2025.04.17
豊胸後のしこりは大丈夫?豊胸と乳癌の関係を3つの方法別に解説!

「豊胸と乳癌ってどんな関係があるの・・・?」
「豊胸後にしこりを触れるけど大丈夫・・・?」
こんな悩みを持つ皆様に向けた記事です。
結論、ヒアルロン酸注入豊胸、脂肪注入豊胸、シリコンバック豊胸と人体における乳癌の発症について直接的な関係は現時点では証明されていません。
本記事では、豊胸と乳癌の関係(豊胸方法別)、そして豊胸後にお胸に生じるしこりの具体的な種類について解説します。
目次
豊胸と乳癌の関係を方法別に解説
豊胸と一括りにいっても豊胸方法は様々です。
代表的な豊胸方法であるヒアルロン酸注入豊胸、脂肪注入豊胸、シリコンバック豊胸について、乳癌との関係を深掘りしていきます。
ヒアルロン酸注入豊胸
ヒアルロン酸注入豊胸はヒアルロン酸をお胸に注入しボリュームアップする豊胸方法です。
ヒアルロン酸と発がん性の関連については完全に否定はできません。
一部のヒアルロン酸について発がん性の可能性を示唆する報告があります。本報告は人体や動物での報告ではなく、一部のヒアルロン酸の人体における発がん性を確定するものではありません。
ヒアルロン酸注入豊胸は注入方法によっては施術後にお胸のしこりを生じる可能性があります。
ヒアルロン酸注入豊胸後であってもマンモグラフィー、超音波などのお胸の一般的な検査は問題なく受けることができます。
ただ、豊胸をしていない方と比較すると、人によっては検査による診断がしづらくなる可能性もあります。
検査前には必ず豊胸していることを担当の医師やスタッフに伝えるようにしましょう。
出典:
Ooki et al, Developmental Cel, 2019
脂肪注入豊胸
脂肪注入豊胸は自身の別部位から採取した脂肪をお胸に注入しボリュームアップする豊胸方法です。
脂肪注入豊胸後にお胸にしこりを生じることがあります。
脂肪注入後に生じるお胸のしこりは、注入した後に生着しきっていない脂肪がしこりとして表出していることが多いです。
脂肪注入豊胸後にお胸にしこりを触れることに気が付いた場合は、遠慮せずに施術元の医師などに相談しましょう。
なぜなら、乳がんなどがしこりとして触れている可能性も否定できないからです。
また、生着していない脂肪がしこりになっている場合は体表から針を刺して排液することでしこりの改善が見込めます。
外から触るだけでは、注入した脂肪によるしこりであるか、乳がんなどの専門的な治療が必要な疾患であるか、区別することは容易ではありません。
必ず、しこりを放っておかず医師に相談するようにしましょう。
脂肪注入豊胸後であってもマンモグラフィー、超音波などお胸の一般的な検査は問題なく受けることができます。
ただ、豊胸をしていない方と比較すると人によっては検査による診断がしづらくなる可能性もあります。
検査前には必ず豊胸していることを担当の医師やスタッフに伝えることが大切です。
シリコンバック豊胸
シリコンバック豊胸はお胸にシリコンバックを挿入することでボリュームアップする豊胸方法です。
シリコンバック豊胸が乳癌発症のリスクになるということは現状ありません。
しかし、一部のシリコンバックがリンパ腫(未分化大細胞リンパ腫)の発症に寄与することが報告されています。
リンパ腫の発症に主に寄与しているシリコンバックは、テクスチャードタイプと呼ばれる表面がざらざらしたタイプであることが報告されており、一部の国では使用が禁止されています。
リンパ腫の発生頻度はテクスチャードタイプのシリコンバックを使用した中で1/30,000程度と概算されており、頻度が高いとは考えにくいでしょう。
当院ではテクスチャードタイプのシリコンバッグは使用しておりません。
シリコンバック豊胸後のお胸の検査には注意が必要です。
なぜなら、シリコンバック豊胸後は多くの施設でマンモグラフィーの検査を受けることができない可能性があるためです。
施設によってはマンモグラフィー検査も可能なので、施設の方に事前に相談するようにしましょう。
シリコンバック豊胸後も超音波検査は問題なく施行することができます。
シリコンバック豊胸後にお胸にしこりを感じた場合は放っておかず施術元に相談するようにしましょう。
豊胸後のしこりの種類
代表的な豊胸方法と乳癌の関係について解説しました。
豊胸後にお胸に生じるしこりにはどのような種類があるでしょうか。
豊胸後のしこりの具体的な内容は以下の通りです。
- 乳癌
- 良性腫瘤
- リンパ腫
それぞれ以下で深掘りします。
乳癌
豊胸後に感じるしこりで皆様が一番心配なのが乳癌でしょう。
乳癌はお胸にできる悪性腫瘍です。乳癌は40代、60代の女性で多く発症します。しかし、若い方だと20代、ご年配の方だと90代でも発症することがあり、好発年齢ではないからと言って安心はできません。
脂肪注入豊胸やシリコンバック豊胸と乳癌発症の明らかな関係は示唆されていません。
ただ、豊胸後はできるお胸の検査が限られる可能性があることは知っておくと良いでしょう。
出典:がん情報サービス
良性腫瘤
お胸のしこりには、乳癌という悪性のしこりだけではなく、良性のしこりもあります。
具体的には、線維腺腫、葉状腫瘍、過誤腫などが良性腫瘤にあたります。
「良性」と言っても大きさなどによっては手術で切除することが推奨される場合もあります。
また、脂肪注入豊胸によって生着しなかった脂肪がしこりとして触れることもあります。
もちろん、生着しなかった脂肪は「良性」です。
注入した脂肪によって形成されるしこりは体表から触れて分かるような大きなしこりから、検査をしてようやく見えるような小さなしこりまで様々です。
脂肪注入によって生じるしこりは注入方法を工夫することで防ぐことが出来る可能性があります。
当院では脂肪注入後にしこりが生じる可能性を下げるため、一か所に集中して脂肪を注入するのではなく、お胸全体に多数の層に分けて脂肪を注入するといった工夫をしています。
脂肪注入後に生着しなかった脂肪によって生じたお胸のしこりは細い針を刺して排液するといった方法で改善が見込めます。
外から触るだけでは良性と悪性の区別はつきません。豊胸後にお胸のしこりを自覚した際は必ず施術元に相談するようにしましょう。
出典:Shida et al, Plast Reconstr Surg Glob Open, 2017
リンパ腫
シリコンバック豊胸後に生じる可能性があるお胸のしこりとして、リンパ腫があります。
リンパ腫の発症に主に寄与しているシリコンバックは、テクスチャードタイプと呼ばれる表面がざらざらしたタイプであることが報告されています。発症頻度は1/30,000程度です。
当院ではテクスチャードタイプのシリコンバッグは使用しておりません。
頻度が高いとは決して言えないですが、シリコンバック豊胸のリスクの1つとして知っておくことは良いことでしょう。
【まとめ】豊胸後のお胸のしこりは放っておかず相談しましょう
本記事では、方法別の豊胸と乳癌の関係、豊胸後のお胸のしこりの種類について解説しました。
脂肪注入豊胸、シリコンバック豊胸は乳癌発症に寄与することは基本的にはないと考えてよいでしょう。
しかし、豊胸後はお胸の検査方法が制限される場合もあることに注意が必要です。
豊胸後のお胸の代表的なしこりは以下の通りです。
- 乳癌
- 良性腫瘤
- リンパ腫
大切なことは、豊胸後であってもお胸にしこりを感じた場合には放っておかずに必ず相談することです。
また、乳癌検診を初めとする検診は必ず受けるようにしましょう。
検診の際は豊胸していることを事前に施設に伝え、検査方法を相談することをおすすめします。
当院は豊胸後のアフターフォローにも力をいれています。豊胸後の検診先に困った際もご相談可能です。
豊胸を検討されている方は安心してご相談ください。

監修者
- 日本形成外科学会
- 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会所属
本田マイケル武史(本田武史)
乳がん術後の乳房再建を年間100件以上執刀してきた形成外科医。 その傍ら美容外科医として幅広い技術を習得し専門医取得要件を満たしたことを機に美容1本に絞る。自然な仕上がりでより満足度の高い施術を極めるため理論・技術を徹底的に学び沢山のゲストの要望に応え、より一人一人に寄り添った施術を行いたいという気持ちからMYCLIを開院。 開院後1年で豊胸術件数において個人院国内トップクラスに。 技術だけではなく、カウンセリングからアフターケアまでゲストに寄り添う姿勢が評判をよび数カ月先まで予約殺到。信頼できる上、気さくで物腰柔らかい人柄によりリピーターのゲストも後を絶たない。