2024.11.03
豊胸は喫煙していても大丈夫?4つの悪影響と対策を詳しく解説!
「豊胸する予定だけど、喫煙していても大丈夫・・・?」
「豊胸前には禁煙が必要で本当・・・?」
こんな悩みを持つ皆様に向けた記事です。
豊胸を受けるにあたって喫煙は基本的には悪影響しかありません。
原則、当院では少なくとも施術前後1ヶ月、禁煙することを推奨しています。
本記事では、豊胸に対して喫煙が持つ4つの悪影響、そして豊胸前に喫煙者がするべき対策を紹介します。
目次
豊胸に喫煙が与える4つの悪影響
喫煙が豊胸をする方に与える悪影響は、主にたばこ煙に含まれる一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、ニコチン、そしてタールなどの成分によって引き起こされます。
一酸化炭素(CO)は血液中でヘモグロビンと酸素が結びつくことを阻害することで、血液中の酸素量が少なくなります。
一酸化窒素(NO)は慢性的に暴露されると私達の体のいたるところに存在する結合組織を破壊する作用があります。
ニコチンやタールは気道の分泌を促し、さらに気管支を収縮させます。
たばこは一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、ニコチン、そしてタールなどの成分を通じて様々な種類の悪影響を生じます。
実際、豊胸するにあたって喫煙が与える具体的な悪影響は以下の4つです。
- 施術前後に呼吸困難を起こす可能性がある
- 術後感染のリスクが上がる
- 注入した脂肪の定着率が下がる可能性がある
- 傷の治りが遅れる可能性がある
1つずつ以下で深掘りします。
出典:David et al, Anesthesiology, 2006
施術前後に呼吸困難を起こす可能性がある
豊胸に喫煙が与える1つ目の悪影響は、施術前後に呼吸困難を起こす可能性があることです。
なぜなら、喫煙によってニコチン・タールによる気道分泌亢進、気管支収縮作用、気道のクリアランス機能低下(気道をきれいに保つ機能の低下)、気道の易刺激性(刺激に対して反応しやすくなる)を受けるからです。
喫煙者はニコチン・タールによって気道の分泌が多く、気道が狭くなっている、そして刺激に反応しやすくなっていることから施術前後に一時的に呼吸困難を生じる可能性が比較的高くなります。
豊胸手術は他の臓器の手術に比べると体への負担が少なく、若い方が多いため呼吸困難が重篤な合併症になる可能性は高くありません。
喫煙によって呼吸困難のリスクが上がることを理解し、術前から対策を行う必要があるでしょう。
術後感染のリスクが上がる
豊胸に喫煙が与える2つ目の悪影響は、術後感染のリスクが上がることです。
喫煙による創部感染は、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)が主な原因と考えられています。
一酸化炭素(CO)は血液中でヘモグロビンと酸素が結びつくことを阻害、一酸化窒素(NO)は結合組織を破壊する作用があります。
喫煙によるこれらの作用により創部の隅々まで十分な酸素が供給されず、結合組織が破壊されることで創部感染を引き起こすリスクが上がります。
シリコンバックを用いた豊胸は感染が波及すると最悪の場合、シリコンバックの抜去が必要になる可能性があります。
喫煙は創部感染のリスクを上げることを理解し、術前から対策を行う必要があります。
注入した脂肪の定着率が下がる可能性がある
豊胸に喫煙が与える3つ目の悪影響は、注入した脂肪の定着率が下がる可能性があることです。
なぜなら、一酸化炭素(CO)や一酸化窒素(NO)の作用により注入した脂肪に十分な酸素が供給できない恐れがあるからです。
注入した脂肪の定着率が下がると期待したお胸のボリュームアップが得られなかったり、柔らかい触り心地に仕上がらなかったりする恐れがあります。
定着しなかった脂肪はお胸の中に液体としてたまったり、しこりを形成することがあり注意が必要です。
傷の治りが遅れる可能性がある
豊胸に喫煙が与える4つ目の悪影響は、傷の治りが遅れる可能性があることです。
なぜなら、一酸化炭素(CO)や一酸化窒素(NO)の作用により創部に十分な酸素が供給できない恐れがあるからです。
傷の治りが遅れることは最悪の場合、縫合不全といって傷が術後一部開いてしまう状態になる恐れがあります。
縫合不全は数週間〜数ヶ月程度治療が必要になる場合もあり治療が負担になるだけでなく、お胸や皮膚の見た目を損なってしまう可能性があり注意が必要です。
豊胸前に喫煙者が必ずするべきたった1つの対策
豊胸前に喫煙者が必ずするべきたった1つの対策は、施術前に禁煙することです。
なぜなら、上記で解説した喫煙による悪影響の多くは施術前に禁煙することでリスクを下げることができるからです。
喫煙の豊胸に対する悪影響である、呼吸器合併症のリスク、術後感染のリスク、傷の治りが遅れるリスクは、術前に禁煙をすることで下げることができたと報告されています。
禁煙の期間については、少なくとも施術4週間前から禁煙することが推奨されています。
他人が吸っているたばこの煙を吸ってしまう受動喫煙についても、自分で喫煙することと同様に豊胸に悪影響を与える恐れがあります。
仕事や家庭の環境的に完全に受動喫煙を控えることは難しい場合もありますが、可能な限り避けることが望ましいでしょう。
また、電子タバコや水タバコも同様の悪影響があることが報告されています。
通常のたばこと同様に施術前は控えることが望ましいです。
出典:
Thomsen et al, Br J Surg, 2009
Uchiyama et al, Chem Res Toxicol, 2018
【まとめ】豊胸前は必ず4週間以上禁煙しましょう
本記事では、豊胸に対して喫煙が持つ4つの悪影響、そして豊胸前に喫煙者がするべき対策を解説しました。
豊胸に喫煙が与える代表的な悪影響は以下の4つです。
- 施術前後に呼吸困難を起こす可能性がある
- 術後感染のリスクが上がる
- 注入した脂肪の定着率が下がる可能性がある
- 傷の治りが遅れる可能性がある
豊胸前に喫煙者が必ずするべきたった1つの対策は、少なくとも施術4週間前から禁煙することです。
喫煙は豊胸をはじめ全ての手術に悪影響があります。施術前には必ず禁煙するようにしましょう。
当院は施術前のカウンセリング、そして施術後のフォローアップにも力を入れております。
喫煙している方も安心してご相談下さい。
監修者
- 日本形成外科学会
- 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会所属
本田マイケル武史(本田武史)
乳がん術後の乳房再建を年間100件以上執刀してきた形成外科医。 その傍ら美容外科医として幅広い技術を習得し専門医取得要件を満たしたことを機に美容1本に絞る。自然な仕上がりでより満足度の高い施術を極めるため理論・技術を徹底的に学び沢山のゲストの要望に応え、より一人一人に寄り添った施術を行いたいという気持ちからMYCLIを開院。 開院後1年で豊胸術件数において個人院国内トップクラスに。 技術だけではなく、カウンセリングからアフターケアまでゲストに寄り添う姿勢が評判をよび数カ月先まで予約殺到。信頼できる上、気さくで物腰柔らかい人柄によりリピーターのゲストも後を絶たない。