする、家事は完璧を目指さずに休む時間を確保するなど、細切れでも体を休める意識を持ちましょう。

また、寝る直前のスマートフォンの使用はブルーライトが交感神経を刺激し、眠りを浅くします。

授乳の合間など、少しの時間でも目と脳を休めることが結果的に自律神経を整え、頭皮への血流を守ることにつながります。

頭皮環境を守るケア

産後の頭皮は敏感で乾燥しやすい状態です。洗浄力の強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで奪い、頭皮トラブルの原因になります。アミノ酸系などの低刺激なシャンプーを選び、優しく洗うことが大切です。

また、洗髪後は濡れたまま放置せず、なるべく早く乾かすことも重要です。頭皮が湿った状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、健康な髪の成長を妨げます。

食事で内側から栄養を送ると同時に、外側からも優しいケアで頭皮環境を守ってあげましょう。

育毛をサポートする毎日の習慣

  • 入浴時はシャワーだけでなく、可能な日は湯船に浸かり全身を温める
  • 頭皮マッサージを行い、物理的に血流を促進する
  • 紫外線対策を行い、頭皮の酸化ダメージを防ぐ
  • ヘアカラーやパーマは頭皮の状態が落ち着くまで控える
  • リラックスできる時間を意識的に作り、ストレスホルモンを減らす

忙しいママでも続く!髪を育てる献立例

調理の手間を省きつつ栄養価を最大化するために、「缶詰の活用」「のっけご飯」「具沢山汁物」を基本としたメニュー構成を取り入れることが継続の秘訣です。

コンビニや時短食材の賢い活用法

全てを手作りする必要はありません。コンビニやスーパーのお惣菜でも、選び方一つで育毛メニューに変わります。

例えば、おにぎりを選ぶなら「鮭」や「納豆巻き」を選び、そこに「ゆで卵」と「野菜サラダ」をプラスするだけで、タンパク質・ビタミン・ミネラルのバランスが整います。

また、冷凍のブロッコリーやほうれん草、カット野菜などは、洗う・切る手間がなく、ビタミン補給に最適です。これらを味噌汁やスープに放り込むだけで、立派な栄養スープが完成します。

手軽に作れる育毛メニューの組み合わせ例

シーンメニュー例栄養ポイント
朝食(時間がない時)納豆卵かけご飯 + インスタント味噌汁(乾燥わかめ追加)納豆(植物性タンパク質・亜鉛)と卵(動物性タンパク質・ビオチン)で最強の組み合わせ。わかめでミネラル補給。
昼食(簡単に済ませたい時)サバ缶のトマトパスタ + ベビーリーフのサラダサバ缶(EPA・DHA・タンパク質)とトマト(リコピン)で抗酸化。パスタでエネルギー確保。
夕食(しっかり食べる時)豚肉と小松菜のオイスター炒め + 冷奴 + あさりの味噌汁豚肉(ビタミンB群・タンパク質)と小松菜(鉄分・ビタミンC)で貧血予防。あさりで鉄分と亜鉛を強化。
間食(小腹が空いた時)無糖ヨーグルト + きな粉 + アーモンド数粒タンパク質、カルシウム、イソフラボン、ビタミンEを同時に補給できる美容おやつ。

朝・昼・晩のバランス調整

1食ですべての栄養を完璧に摂る必要はありません。1日、あるいは2〜3日のスパンでバランスが取れていれば大丈夫です。

朝は手軽に納豆ご飯と卵、昼は麺類に野菜やお肉をトッピング、夜は具沢山のスープと魚料理、といったように、無理のない範囲で組み立てていきましょう。

よくある質問

産後の抜け毛はいつまで続くのでしょうか?

個人差はありますが、一般的には産後2〜3ヶ月頃から始まり、6ヶ月頃にピークを迎えます。その後、ホルモンバランスの安定とともに徐々に落ち着き、1年程度で自然に回復するケースが大半です。

ただし、栄養不足や強いストレスがあると長引くことがあるため、この期間の食事ケアが重要になります。

授乳中ですが、育毛サプリメントを飲んでも大丈夫ですか?

授乳中は、摂取した成分が母乳を通じて赤ちゃんに届く可能性があります。

基本的には食事からの摂取が理想ですが、どうしても不足する場合は「授乳期用」や「妊婦用」として販売されているサプリメントを選ぶと安心です。

一般的な育毛サプリには、授乳中に避けた方が良いハーブなどが含まれている場合があるため、使用前に必ず医師や薬剤師に相談するか、成分表示をよく確認してください。

食事を変えれば、すぐに抜け毛は止まりますか?

残念ながら、食事改善の効果が髪に現れるまでには時間がかかります。

髪は1ヶ月に約1cmしか伸びず、現在の頭皮の下で準備されている髪が表面に出てくるまでに数ヶ月のタイムラグがあるためです。

今日食べたものが明日の髪になるわけではありませんが、3ヶ月後、半年後の髪の質は確実に変わります。焦らず継続することが大切です。

プロテインを飲んでも良いでしょうか?

食事だけでタンパク質を必要量摂るのが難しい場合、プロテインを活用するのは有効な手段です。添加物が少なく、授乳中の女性でも飲めるタイプを選びましょう。

ソイプロテイン(大豆由来)ならイソフラボンも摂取でき、ホエイプロテイン(牛乳由来)なら吸収が早いため、目的に合わせて選んでください。あくまで食事の補助として活用しましょう。

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この記事を書いた人

Dr.本田マイケル 武史のアバター Dr.本田マイケル 武史 MYCLI 統括院長 / 医療法人史真会 理事長

がん研有明病院や聖路加国際病院の形成外科にて、長年にわたり顕微鏡を用いた微細な手術(マイクロサージャリー)や組織移植に携わってきました。 自毛植毛において最も重要なのは、採取したドナー(毛根)をいかにダメージなく扱い、高い「生着率」を実現するか、そして自然な流れを再現するかです。私が再建外科の最前線で培ってきた、0.1ミリ単位の緻密な組織操作技術は、まさに自毛植毛のクオリティに直結します。「ただ増やす」だけでなく、形成外科医としての解剖学的知識に基づいた、安全で確実な毛髪再生医療をご提供します。

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