2023.03.31
シリコンバッグ豊胸後の乳がん検診は?3つの注意点を解説
「シリコンバック豊胸をすると乳がん検診が受けられないって本当・・?」
「シリコンバック豊胸したら職場の検診は受けられない・・?バレたら嫌・・・」
こんな悩みを持った方々に向けた記事です。
シリコンバック豊胸後であっても問題なく乳がん検診を受けることができます。
むしろ、シリコンバック豊胸後の方ほど積極的に受けることをおすすめします。
しかし、豊胸したことを人に知られたくなくて気が付いたら何年も乳がん検診に行っていない、会社で乳がん検診を断られる、検査方法によっては検査ができない、なんてこともあります。
本記事では、シリコンバック豊胸後の乳がん検診の3つの注意点をチップ入りインプラント(モティバ社)を使用した場合も含めて解説します。
目次
シリコンバック豊胸後の乳がん検診の3つの注意点
シリコンバック豊胸をすると、乳がん検診ができない、乳がん検診を断られた、という話を聞いて不安になっている方も多いかと思います。
シリコンバック豊胸後であっても問題なく乳がん検診を受けることができます。
しかし、シリコンバック豊胸後の乳がん検診は、豊胸をしていない人と同じようにできるわけではありません。
今回、シリコンバック豊胸後の方が理解しておくべき乳がん検診における3つの注意点を解説していきます。
注意点1:検査に対する抵抗感
豊胸をした方は豊胸の事実を知られたくないという葛藤によって医療機関受診の遅れが生じる、また医療者の豊胸した方に対する診察の経験不足によって乳がんの発見が遅くなるということが報告されています。
たとえ抵抗感があってもしっかりと乳がん検診を受けることが大切です。
検査場所と検査方法を適切に選ぶことで豊胸後の方も問題なく、そして職場の人や知り合いに知られることなく乳がん検診を受けることができます。
出典:Paolo et al, Aesth Plast Surg, 2016
注意点2:検査する場所
「シリコンバック豊胸をしたと伝えたら検診は受けることができないと言われた」というのは少なからずあります。
なぜなら、マンモグラフィーなど一部の検査は慣れていない人が検査をするとシリコンバックを破損してしまう恐れがあるからです。
大切なのはシリコンバック豊胸後の検査に慣れている施設で検査を受けることです。
豊胸後の検査に慣れている施設であればシリコンバック破損の可能性は非常に低いですし、全ての検査を受けることができます。
会社の検診であっても、乳房検診のみ他の施設で行うことができます。乳がん検診のみ他の施設で行えば、豊胸が職場の人に知られる可能性も低くなります。
シリコンバック豊胸後の方は約2年に1度はMRIや超音波検査などの検査を行ってバックの状態を確認し、最低10年間は経過観察を行うことが推奨されています。
経験豊富な施設であればシリコンバックの状態確認と乳がん検診を同時に行うことも可能です。
注意点3: 検査方法
シリコンバック豊胸後の方は検査方法にも注意が必要です。先に触れたように、検査によってはシリコンバック破損の恐れがあります。代表的な4つの検査についてそれぞれ説明して参ります。
マンモグラフィー
マンモグラフィーは乳房専用のX線検査です。
乳房を板で圧迫し薄く伸ばした状態で撮影をします。
シリコンバック豊胸で最も影響があるのがこのマンモグラフィーです。
施設や医師によってシリコンバック豊胸後のマンモグラフィーは原則できない、ということがあります。
なぜなら、マンモグラフィーの圧力がシリコンバック破損に繋がる可能性があるからです。
慣れている施設、慣れている検査技師さんであれば検査は実施可能です。
バックをよけて乳房の撮影を行うことができます。
チップ入りのシリコンバック(モティバ社)の場合も同様です。
出典:Meisamy et al, Open Journal of Medical Imaging, 2019
超音波
ゼリーを塗った乳房の上からプローブという小さな器具をあてて、反射波を画像化して乳房内を調べる検査です。
超音波はシリコンバック豊胸後の方も問題なく検査することができます。
超音波は乳がん検診に非常に有用です。
シリコンバック豊胸後の方ではシリコンバックの状態確認にも用いられます。
チップ入りのシリコンバック(モティバ社)の場合も乳腺の観察にチップの有無による影響は概ねないと報告されています。
出典:Meisamy et al, Open Journal of Medical Imaging, 2019
MRI
MRIは磁石と電磁波を使って体内の状態を断面像として描写する検査です。
乳がん検診で用いられることがあります。
シリコンバック豊胸後の方でも問題なく検査することができます。
シリコンバック豊胸後の方は体に金属がありMRIを受けられないと思っている方がいますが、誤解です。
チップ入りシリコンバック(モティバ社)を用いた方も同様に検査可能です(2004年以前にチップ入りのシリコンバック豊胸をした方は確認が必要)。
MRIは乳がん検診に用いられることがあります。
シリコンバック豊胸後の方ではシリコンバックの状態確認にも用いられます。
チップ入りシリコンバックの場合はMRIによってチップ部分にアーチファクト、つまり見えにくさが生じます。
アーチファクトが生じるのはインプラントよりも背側の筋肉や軟部組織であることがほとんどであり、乳房の観察には影響がないことが報告されています。
ちなみにですが、チップ入りシリコンバックが空港の金属探知機で反応することはありません。
身体検査のX線では写りますので身体検査を求められることがあります。
あらかじめ英語の診断書を用意してもらえばスムーズに通過できます。
出典:Meisamy et al, Open Journal of Medical Imaging, 2019
CT
CTは体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にする検査です。
一般に乳がん検診で用いられることは少ないです。
CTはシリコンバック豊胸後の方も問題なく検査することができます。
チップ入りのシリコンバックではMRI同様、チップ部分にアーチファクト、つまり見えにくさが生じます。
【さいごに】 シリコンバック豊胸後は定期的に乳がん検診を受けましょう
以上、シリコンバック豊胸後の乳がん検診の3つの注意点について解説しました。
日本では40歳以上の方に2年に1回、マンモグラフィーによる乳がん検診が推奨されています。
シリコンバック豊胸後の方は必ずしもマンモグラフィーだけではなく、超音波やMRIを用いた検診も有効な選択肢となります。
経験豊富な施設でしっかりと乳がん検診を受けるようにしましょう。
出典:日本対がん協会
監修者
- 日本形成外科学会
- 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会所属
本田マイケル武史(本田武史)
乳がん術後の乳房再建を年間100件以上執刀してきた形成外科医。 その傍ら美容外科医として幅広い技術を習得し専門医取得要件を満たしたことを機に美容1本に絞る。自然な仕上がりでより満足度の高い施術を極めるため理論・技術を徹底的に学び沢山のゲストの要望に応え、より一人一人に寄り添った施術を行いたいという気持ちからMYCLIを開院。 開院後1年で豊胸術件数において個人院国内トップクラスに。 技術だけではなく、カウンセリングからアフターケアまでゲストに寄り添う姿勢が評判をよび数カ月先まで予約殺到。信頼できる上、気さくで物腰柔らかい人柄によりリピーターのゲストも後を絶たない。