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コラム

2023.09.08

アクアフィリング豊胸は危険?アクアフィリングの6つの危険性と除去方法を解説!

「アクアフィリング豊胸を前にしたけど、危険と聞いて心配・・・」

「アクアフィリングって除去できる・・・?」

「アクアフィリングを除去して新しく豊胸ってできる・・・?」

こんな悩みを持つ方に向けた記事です。

アクアフィリング豊胸はゼリー状の注入剤をお胸に注射する豊胸方法です。

日本美容外科学会は、様々な合併症の懸念から、豊胸目的でアクアフィリングを使用することは推奨しないと表明しています。

「アクアフィリング豊胸は危険」と聞いて、既にアクアフィリング豊胸をした方、これからアクアフィリング豊胸を考えている方はとても心配になるかもしれません。

本記事では、アクアフィリング豊胸とは何か、アクアフィリング豊胸の6つの危険性、アクアフィリングを除去する方法、そしてアクアフィリング除去後の豊胸について詳しく解説します。

アクアフィリング豊胸は危険?アクアフィリングとは

アクアフィリング豊胸はアクアフィリングというゼリー状の注入剤を用いた豊胸方法です。

アクアフィリングは98%が生理食塩水、2%がアクリルアミド系の化学物質から作られている生体充填剤です。

アクアフィリングは1990年代から豊胸剤として用いられるようになりました。当初は成分の98%が生理食塩水、いわゆる体内における水分であり、体に馴染みやすく、さらに持続期間も3〜5年と比較的長いと考えられていたことから、優れた豊胸方法と呼ばれていました。

しかし近年、合併症や安全性の観点からアクアフィリングの危険性が各国で懸念されています

日本美容外科学会は、合併症の懸念から、豊胸目的でアクアフィリングを使用することは推奨しないと表明しています。

アメリカのFDA(日本の厚生労働省のような機関)は豊胸目的でアクアフィリングを使用することを認可していません。

イギリスの美容外科学会は豊胸目的のアクアフィリングの使用について注意喚起をしています。

アクアフィリングはなぜ危険と考えられているのでしょうか。

アクアフィリングの危険性について以下で解説します。

出典:Shin et al, Arch Aesthetic Plast Surg, 2015

日本美容外科学会

Dermal Fillers (Soft Tissue Fillers)(U.S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION)

BRITISH ASSOCIATION OF AESTHETIC PLASTIC SURGEONS

アクアフィリング豊胸の6つの危険性

アクアフィリング豊胸はアメリカのFDAでは認可されていない上、日本を含む各国から使用について注意喚起がなされています。

アクアフィリングの6つの危険性について以下で深掘りします。

危険性1:吸収されない

アクアフィリング豊胸の1つ目の危険性は、吸収されないことです。

アクアフィリングは一部化学物質で出来ており、体にとっては異物です。完全に吸収されることは原則なく、体に残り続けます

アクアフィリングは吸収されずに体に残り続けるため、生涯にわたって以下で解説するような危険性の心配をする必要があります。

危険性2:しこりを形成する可能性がある

アクアフィリング豊胸の2つ目の危険性は、しこりを形成する可能性があることです。

アクアフィリング豊胸はしこりが出来にくい豊胸と言われていました。しかし、少なからずアクアフィリング豊胸後にしこりを形成したことが報告されています

アクアフィリング豊胸後にしこりが形成されると、お胸の見た目がごつごつした印象になる、そして乳腺腫瘤との区別がつきにくい、などの問題が生じる可能性があります。

 出典:Namgoong, Aesthetic Plastic Surgery, 2020

危険性3: 体内で移動する可能性がある

アクアフィリング豊胸の3つ目の危険性は、体内で移動する可能性があることです。

アクアフィリングは注入した箇所に留まらず、体内を移動して広がっていくことがあります。アクアフィリングを使用した方の約8%で認められたとする報告もあります。

アクアフィリングはお腹、背中、そして股間にまで移動した例が報告されています。

移動したアクアフィリングは閉塞症を引き起こしたり、感染の原因になったりする恐れがあり、注意が必要です。

出典:Namgoong, Aesthetic Plastic Surgery, 2020

危険性4:感染を引き起こす可能性がある

アクアフィリング豊胸の4つ目の危険性は、感染を引き起こす可能性があることです。

アクアフィリングは異物であり感染を生じる場合があります

感染が生じると、お胸の赤み、痛みなどが生じることがあります。抗菌薬加療や穿刺排液で治療できる場合もあれば、手術で感染しているアクアフィリングを可及的に除去しなければならない場合もあります。

アクアフィリング豊胸後は、たとえ施術から年単位の期間が経過していても、授乳などをきっかけに手術が必要な程の感染を引き起こしてしまうこともあり、注意が必要です。

 出典:Jung et al, Aesthetic Plastic Surgery, 2018

危険性5: 授乳できない可能性がある

アクアフィリング豊胸の5つ目の危険性は、授乳できない可能性があることです。

なぜなら、アクアフィリングが乳管閉塞を引き起こす場合があるからです。

アクアフィリングは体内を移動することが知られています。アクアフィリングによって母乳の通り道である乳管閉塞を引き起こすと授乳が困難になる可能性があります

また、乳管内へ移行したアクアフィリングは母乳と一緒に分泌される恐れがあります

アクアフィリングは発がん性も報告されており、安全性は確立されていません。

アクアフィリング豊胸後は基本的に授乳できないと考えておく方が無難です。

 出典:Jung et al, Aesthetic Plastic Surgery, 2018

Chalcarz et al, Aesthetic Plast Surg, 2021

危険性6:発がん性の可能性がある

アクアフィリング豊胸の6つ目の危険性は、発がん性を有する可能性があることです。

アクアフィリングの合成成分であるアクリルアミドは発がん性が疑われています

動物実験ではアクリルアミドの発がん性を報告する文献もあります。

豊胸で使用するアクアフィリング自体の発がん性がはっきり証明されているわけではありません。しかし、安全性が証明されているわけではなく、注意が必要です。

アクアフィリングの6つの危険性について解説しました。しかし、実際にアクアフィリング豊胸を既に行った方はどうすれば良いのでしょうか。

以下でアクアフィリングを除去する方法について解説します。

出典:National Toxicology Program, Natl Toxicol Program Tech Rep Ser, 2012

アクアフィリングを除去する方法

アクアフィリングは除去術を行うことで可能な限り体内から除去することが出来ます

アクアフィリング除去術は主に、超音波で体表からアクアフィリングを確認し、脂肪吸引と同じような方法で5mm程度のお傷から直接アクアフィリングを吸引していきます。

お胸に切開をしてアクアフィリングを圧出する方法もあります。しかし、圧出する方法はアクアフィリングの留置部位から体表までトンネルが出来てしまい、お胸の変形を引き起こす可能性があるためおすすめできません。

アクアフィリングが感染を引き起こしている場合はお胸を数センチ切開し、用手的にアクアフィリングを掻き出す方法で除去を行うこともあります。

いずれにしても移動しているアクアフィリングを含め、体内のアクアフィリングを完全に除去することは難しいです。アクアフィリング除去術の目標は可能な限り多くのアクアフィリングを除去することです。

アクアフィリングを可能な限り多く除去することで上記の合併症の可能性を限りなく下げることができます。

アクアフィリングを除去した後に再度、他の方法で豊胸を行うことはできるのでしょうか。

アクアフィリング除去後の豊胸について以下で解説します。

アクアフィリング除去後の豊胸

アクアフィリング除去後も別の方法で豊胸を行うことが出来ます

アクアフィリング除去後は、脂肪注入豊胸、シリコンバック豊胸、そしてハイブリッド豊胸などが施行可能です。

アクアフィリング除去後の脂肪注入豊胸は注入できる脂肪の量が通常より少なくなります。

なぜなら、アクアフィリングが注入されていた部位への脂肪注入は原則行わないからです。

シリコンバック豊胸は通常と同じように施行することが出来ます。

当院ではアクアフィリング除去後の豊胸は、原則、除去後1ヶ月以上期間をあけてから行っています。

アクアフィリング豊胸歴がある方はない方に比べると豊胸手術によって感染を生じる可能性が高くなります。当院ではアクアフィリング除去後に豊胸を行った方は1〜2週間、点滴の抗菌薬投与を行い、慎重にアフターフォローを行っています。

【まとめ】アクアフィリングの危険性をしっかり理解しましょう

本記事では、アクアフィリングとは何か、アクアフィリング豊胸の6つの危険性、アクアフィリングを除去する方法、そしてアクアフィリング除去後の豊胸について解説しました。

アクアフィリング豊胸は集客性が高く、取り扱っているクリニックも多いです。必ず危険性についてしっかりと理解した上で検討しましょう。

既にアクアフィリング豊胸を行った方は、危険性を理解し、豊胸手術の経験が豊富な信頼できるクリニックへ相談するようにしましょう。

当院は2022年度、390件の豊胸手術を行っています。アクアフィリング除去、そしてアクアフィリング除去後の豊胸も行っています。

アクアフィリング豊胸後の方については特に事前カウンセリング、アフターフォローを慎重に行っております。

アクアフィリング豊胸後でお悩みの方は安心してご相談下さい。

監修者

  • 日本形成外科学会
  • 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会所属

本田マイケル武史(本田武史)

乳がん術後の乳房再建を年間100件以上執刀してきた形成外科医。 その傍ら美容外科医として幅広い技術を習得し専門医取得要件を満たしたことを機に美容1本に絞る。自然な仕上がりでより満足度の高い施術を極めるため理論・技術を徹底的に学び沢山のゲストの要望に応え、より一人一人に寄り添った施術を行いたいという気持ちからMYCLIを開院。 開院後1年で豊胸術件数において個人院国内トップクラスに。 技術だけではなく、カウンセリングからアフターケアまでゲストに寄り添う姿勢が評判をよび数カ月先まで予約殺到。信頼できる上、気さくで物腰柔らかい人柄によりリピーターのゲストも後を絶たない。

MYCLIマイクリ

脂肪吸引・豊胸・エイジングケア専門クリニック

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