2024.01.05
乳房再建手術の自由診療と保険診療についてそれぞれ詳しく解説!
「乳房再建手術って何・・・?」
「乳房再建手術って自由診療と保険診療があるみたいだけどよく分からない・・・?」
こんな悩みを持つ皆様に向けた記事です。
乳房再建手術を検討されている方は再建方法や保険適応の違いについてよく分からず不安に感じるかもしれません。
乳房再建手術は保険適応でできる手術と自由診療で行う必要がある手術があります。
本記事では乳房再建手術とは何か、自由診療の乳房再建手術2選、そして保険診療の乳房再建手術2選について解説します。
目次
乳房再建手術とは
乳房再建手術とは、乳がんなどの乳房の病気を治療することにより失った乳房の形を治療前の形に近づけるための手術です。
乳房再建手術について、再建方法、そして時期の違いについて分けて解説します。
乳房再建方法について
乳房再建手術は大きく分けて、以下の2つの乳房再建方法があります。
- 人工物再建
- 自家組織再建
人工物再建はシリコンバッグなどの人工物をお胸に挿入することでお胸のふくらみを作る方法です。
自家組織再建は自分自身の皮膚、脂肪、筋肉などを用いてお胸のふくらみを作る方法です。
乳房再建時期について
乳房再建手術は施行する時期によって以下のように分類できます。
- 一次再建:乳がんなどの病気の切除と同時に乳房再建手術を行う
- 二次再建:乳がんなどの病気の切除の後、しばらく時間をおいて乳房再建手術を行う
また、手術の回数によって以下のように分類できます。
- 一期再建:1回の手術で乳房再建術を行う
- 二期再建:2回手術を行う
それぞれを組み合わせて、一次一期乳房再建、一次二期乳房再建といった呼び方をします。
地域などによりますが、一次二期乳房再建を行う施設が比較的多い印象です。
一次二期乳房再建では、乳がんなどの病気の切除と同時にエキスパンダーと呼ばれる皮膚の拡張期を挿入します。1回目の手術の後、エキスパンダーを徐々に膨らませることで皮膚を拡張し、十分に皮膚が拡張したタイミングでシリコンバッグの挿入や自家組織による再建術を行います。
乳房再建手術は保険診療で行うことができる方法と自由診療で行う必要がある方法があります。
乳房再建手術の保健診療、そして自由診療による代表的な方法について以下で解説します。
乳房再建手術の保険診療2選
乳房再建手術の保険診療2選はシリコンバッグによる乳房再建、そして代表的な自家組織による乳房再建です。
それぞれの方法について以下で深掘りします。
保険診療の乳房再建その1:シリコンバッグによる乳房再建
保険診療の乳房再建手術1つ目はシリコンバッグによる乳房再建です。
シリコンバッグによる乳房再建は、大胸筋の下にシリコンバッグを挿入することで切除した乳房のふくらみをつくる再建方法です。
シリコンバッグによる乳房再建は、一次一期乳房再建の場合は乳房の切除と同時にシリコンバッグを、一次二期乳房再建の場合は乳房切除と同時にエキスパンダーを挿入し半年ほど経過したタイミング改めてエキスパンダーとシリコンバッグを入れ替える手術を行います。
シリコンバッグによる乳房再建はお胸以外の自身の体を傷付けることがなく、比較的体への負担が少ない再建方法です。
一方、デメリットとして人工物特有の見た目や触り心地の違和感が生じる可能性があります。
保険診療の乳房再建その2:代表的な自家組織による乳房再建
保険診療の乳房再建手術2つ目は代表的な自家組織による乳房再建です。
自家組織による乳房再建は、自分の他部位の皮膚、脂肪、筋肉などを用いてお胸のふくらみをつくる再建方法です。
自家組織による乳房再建は、自分の組織を用いてお胸のふくらみをつくるため、人肌の温かみのあるお胸に仕上がります。また、自身の組織であるため時間の経過による変化も対側のお胸と近い変化になる可能性が高く、見た目の違和感が生じにくい傾向にあります。
一方、デメリットとして自身の体のお胸以外の部位に傷がつき、比較的体への負担が大きいことなどが挙げられます。
乳房再建手術の自由診療2選
乳房再建手術の保険診療について、代表的な2つの方法を解説しました。
基本的には、保険診療で紹介した2つの方法とは異なる方法の場合は自由診療で行う必要があります。
また、保険診療と自由診療を同時に行うことはできません。保険診療と自由診療を同時に行う場合は、単体では保険適応となる診療についても、全て自由診療としてみなされます。
自由診療で行う代表的な乳房再建方法は、脂肪注入による乳房再建、そしてハイブリッド法による乳房再建です。
以下でそれぞれについて深掘りします。
自由診療の乳房再建その1:脂肪注入による乳房再建
自由診療の乳房再建手術1つ目は脂肪注入による乳房再建です。
脂肪注入による乳房再建は、自身の大腿部などから採取した脂肪をお胸に注入することによってお胸のふくらみをつくる再建方法です。
脂肪注入による乳房再建は、自身の組織によってお胸のふくらみをつくるため、人肌の温かみのあるお胸に仕上がる可能性が高いです。また、脂肪を採取する部位の部分痩せ効果を期待することができます。
一方、デメリットとして注入した脂肪全てが生着するわけではなく、脂肪注入のみで多くのボリュームを確保することは比較的難しいです。
比較的お胸のボリュームを多くし、さらに脂肪注入による温かみのあるお胸の仕上がりを期待できるのが以下で紹介するハイブリッド法による乳房再建です。
自由診療の乳房再建その2:ハイブリッド法による乳房再建
自由診療の乳房再建手術2つ目はハイブリット法による乳房再建です。
ハイブリッド法による乳房再建は、シリコンバッグによる乳房再建と脂肪注入による乳房再建を組み合わせた再建方法です。
シリコンバッグを挿入することにより大きなお胸のボリュームをだし、さらに脂肪注入を用いることでより自然な見た目、そして人肌の温かみのあるお胸の仕上がりを期待できます。
一方、デメリットとしてシリコンバッグによる乳房再建、脂肪注入による乳房再建、それぞれ単体と比較すると体への負担が大きくなる傾向にあります。また、同時にハイブリット法による乳房再建を行う場合は自由診療になる点も注意が必要です。
まずはシリコンバッグによる乳房再建を行い、後から脂肪注入によって微調整をするといった方法も検討することができます。
出典:Bonetti et al, Medicina, 2022
【まとめ】乳房再建手術の方法は信頼できる医師としっかり相談しましょう
本記事では、乳房再建手術とは何か、そして保険診療・自由診療それぞれにおける乳房再建の代表的な方法について紹介しました。
乳房再建は様々な方法があり、お胸の病気の治療時から一貫して行う必要があります。
乳房再建の方法について信頼できる医師としっかりと相談して決めることが大切です。
当院は乳房再建の相談はもちろん、お胸の治療から時間が経ち、改めて乳房再建をしたいという方のご相談も承っております。
乳房再建を検討されている方は安心してご相談下さい。
監修者
- 日本形成外科学会
- 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会所属
本田マイケル武史(本田武史)
乳がん術後の乳房再建を年間100件以上執刀してきた形成外科医。 その傍ら美容外科医として幅広い技術を習得し専門医取得要件を満たしたことを機に美容1本に絞る。自然な仕上がりでより満足度の高い施術を極めるため理論・技術を徹底的に学び沢山のゲストの要望に応え、より一人一人に寄り添った施術を行いたいという気持ちからMYCLIを開院。 開院後1年で豊胸術件数において個人院国内トップクラスに。 技術だけではなく、カウンセリングからアフターケアまでゲストに寄り添う姿勢が評判をよび数カ月先まで予約殺到。信頼できる上、気さくで物腰柔らかい人柄によりリピーターのゲストも後を絶たない。